第22話 テリーへ
拝啓、親愛なるテリー。
こんにちは。テリー。喜怒哀楽で言うなら、今の君はどんな気持ちかな?
ハロウィン祭では会えて嬉しかったよ。行くことを黙っててごめんなさい。
でもね、驚かせたくて、会えるか分からなかったけど、電話で働いてるお店の名前も聞いてたし、大丈夫かなって思ったんだ。
声をかけた時のテリーの顔が忘れられません。だって、君、とっても可愛い顔してたんだ! 目をまん丸にさせて、すっごく驚いてた! ふふっ! あたし、すっごく満足!
忙しい中、わざわざ休憩の時間にあたしと歩いてくれてありがとう。テリーと久しぶりに歩けて、しかもハロウィン祭を回れて、とても嬉しかったよ。
君の仮装もとっても可愛かった! あの猫の衣装はどうやって用意したの? あたしも仮装してくれば良かったな。
来年は何をするつもり? 良かったら、来年も行くよ。今度はおじさんとおばさんも連れて、テリーに会いに行くから。
それで、会うまで仮装を秘密にしておこう。お互いにすごいのを着て会いに行くんだ。楽しそうでしょう? あたし、冬休みに入ったら短期間のアルバイトをするよ。それで、またテリーに会いに行くからね。
テリーに会えて、あたし、本当に嬉しかったの。この手紙を書いてる今も、テリーにもう一度会って話したいくらい!
テリーの環境がどうなったか、貴族に戻ったテリーはどんな風になったのか、キッドさんは元気なのか、メニーはどんな様子なのか、リトルルビィの背は伸びたのか、聞きたくて仕方ないんだ。
電話でもいいけど、やっぱり目を見て話したいものでしょう?
あ、そうだ。お土産、とても好評でした。学校のいじめっ子たちも、悪くないわねって言いながら、美味しそうに食べていたよ! ふふ!
それと、デートに誘おうと思ってた彼、彼とは、お友達になりました。読書仲間かな。今度、彼と、彼の彼女と、遊びに行きます。ちょっと気まずいや。
まあ、あたしはこんなところ。
明日も学校があるから、早く寝なきゃ。
テリー、明日も、明後日も、その先も、君にとって、素晴らしい日でありますように。
ニクス




