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アリとキルギス共和国
アリは中華人民共和国の国境を抜け、カザフスタン共和国を目指し、キルギス共和国の険しい台地を歩いていた。
一人ぼっちだった。女王アリが帰りを待っている。何としてもシルクロードを通ってアリには何の役にも立たない絹糸を持って帰り、アリの巣に繁栄をもたらすのだ!
しかし困ったことに、作者はキルギス共和国について何も知らない。サッカーで日本と戦ったらしいことも、検索して今、初めて知った。
知識のないもの書けないと、アリは知る。しかし、だからこそ旅立つのだ。
「頑張って、アリさん」
遠く日本から声援を送るこほうぎこなたの声はインターネットに乗って、しかし届かなかった。相手はただの、アリなのだから。




