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おとぎ話の悪役令嬢は罪滅ぼしに忙しい  作者: 石狩なべ
六章:高い塔のブルーローズ(後編)
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六章 最後のページ



 どうかこれが、お前の目に、お前の耳に、お前の中に、入らないことを願って。


 スキです。


 あたしとまともに喋ってくれたのは、お前が初めてだった。

 あたしを生き物として見てくれたのは、お前が初めてだった。


 お前の声が聞きたい。

 お前の目が見たい。

 お前がいると、世界が変わる。

 お前が隣にいると、酷く心地がいい。

 その小さな肩にそっと触れて、お前を抱きしめてみたい。

 お前の匂いを嗅いでみたい。

 お前の耳に、この想いを伝えてみたい。


 けれど、ああ、けれど、それは叶わない。

 あたしは、作られた存在。心などない。

 ないはずなのに、目覚めてしまった。

 これは魔法ではない。

 これは呪いだ。

 なんて憎く、尊い呪いだろうか。


 スキです。


 アイしてます。


 この想いを伝えたい。


 でも叶わない。


 許されない。


 さようなら。


 お前がこれ以上、あたしに囚われないように。

 お前がこれ以上、ここにいてはいけないように。

 主様がここに来る前に。


 掃除をしてくれてありがとう。

 喋ってくれてありがとう。

 抱き締めてくれてありがとう。

 好きでいてくれてありがとう。

 歌ってくれてありがとう。

 遊んでくれてありがとう。


 本当は言いたかった。

 お前に、何度も伝えたかったの。


 この言葉が、絶対に、お前に届きませんように。










 ドロシー、ずっとアイしてる。














 日記は、ここで終わっている。


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