㉓バクハツは芸術なのです
名前は知られていても正体がよくわからない、とある不思議生物の謎に迫ります( ̄▽ ̄)
ごきげんよう。
とつぜんですが、これを読んでいるアナタは獏をご存知でありますか?
え……? そんなの知ってるとな?
にゃふふふ。そこのあなた。ひょっとして動物園にいるマレーバクが頭に浮かびましたか。はたまた、”夢をたべる”という妖怪を想像しましたか。フィクション作品に登場するモンスターのバクって、悪夢で苦しめることが多いかにゃ。
でも聖獣の獏は、そんなことはしないんです……。
獏は『悪夢だけを食べる』のだ。ご存じでしたか?
悪い夢を見て怖かったときは『獏さん、夢を食べてください』とお願いしてみてください。もしくは、紙に『獏』と書いて枕の下に置いても同じ効果があるんです。そうすると、次の夜からは同じ悪夢は見なくなります。
一つの事例を紹介しよう。
夢の中で化け物にであった人が、必死で抵抗して撃退したところで目が覚めた。とても怖かったので『獏さん、夢を食べてください』とお願いしたんです。
すると獏が現れてこう言いました。
「自力で打ち勝った夢は、悪夢じゃないから食べられません」
――――食べる夢にも好き嫌いがあるんだにゃあ……。
さて、本題に入りますが、獏のモデルになった実在の動物はいったい何でしょう!?
東南アジアのマレー半島にいるバク? いえいえ。そっちのバクは伝説の獏に似ていたから、その名がついたんです。
中国の伝承では『鼻はゾウ、目はサイ、尾はウシ、脚はトラ』といわれています。そんな生き物はいないよね。でも、もともとの獏は『熊に似て、白黒の生き物』だったんです。マレーバクも間違ってないけど、もっとふさわしいのが中国にいるでしょう。
そうです。ジャイアントパンダですよ! 夢を食べるってのは、『何を食べているかわからない』ということなんです。笹、つまり竹の葉っぱをガジガジしてるけど、それが主食とは思わなかったんですね。竹は一年中生えてるので、竹林にいれば冬でも食べものがあるんです。
普通の熊は、細い竹を掴めません。人間や猿の仲間は、親指の向きが他の指と違なるので、手でものを掴めます。パンダの前足は、全部の指が同じ方向を向いています。でも手首に小さなコブがあるので、細い竹を掴めます。冬でも笹を食べられるので、パンダは冬眠しないのです。
雪の上でも森の中でも外敵に見つからないように、身体が白黒になったんです。パンダの敵になる動物の目は色がはっきり見えず、ほとんどが白黒に見えます。だから、白黒のパンダは竹林や森に隠れられるんです。
さて、獏のモデルらしきジャイアントパンダ。漢字でどう書くかをご存じですか?
じつは大熊猫と書くんです。
そう……つまり獏の正体は、猫なのです!!




