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プロローグ
まるで風のような人でした。
つかみどころがなくて
時に激しくて
でも、包む込むように優しくて
そしてどこまでも自由で
決して捕まえられない
風のような人でした。
どうかあなたが、今日も明日も明後日も、
ずっとずっと幸せでありますように。
あなたのためにできることは
今となっては祈ることだけになってしまいました。
もう姿を見ることすら叶わなくなっても
祈ることしかできなくても
あなたがあの広い蒼空の下で、
柔らかな風に吹かれ、
あの頃と変わらない優しい笑顔でいてくれると
そう思うだけで
あたしは今日も明日も明後日も
ずっとずっと幸せでいられることでしょう。




