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891 天界にグループ通話機能実装

 地球:202X年11月12日

 火星:1年6月4日


 ~紗也華の視点~


「皆さんにご相談があるんですが良いですか?相談と言うか話し合いたい議題でしょうか?」


「彩花?なにかしら?言ってみて」


「ブリタニアさん、ありがとうございます。我がままですが私も光一さんとお話をしたいです。その方法を話し合いませんか?」


「あら?良いわね。私も光一とお喋りしたいわ。でも方法かー。イブは何か案はない?何でも良いわ」


「紗也華さん。確認だけど光一さんは『世界管理システムと相性が良いらしいから』と言って、紗也華さんとお話をしたり色々としていたのよね?」


「そうね」


「世界管理システムのメールは使えないかしら?」


「そう言えば、この世界の世界管理システムでもメールが使えたわね?」


「……やぁ紗也華さん。元気そうで良かったよ」


「あっ!生命神さん、治療ありがとう!」


「良いんだよ。面白そうな話をしているから様子を見に来ちゃった」


「光一。世界管理システムのメールが使えたら送ってみて」


『光一様からメールが届きました』


 地球神さんの音声だ!


 ・件名:テスト

 ・内容:

 テスト



「光一からテストメールが届いたわ!」


「紗也華さん、ウィンドウにも届いたわ。この場にいる全員に送信しているね」


「光一!あなた偉いわ!ブリタニアよ。聞こえているでしょ?」


『光一様からメールが届きました』


 ・件名:やったぜ!

 ・内容:

 メールが無事に届いて良かった。皆、心配かけてごめんね。

 僕は今、世界管理システムの機能で病室を見ながら歩いているよ。

 時々、アイテムボックスとか魔法が使えないか試しているけど駄目だね。

 世界管理システムに通話機能があれば良いのにね。グループ通話機能。


 ぼたん?何度でも言う。つか書く。きっかけは君じゃないよ。

 悪い事をしていた邪神だって言ったでしょ?自分を責めないでね。

 おーい。病人を心配させるんじゃない。って……ぼたんも病人だったか。

 まぁ、なんだ。ゆっくりと休めば良いと思うよ。ぼたん。愛しているよ。


 生命神さん、いつも治療をありがとう。迷惑をかけるね。

 本当にありがとう。


 憎たらしい弟へのコメント?ナイナイ。おまっ!結婚認めないからな!


 そんじゃ時々、メールするよ。

 まー、僕は頑張るからさ。皆は安心して待っていてよ。


 以上、迷惑と心配をかけるけど引き続きよろしくね。



「相変わらず我が妹は器が小さい。優紀もそう思うよね?」


「孝次さんの言う通りね。お父さん!私、怒るよ!」


「まったく。僕には理解できないよ。生命神なんだけどね。光一くん。迷惑だなんて事はないよ。でも感謝の言葉は嬉しい。それじゃ僕はエルザちゃんと一緒に地球の神と話をしてくる。グループ通話機能を実装するよ。そんじゃ失礼」


 そう言うと生命神さんは去って行った。


「ねぇ?ブリタニア?」


「そうね、紗也華。光一!あなたは凄いわ!今、生命神さんが機能実装に向けて動いているからね。もう少し待って」


「光一、ぼたんよ。心配をかけてごめんなさい。本当にごめんなさい。うん、私もゆっくりと休むわ。私も光一を愛している」


「ぼたん?光一ならきっとこう言うわ『謝る必要はないよ。ぼたんは何も悪くないからね』ってね」


「紗也華。きっとそうね。ありがとう。イブ、イヤホンかヘッドホンを用意出来る?」


「何に使うの?あっ!言いにくい事なら良いの」


「ふふっ違うわ。共同記者会見を観ておきたくてね」


「あら?それなら私も観たいわ。というか……ぼたん?観たいならそう言いなさいよ。やっぱり変な動画を……」


「ブリタニア、違うわよ!本当に違うの!退屈な動画だし、皆に迷惑かなって思って」


「あら?ぼたんさん。退屈な動画とは酷いわね」


「あっ!イブ、そんなつもりじゃなかったの。ごめんなさい」


「冗談よ。あなた重症ね。はぁ……生命神さんに治療をお願いしても、根本的な解決にならないと思ったからしなかったのだけどね。治療をしてもらう?一時的にでも改善されるかもしれないわ。正直に言いなさい。あなた変な事を考えていない?」


「へ、変な事って?」


「いっそ自分も意識不明になれば光一さんと会えるんじゃないかとかよ」


「…………」


「答えなさい。それとも自白魔法をかけようか?」


「考えているわよ。私、皆に迷惑をかけてばかりだし。もうそういうのが嫌なの。だったらいっそ意識不明になったら、楽になるんじゃないか。光一に会えるんじゃないかって思うのよ。共同記者会見だって興味があるわけじゃないの。不安なの。マスコミに叩かれているんじゃないかってね。国民に政治家お得意の仮病入院だとか、思われているんじゃないかって不安なの。寝ても仕事で失敗する夢、マスコミや国民に叩かれる夢だし」


「ぼたん、不安なら観ない方が良いんじゃない?それに私達は迷惑だなんて思っていないわよ」


「紗也華。本当は観たくない。怖いから。だからSNSも見ていないの。もっと怖いから。でもこの不安感から楽になりたくて、動画だけでも観ておきたいんの。皆は優しいから迷惑じゃないって言ってくれるけどね。申し訳ないの。ごめんなさい。気分が悪くなったからお手洗いに行ってくるわ」


 ぼたんは立ち上がった。目が死んでいて心配。


「ぼたん、私も一緒に行くわ」


「紗也華。ありがとう。でも恥ずかしいから遠慮してもらえるかな?5分経っても戻らなかったら様子を見に来て」


「えっ?でも……」


 イブがぼたんに近付いた。


「自白魔法」


 ぼたんは目がトロ~ンとしてその場にへたり込んだ。


「ぼたんさん。本当に気分が悪いの?」


「悪いわ」


「お手洗いで何をするつもりなの?」


「刃物で心臓を刺せないかなって思っているわ。もう疲れた」


「そう。おやすみなさい。自白魔法解除。スリープ」


 ぼたんは眠りについた。


「……はぁ。悪化しているじゃん。見ていられなくて来たよ」


「生命神さん、来てくれてありがとう。ぼたんは治せる?」


「ブリタニアさん、そりゃ治せるけどね。原因をどうにかしないと根本的な解決にならないよ」


「ウィンドウ。ぼたんさんをベッドに寝かせてくれてありがとう」


「うん。イブお母さん。床に放置は出来なかったからね」


「そうね」


「それじゃ治療をするよ」


 生命神さんはそう言うと、ぼたんの頭に手をかざして、光を注いだ。約1分間ね。


「終わったよ。今、目が覚める」


「……ハッ!はぁはぁ。嫌な夢を見たわ」


「ぼたんさん、どこまで覚えている?」


「生命神さん記憶は大丈夫よ。イブに自白魔法をかけられて、その後に眠らされたのよね」


「そそ。気分はどう?」


「とても楽になったわ。ありがとう」


「ぼたん!あなたお腹に子どもがいるのに何を考えているの!」


「そうね。ブリタニアの言う通りだわ。ごめんなさい。今は大丈夫」


「ぼたんさん。今は良いけど、原因を取り除かないと根本的な解決にはならないからね。理解できる?」


「分かるわ。私、どうしたら良いかな?やっぱり大統領を辞職した方が良いかな?」


「ぼたんさん、SNSを見て。それで大統領を辞職するか判断すれば良いわ」


「イブ、分かった。生命神さん、改めてありがとう」


「良いよ。それじゃ僕は帰るね。皆、よろしく。そんじゃ」


 そう言うと生命神さんは去って行った。ぼたんはスマホを操作している。大丈夫かな?

 ぼたんはスマホをしばらく見ていると涙をボロボロと溢れさせた。


「ぼたんさん。大丈夫ですか?無理はしないでください。光一さんもそう望んでいるはずです。大統領を辞めても……」


「彩花……ありがとう。私、辞職しない!……頑張るから。だってさ。こんなにも……こんなにも沢山の人が温かい応援メッセージを送ってくれているんだから。でもイブ?アンチもいるんでしょ?」


「ごく一部よ。まぁ一応、青薔薇テレビは人工知能を活用して世論調査も実施するけどね」


「それじゃ結果が出たら教えてね。私はSNSに国民に感謝の言葉を投稿するわ」


「了解よ。あーそれから記者会見だけどね。病院側にもお願いしてやってもらったわ。光一さんとぼたんさんの状況を説明してもらったの」


「えっ?そうなの?」


「えぇぼたんさん。マスコミ対策よ」


『あーあー。皆、僕の声は聞こえているかな?』


「光一!?ブリタニアよ!私は聞こえているわよ!」


「ウィンドウも聞こえているわ!光一さん!声を聞きたかったわ!」


「アクアオーラもよ。嬉しいわ」


「光一、どうしたの?紗也華よ。あなたの声は聞こえているわ」


『紗也華。生命神さんからメールが来てね。グループ通話機能を実装したらしいから試してみた』


「我が憎たらしい妹よ。聞こえんぞ」


『ぜってーにお前は聞こえてんだろうが!素直になれって言っただろ!優紀との結婚を認めないぞ!』


「お父さん!そろそろ本気で優紀は怒るわよ!」


「まったく。困った兄弟ね。光一さん、イブよ。なんだか久しぶりな気がするわ」


『皆、改めてご迷惑とご心配をおかけして申し訳ない。ぼたん?』


「光一。本当に心配をかけてごめんなさい。私は愚かね」


『ぼたん?まー気にすんなって。そういう時もある。もうこっちに来るとか言うなよな。あのなー。言っておくがな。こっちも楽じゃないからな。辛いぞ。心が折れたらお終いだからな?良いか?ぼたん。君は1人じゃない。皆がいる事を忘れるなよ』


「そうね。でも光一も1人じゃないわ。皆がいる。私も頑張るから。ゆっくりで良い。戻ってきてね」


『そうだね。絶対に戻って来るから安心してよ。なー?ぼたんよ。国民も君の帰りを待っているんだろう?愛されているじゃないか。愛する家族もいるでしょ?何を不安に思う必要があるんだ?マスコミ?あんなもの放っておけ。僕?まー時々な。心臓が止まるかもしれんが大丈夫だ。慣れろ』


「うん。私は愛されているわ。でも光一?マスコミはともかく、心停止は慣れないわ。不安にもなるわよ」


『そんじゃ別の病室に入院してだな。心停止の情報は聞くな』


「それはそれで嫌!あなたの傍にいたいの!」


『我がままだなぁ。まー良いや。なー?ぼたん?家族に迷惑だとか考えるのを止めろ。そして謝るのも止めろ。迷惑ってのは僕みたいなのを言うんだ。良いな?ブリタニアはどう思う?』


「私?私は光一に迷惑をかけられていると思っていないわ。当然、ぼたんもね。だって家族じゃない。変に気を遣われたり、気にされたり、謝られる方が困るわ。謝ってほしい時はちゃんと『謝って!』と言うから。あなた達、良いわね?」


「光一とブリタニア、分かったわ」


『僕も了解。ところでイブ?質問を良いかな?』


「何かしら?」


『大統領が「職務不可能でーす!」って文書を議長に送付すれば、副大統領が大統領代行として大統領職の権限と義務を遂行するんだよね?』


「そうよ?それがどうかした?」


『そんで、それって大統領が「職務可能でーす!」って文書を議長に送付するまでなんだよね?』


「そうよ。その通り」


『だったら、ぼたん。僕が戻るまで休んでいれば?実際、僕が寝たきり状態だと心配と不安で仕事にならないでしょ?傍にいたいでしょ?』


「それはそうだけど……国民が私の帰りを待っているわ。待ってくれているの!だから!」


『なーぼたんよ。そうやって無理すんなって。良いかー?まぁ1ヶ月は休め。焦るな。焦りは禁物だ。早く戻らなくてはいけないって思うな。僕は逆の立場なら出来るだけ妻の傍にいる。そりゃお金に困っているのなら、妻に申し訳ないと思いながらも働くけどね。時々、心臓が止まる意識不明状態の不安定な家族がいたら傍にいたいよ』


「でも天界組は……」


『そりゃぼたんよ。心配だし不安だけど、場所の問題で一緒にいられないんでしょ?それでイブよ?ハロメンの妻は配信活動をしているのかな?』


「していないわ。出来るわけがないじゃない。そんな精神状態にないわ。活動休止中よ」


『でしょ?もー何ならさ。この病院の周辺の土地と建物をお買い上げしてだね。新病棟を建てなよ。そこら辺は予算もあると思うけど、皆で相談して決めてよ。日本国内の病院に入院していないと駄目なんでしょ?』


「光一さん、その通りだけど無駄遣いは出来ないわ」


『イブ。僕が退院したら終末医療専門病棟にするとか、D-Systemのゲームセンターにするとか色々と方法はあるでしょ?研究棟にしても良いかもね?最初から全否定しないで検討はしてよ。入院せずに僕と定期的に会話が出来れば良いのなら、それはそれで良いから。議論をしてほしい』


「分かったわ」


『少なくともね。ぼたん。君は僕と一緒にいて。最低でも1ヶ月は一緒にいて。後はイブと医者の判断に任せる。イブ、他に心配な子がいたら教えて。昨日、話に来てくれたけど、それだけでは分からない』


「光一さん、大丈夫よ。ぼたんさん程の重症者はいないわ」


『そりゃ良かった。まぁぼたん気持ちは分かる。国のトップの責任は重いわな。夫が大馬鹿者だからそりゃ不安や心配にもなるわな。そんな夫からの命令だ。最低でも1ヶ月は一緒にいて。良いね?』


「……分かったわ」


『安心して。最悪の場合、意識が戻ったらになるけども。『僕が寂しいから一緒にいてほしいと命令した。従わないと離婚すると脅した』とか言っておくから』


「私の為にそんな事をしなくていいわ」


『そっか。しっかし結婚式の延期は申し訳ないと同時に残念だなー。充電道路とかで驚かせようと思ったのにね。まぁ良いけど。イブ、国王として日本での充電道路等の計画は予定通りに進める事を指示するね。あーそれから僕の許可なく必要な政策はどんどん進めてね』


「了解よ。私も結婚式の延期は残念だわ。どう?光一さんはどんな感じなの?」


『はぁ……イブ。アイテムボックスから自転車でも出したい気分だよ。景色が変わらないのもあってね。病室の様子を見たり会話が出来なければ気が狂っていたね。2つ心配事があるんだけど良いかな?』


「何かしら?」


『意識が戻った時、元の姿に戻れるのかが心配だよ。それから意識が戻っても身体が動かせるかが心配だね。はぁ……劣悪な環境で囚人になった気分だよ』


「きっと大丈夫よ」


『そうかなぁ……おーい。弟よ。お前はもう仕事に戻れ。クビになるぞ?』


「妹よ。クビになったらなったで構わないよ。いつまでも付き合うぞ」


『いーや!良くない。それにな優紀と家でゆっくり過ごしてあげなよ。優紀もその方が良いよな?』


「お父さん、私は良いの。こうして一緒にいられるのなら幸せよ」


『……せめて夜は帰れよ。な?』


「なんで?」


『にぶい弟だなー!夜は妻とイチャイチャしたいの!察しろ!こちとら色欲の神だぞ!おまっ!風呂も自分の家に入りに行けよ!大体な!お前達は本当に愛し合っているのか?普通はもっとイチャイチャするだろ!』


「妹よ。その姿でも欲求があるのか?あまり心臓に負担をかけるのは良くないぞ?それにな?普通とか言われても分からん」


『あー!本当に察しの悪い弟だなー!女の子にも欲求があるものなの!そして!女の子からは言い出しにくいの!少しは優紀との時間を大切にしろよな!優紀もゴメンなー?察しの悪い弟で申し訳ない。やっぱりコイツと結婚するのはオススメしないぞ』


「えっ?優紀、そうなの?」


「2人共バカー!優紀は知らない!でもお父さん!私は結婚するからね!」


「あー優紀ゴメン。それじゃ夜は帰ろうか」


「バカバカー!お父さんの事が心配なんでしょ?優紀の事は気にしないで!」


「こんな妹よりも優紀の方が大切だよ。ゴメン。夜は一緒に過ごそうね」


『おいっ!こんなってなんだよ!』


「でも……良いの?」


「うん。良いんだよ」


『おいっ!無視すんな!コラー!』


「ありがとう!あっ!でも私、夜は充電しないとだから……」


『はぁ……優紀、僕の所に来て』


「お父さん。なに?」


『子どもを産める身体にすれば、充電が必要なくなるでしょ?』


「そうだけど……でも夜、早めに帰れば大丈夫だから」


『優紀は今の身体とどっちが良い?』


「うーん?子どもが産める身体かなー?」


『それじゃ悪いけど僕の手を優紀のお腹に近付けてもらえるかな?当てなくて良いから』


「分かった……?」


 優紀が自分のお腹に光一の手を近付けると、優紀は光に包まれた。


「ちょっと!光一!?」


「なに?……紗也華」


 やがて優紀の光は収まった。

 それと同時に光一の生体情報モニタからアラームが鳴った。


「光一!ねぇ!返事して!紗也華よ!」


「お父さん!」


「心静止!ウィンドウ早く!」


「イブお母さん!了解よ!」


「光一!聞こえないの!ブリタニアよ!」


 光一の心臓が戻るのに約10分かかった。

 心臓が戻った後の生命神さんによる治療も時間がかかっていた。

 生命神さんによると、光一はボロボロの状態だったみたい。


 バカ!また無茶をして!また説教をしないとね!

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