第五十一話 ~水車式高炉~
途中でアップしてました(*´Д`*)
すいません。
追稿しました><
<佐渡国 羽茂郡 千手村 領主館>
チュンチュン
朝か。だいぶ寝過ごしたようだ。
羽布団は寝心地最高だったなあ。
起きようとしたところに、人の気配!? 誰だっ!?
「お、おはよ・・・照詮・・・?」
「オハヨー、ゴザイマス・・・」
レンとナーシャが脇から顔を出した。あれ、何で…?
__________
朝、支度をして広間に行くと、みんな待っていた。
そして、何故か羽茂城にいるはずのレンの父親、仲馬おじが正装して座っていた。
「照詮様、おはようございます。・・・寝心地はいかがでしたでしょうか?」
「うん、おはよう。最高だったぞ。毎日使いたいな」
羽布団の話だよね?
すると、何故か皆から、
「おめでとう御座います!」「おめでとう御座います!」
と言われる仲馬おじ。
「あ、ありがとうございまする! 末永くよろしくお願いいたします!」
深々と頭を下げる仲馬おじ。え? 布団を? まあ大事に使うけど。
「ターニャも良かったわね!」
「ハイ、これでひとあんしんデス・・・」
妙恵おばさんに言われると、ターニャはハンカチを取り出して目頭を押さえている。イゴールもウンウンと頷いている。
話が噛み合わず、何の事か気づいたのは、しばらく経ってからだった・・・
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<佐渡国 羽茂郡 千手村 羽茂川河原>
ガラガラガラ
羽茂川を流れる水を掬い上げ、そしてまた川に落とす。それをひたすら繰り返す。
大きな木の車輪が回る。回る回る。
イゴールが千手村の皆と協力して、ヨーロッパ式の「水車」を組み上げていた。環塵叔父に聞けば、日本でも京で権勢を振るった藤原道長がいた頃にはあったそうだ。平安時代前ってことかな? 主に田んぼに水を揚げるため、水揚げの小さな箱がついた水車が一般的で、佐渡にも小さなものはいくつかあるようだ。
ということは、技術文化が進んだヨーロッパでは、もっと前から発明されて利用されてきたのだろう。レオナルド・ダ・ヴィンチとか天才がいる世界だもんな。そういやダヴィンチって、いつ頃の人だったっけ。フィレンツェまで行けば、まさか会えたりするかも?
イタリア生まれのイゴールは、幼少期から進んだ技術を見て学んで使って覚えてきたようだ。テキパキと指示を出し、三か月でレンガ作りの水車と高炉を一棟作り上げていた。俺にとってのダヴィンチだわ、イゴールは。
水車を使えば、水の力で人の手を介さずに動力が生まれる。小麦や蕎麦などの粉ひき、餅つきの杵つきなんかも疲れることなく進めてくれる。これはありがたい。赤泊の港で魚を潰して練り物作りすることになんかも応用できそうだ。風車も使えればいいが、こちらは風が吹かないと安定しない。その分、山林に囲まれた佐渡の川の水は絶えることはまずない。有力な動力源だ。
「xxx、xxxxxx」
「こちらが、『鉄づくり』が可能になる『水車式高炉』になります」
イゴールの言葉を、通訳を任せた長谷川海太郎が答える。高い技術力を持つイゴールだが、年も年だけに新たに言語を覚える力は衰えているようだ。その分、海太郎を介して伝えてもらえるから問題はなさそうだ。ナーシャの御付、ターニャもそろそろその役を果たすことができるかもしれない。
「おお~! 凄い仕組みだ!!」
水車の動力は、鹿革でできた大きな蛇腹折りのふいごに直結されていた。水力によって水車が回ることで、上下運動がそのふいごに伝わり、ブシュー! ブシュー! と、勢いよく空気が押し出されている! 送風への水車の利用によって大量の空気が送られて、炉内の温度を上げる仕組みのようだ。
肝心の鉄の材料と燃料は、まだ炉の中心には入っていない。まだ集めるまでには至っていないからだ。
「xxxx、xxxxxx、xxxxx、xxxxxx、xxxxxx」
「鉄の多く含まれた赤い石、それと炭、できれば黒くて燃える石? があるといいと言っています」
「ふむ。『鉄鉱石』、赤鉄鉱ってやつか。黒くて燃える石ってのは、たぶん『石炭』だな」
「ほほう。鉄鉱石と石炭、ですか?」
ゲームじゃお馴染みの鉄鉱石と石炭が製鉄に必要だ。赤い石っていうと、佐渡の名産品「赤玉石」ってそうなのかな? ツルツルに磨かれて御守りみたいに持ってたけど、探せばたくさん見つかるかもしれない。領主として、たくさん埋まってる所を探させてみるか。
日本の製鉄は、砂鉄を集めての「たたら製鉄」が主だ。も〇のけ姫の世界だ。日本刀とかはこれで作った「玉鋼」がいいんだよな。
それよりも遥かに効率的で大量に鉄を産出することができるであろう「水車式高炉」。これはかなりのアドバンテージとなる。
鎧や刀や槍作りにはもちろん使うし、これからの戦を考えれば鉄砲や大砲、弾作りにいくらあっても足りないくらいだ。
問題は石炭だ。佐渡で石炭って見つかるのか? 越後なら出たかも・・・? それと、新潟県の新津だったか胎内だったかには、日本の「油田」があったはずだ。結構な量が出ていたという。燃料は、塩作りにも多く用いている。佐渡の森林を守るためにも、そちらを手に入れることが出来た方がいいな。白狼に調べてもらうとしよう。
「材料については何とかしよう。まずは試運転を、おっと、試しに鉄を作ってみてくれ。さらに、水車式高炉は『ガラス作り』にも使えそうだ。赤泊にも魚砕き用に水車が欲しい。やってもらえたら非常に助かる。グラッチェグラッチェだ」
「xxxxx、xxxxxx、xxxxx、xxxx」
「La ringrazio」
イゴールは、嬉しそうに髭面から笑みを覗かせた。助けた恩を返そうとしてくれているみたいだ。何て言ったか分からなかったけど。
十年後くらいには、一緒にビールを飲んで騒ぎたいな。その頃に俺は、どこまでいけているだろうか?
最近、途中まで書いて、「明日のこれくらいにアップできるかな~」と予約してまして(´;ω;`)
書き切る前に予約が発動してしまいました。
「あれ、まだ次話UPしてないのに閲覧が増えてる! どっかで取り上げられたかな!?」
と勘違いした人がいました←
水車式高炉については、FNの高校物理様のサイトを参照させていただきました。
http://fnorio.com/0056history_of_iron_manufacture1/history_of_iron_manufacture1.htm
材料がそろい次第、製鉄がスタートします。
赤鉄鉱、磁鉄鉱は佐渡なら見つかるはず。鉄材自体を売り物にしてもいいはず。
佐渡で石炭は採れないようです。代わりに新潟では炭田がいくつもあると情報を頂きました。山師を招いての鉱山開発が必要となりそうです。武田晴信さんへの干し魚との交換条件となるやも。




