表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/215

おかしなシマシマシッポ

 窓の外に猫が座っていた。

 最近ときどき見かけるようになった猫だ。

 色は白で、シッポがシマシマ。シッポ以外では、顔の中央だけが黒い。シマシマシッポを白くしたような見た目の猫。白シマちゃんだ。


 ――この付近ではシッポがシマシマの猫が多いですよねー。血縁関係があったりするんでしょうか。


 白シマは窓の外で大人しく座っている。僕の姿を見ても逃げ出すことはない。じっと見つめてくる。なかなか可愛らしい猫だ。


 ――この様子だと、野良猫ではなさそうですね。うちの子と仲良くなってくれるでしょうか。


 と考えていると、隣の庭からシマシマシッポが現れた。


 ――あっ、もしかすると、シマシマシッポのお友だちなのかもしれないですね。見た目も似ているし……あれ?


 シマシマシッポの様子がどうもおかしい。

 頭を低くして、こっそりと移動している。

 白シマの背後から近寄り、立ち止まると、お尻をフリフリ。

 そして、勢いよく飛びかかった。

 いきなり飛びかかられた白シマは驚いた様子。ビクッとからだを震わせて、必死になって逃げていった。


 ――まあ、それはそうなりますよね……。 


 一方のシマシマシッポは「なんで?」という顔で見送っていた。

 猫同士の交流がいまいち上手くいかないのは、うちの猫に問題があると思っていたのだけれど、シマシマシッポのほうもちょっと変わったところがあるようだ。

 みんなそんなものかもしれない。



 夜、寝ているときに、ドアをひっかく音が聞こえた。


「うーん? 開いてますよ」


 暗い中ベッドから起きてドアまで行くのが面倒だったので、僕は布団の中に寝たままで、そう声をかけた。

 ドアがすっと開く。

 しかし、中に入ってくる気配はない。


「どうしたんですか?」


 問いかけて、じっと見つめる。

 暗がりに目が慣れて、見えてきたのはシマシマシッポの顔だった。ドアのすき間から顔を覗かせている。


 ――えっ? なんでシマシマシッポ? うちの子じゃないの? どこから入ってきたの?


 と僕はハテナマークを浮かべた。家の中に入れた記憶はない。

 シマシマシッポも「なんで?」という表情をしている。

 しばらく見つめ合って、そのまますっと去っていった。


 ――なんでいたんでしょう? いったいどこから……?


 と呆然としていると、うちの猫がやってきた。


「あっ、ねえねえ、さっきシマシマシッポがいましたよね?」


 と尋ねると、


「なんだ、まだ寝てなかったの。面倒だわ!」


 と鼻を鳴らして去っていった。

 結局真相はわからないままだった。



 別の日に、リビングにいたときのことだ。

 このときは、シマシマシッポが家の中に入ってきたのをちゃんと確認した。僕が窓を開けたのだ。


「いつの間にか侵入しているというのは、やめてくださいね。びっくりしてしまいます」


 と鼻をつんつんすると、シマシマシッポはあお向けになって、あたふたし始めた。

 つんつんをやめると、シマシマシッポもピタリと止まって、「やめちゃうの?」という顔をする。


「あはは、ちょっと待ってくださいね。あとで遊びます。まずはFAXを印刷しないといけないんですよ。いまどきFAXとか、本当に面倒くさいですよね。でもわりとFAXを使う場面って多いですよね」


 などと言いながらFAXを印刷する。

 ボタンを押して、ジーと紙が出てくると、シマシマシッポが飛び起きた。

 びっくりしたようだ。FAXを見つめている。


「あはは、びっくりさせちゃいましたか? 生き物じゃないですよ。FAXですよ」


 はらり、と印刷した紙が、床に落ちる。

 その瞬間、シマシマシッポが紙に飛びかかった。ペチペチと前足で叩き、咥えて走っていく。


「ああ、おバカ! それは使うやつです。返してください!」


 追いかければ嬉しそうに逃げていく。


 ――FAXを使うときは、周囲に注意ですね……。


 庭を走り去っていくシマシマシッポを見送りながら、僕はそんなことを考えていた。

ちなみにうちの猫の場合は、機嫌が悪くなるだけで済みます。

FAXと猫の相性は悪いみたいですね……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ