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882 プラス1日入院?

 地球:202X年11月10日

 火星:1年6月2日


「ありがとうございました。もう大丈夫です」


「こちらこそありがとうございました。とても話しやすかったですよ」


「それは良かった。ですが、長くなって申し訳ない。大統領の記者会見の時間、過ぎちゃいましたね」


「あー良いんです。動画で観ますから。遅くまでお仕事お疲れ様です」


「ありがとうございます。ですが半分、遊びに来ているんですよ。本庁もですが都内の所轄はしばらく大変だと思います」


「そうなんですか?」


「はい。日本含め主要な先進国で刃物や銃を使った同様の事件が多発していました。警戒を強化していたにも関わらず大事件が発生してしまった。本庁は事件の捜査。所轄は更に警戒を強化していると思います。例えば都心では警棒を手に持って歩き回ったり、駅や電車の車内等の主要な場所に多数の警察官を配置して、積極的に職務質問や手荷物検査をする等ですね。捜査会議を抜け出して来たので推測ですがそのはずです」


「東京の人の多い駅で発生した無差別殺人事件とかですね?警察もですが民間人も大変ですね」


「おっしゃる通りです。はぁ……何でこうも事件が続くんですかね。すみません。愚痴になってしまって」


「いえ、それでしたら……」


「光一さん、それは私から。先程、大統領の記者会見が終わったわ。政府からこの様な発表をするのは異例なんだけどね。軽く記者会見の内容を読んでもらえるかしら?」


「……?副大統領、承知しました。失礼しますね…………なるほど。理解しました」


「あら?読むの早いわね」


「書類仕事で慣れていますから。それで、この警戒態勢はいつまで続くか分かりますか?」


「南條さんが先程言った警戒の強化。これを政府では第一種警戒態勢と呼んでいるのだけど、この状態を1週間。強化する前の警戒は第二種警戒態勢と呼んでいるけど、これを今月中は続けるのが政府の方針ね。あくまでも政府方針ではあるけど、全ての都道府県警察本部が方針に従うはずだと考えているわ」


「都道府県警察の警察本部長等の任免権者は国家公安委員会ですからね」


「現場には負担をかけるけども、模倣犯対策として理解してもらえると嬉しいわ」


「もちろんです。しかし大統領も大変ですね。心中お察しします。文章だけでも伝わってきますよ。個人的には明日、ゆっくりと休んでもらいたいですね。まだ大統領のような政治家がいたんだと思うと……おっと今のは失言ですかね」


「身内しかいないし、ここはセキュリティもしっかりとしているから大丈夫よ。この病院は大和王国の国営企業のセキュリティシステムを導入しているからね。盗聴対策もしっかりとしているわ。本庁からは遠いから行き来が大変だと思うけど、安心できる病院を使いたいからね」


「そうですか。我々の事はお気になさらずに。それじゃそろそろ帰りますね」


「すみません。1点だけ確認良いですか?」


「光一さん、もちろんです。質問があればいくらでもお答えしますよ」


「それではお言葉に甘えて。日本刀を使った犯人と、銃や爆弾を使った犯人は全く無関係との認識で良いですか?」


「ご認識の通りです。偶然にしてはおかしいと思ったんですが、邪神や悪魔によるものだと聞いて納得です」


 やっぱりそうか……。


「エテルノも犠牲者としてカウントされますか?」


「少なくとも我が国はエテルノも同じ人類だと考えています。その為、カウントされます。ご安心ください」


「ありがとうございます。僕からは以上です。改めて遅くまでお疲れ様です。お身体を大事にしてくださいね」


「ふっははは。いえ、失礼。ありがとうございます。ですがお身体を大事にというのはこちらのセリフですよ」


「それもそうですね」


「では失礼します。皆様、お邪魔しました」


「息子の為に遅くまでありがとうございました」


「私からもありがとうございます」


「光一さんのお父さんとお母さん。いえ、捜査とサボりのご協力に感謝します。それではまたお会いしましょう」


 淡雪のお父さんの圭さんは、軽く手を振りながら帰っていった。


「それじゃ私達も帰りましょうか?」


「お母さん、そうだね」


「いや、お母さんとお父さんは何でいたの?」


「息子がお世話になっているのに帰るわけにはいかないでしょ?それに事情聴取に興味もあったし」


「お母さんそうですか」


 絶対に事情聴取の興味の方が理由として大きいぞ。


「それじゃおとなしくしているのよ?」


「そうだぞ。神様や人様にあまり迷惑をかけるんじゃない」


「光一さんのお父さん、ウィンドウやアクアオーラさんは好きでお世話をしています」


「ウィンドウさんとアクアオーラさん。ありがとう。でもまた無理をして死にかけるのは困るでしょう?」


「それはそうですね。ウィンドウも困ります」


「そういう事。お世話よろしくお願いします。紗也華さんも悪いね」


「いえ、私も夫といた方が安心できるので大丈夫です」


「そっか」


「それじゃ妹よ。また後で来るからよろしくね。イブさん、遅くなっちゃったけど引っ越しは大丈夫かな?」


「大丈夫よ。天使の2人は楽しみに待っているわ。人の役に立てるのが好きなのよ」


「そっか。良かった。それじゃ優紀よろしくね」


「うん、ゲート。皆さん失礼します」


 両親と弟と優紀はゲートで去って行った。


「紗也華、お手洗いは大丈夫?」


「そうね。行ってくるわ。でも大丈夫?光一、正直に言いなさい。かなり我慢しているんじゃないの?」


「我慢はしているけど紗也華の後でも大丈夫だよ。僕は多分、移動とかで時間がかかると思うから先にどうぞ」


「それなら先に行って来て!私も長くなるから」


「はぁ……紗也華さん。光一さんは紗也華さんの後が良いのよ」


「どうして……あっ!変態」


「ちげーよ!ニオイを嗅ぎたいとかそういう趣味はないよ!むしろ逆!大きい方だから時間もだけど、ニオイで迷惑をかけたくないという妻の為を思ってでね」


「はぁ……あなた達って本当に似た者同士ね。この病室のトイレは脱臭機能が優れているから大丈夫よ。紗也華さん、先に行って来なさい。あなたこそ我慢の限界なのは知っているのよ。光一さんはまだ余裕があるわ」


「分かったわよ!行ってくるわ!」


 紗也華はトイレに向かって行った。うん、扉が閉まった音がしたね。


「というか思ったんだけどね。紗也華、一旦、天界に帰れば良かったんじゃね?」


「それだと光一さんに何かあった時に知らせられないでしょ?」


「メイドがいるでしょ?」


「メイドは紗也華さんが不在の今の内にメンテナンスを受けているわ」


「あーそういう事ね。ねぇイブ。明日、一緒に僕と2人の時間を過ごす件だけどね」


「分かっているわ。休みよね?皆もそのつもりよ」


「いや、由香里と淡雪は予定通りで問題ないよ。その後の3人は明後日にしてもらいたいんだ。その代わり、ぼたん、紗也華、ウィンドウ、アクアオーラと過ごす」


「光一さん!」


「大丈夫だって。生命神さんも明日の朝に治るって言っていたからね」


「光一さん、休むべきよ。なのに人数を増やして何を考えているの?」


「本来なら皆との時間を作りたいけどね。それは無理。だから主に迷惑をかけたメンバーにお礼をしたいんだ」


「光一さん、ウィンドウはその気持ちだけで十分過ぎるわ」


「ウィンドウさんの言う通り。アクアオーラも看病出来ているだけで幸せよ。お願い無理はしないで」


「光一さん、そんな事は誰も望まないわ」


「……やぁ。光一くん、それは流石にドクターストップってヤツだよ。君の身体の中にいる部下に調べさせたらね。予想以上に心臓が弱っているんだ。不整脈を起こしている。具体的には心拍が乱れている」


「魔法で治せば……」


「魔法はそこまで万能ではないよ。君なら出来るかもしれないけど、確実に治ったと断言できない。君の大好きな世界的に有名な魔法の作品だってそうでしょ?骨が折れたりしたら病室で治療している。そういうものだよ」


「でも生命神さんなら……」


「君は運が悪い。心臓は胸骨で守られているけど、その間から刺されれた。そして心臓という臓器は通常、治らない。自分で言うのもなんだけどね。それを治しただけでも頑張った方だよ。部下が機能を安定させようと頑張っている。時間がかかるのは許容してほしい。良いかい?君は心臓を刺された事を甘く考え過ぎだよ」


「ごめん。本当に感謝しているよ。分かる範囲で良いから正直に教えてほしい。僕の心臓は治るのかな?」


「安心して。治るよ。これだけは断言する。だけど悪いけどプラス1日入院して。ヒカリの姿でね」


「そ、そんなー」


「ただいまー。あれ?生命神さん?どうしたの?」


「紗也華、早かったね」


「ま、まぁね。光一の為に急いだのよ。それでどうしたの?」


「紗也華さん、実はね……」


 生命神さんが自分が来たきっかけから今までの話を紗也華にしていく。


「光一!イブの怒鳴り声がしたから気になって早く出てきたら……」


「あれ?僕の為に急いだんじゃ?」


「それもあるけどイブの怒鳴り声で心配になったのよ!良い?私はお礼なんて望んでいない!」


「いや、でも僕の気持ちとして……」


「あなたね!逆の立場になって考えなさいよ!私は逆の立場になってもそんな事はしない!感謝の言葉を伝える!」


「ごめん。だけど僕は……ぼたんが心配」


「あなたは自分の心配をしなさい!」


「はい」


「光一くん、トイレに行ってきなよ。続きは後でしよう」


「分かったよ。悪いね」


「良いよ。気にしないで。それからごめん」


「何で謝るの?」


「僕が戦いに戻るように言ったからこうなった。そのお詫びだよ」


「僕の油断のせいだよ。生命神さんは謝る必要ないよ」


「ここは素直に受け取ってほしい。その方が気分が楽だから。悪いね」


「分かった。それじゃ行ってくるよ。ウィンドウとアクアオーラお願いね」


「光一さん、失礼するね」


「ウィンドウさんとアクアオーラに任せて。痛かったら我慢しないで言ってね」


「分かった……あー痛いけど大丈夫。生命神さん。鎮痛剤が効いている感覚かな?不思議な痛さだよ」


「その通り。他に何か言いたそうだね」


「D-SystemのType-Bで寝てたらダメ?」


「時々、身体を動かした方が良いんだよ」


「なーるほど。そんじゃ行ってくる」


 トイレに行ってきたけど、ウィンドウとアクアオーラには迷惑をかけて、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 それから用を足すだけで激痛が走って嫌になったね。終わってベッドに戻って来た。


「心臓がバクバク言っているけど……大丈夫?」


「ギリギリ大丈夫ってところかな。明日も入院してほしい理由がそれ。興奮すると危険なんだよ。妻と温泉に入るだけでもダメ。おとなしくしていてほしい。ベッドで遊ぶなんて論外……えぇ」


「え?」


「治療した箇所の脳細胞が損傷したって部下から報告が来たんだけど……心当たりある?」


「なにそれ怖い。うーん?用を足すだけで激痛が走って嫌になったけど?でも、痛みならさっきも……あっ!」


「ん?」


「ブチブチって嫌な音がした……気がするなー。でもさぁトイレに行っただけで僕、悪くないよ?」


「ウィンドウさんとアクアオーラさん。明日も看病をお願い出来るかな?」


「ウィンドウは良いけど……」


「光一さんは大丈夫?」


「アクアオーラさん、ダメっぽいね」


「チョット待って!トイレに行く度に入院が延期になるとか、なにそれ怖い。え?上杉謙信みたいにトイレで脳出血になるの?」


「光一、笑えない」


「紗也華、僕だって笑えないよ!」


「光一くん、お疲れ様」


「はぁ……紗也華。明日は帰りなよ。流石に申し訳ない」


「嫌よ!私、怖いんだからね!絶対に離れない!だって!あなたの幸運ステータスは冬休みじゃないの!」


「分かったよ。紗也華ありがとう。ところで生命神さん、別件で質問良いかな?」


「何でも良いよ」


「今更だけどさ。ウィンドウとアクアオーラは妊娠促進薬を使わなかったけど、出産時期の調整って可能なの?」


「あー。妊娠可能なエテルノの中では僕の部下が働いているからね。可能だよ」


「ステータスはどうなるんだっけ?」


「子どものステータスならエテルノの子どもだからね。基本的にどれも高いよ。妊娠促進薬を飲んでも飲まなくてもそこは変わらないね」


「そっか。ありがとう。弟がエテルノと結婚するから再確認したくてね」


「あーそういう事ね。理解したよ。紗也華さんは兄弟や姉妹はいるんだっけ?」


「いないわよ。個人的には弟が欲しいんだけどねぇ。それがどうかした?」


「ここだけの話だよ?紗也華さんのご両親さえ同意すれば光一くんの神族に認める事になったよ」


「本当に?」


「うん、日本語で言う親族……あー。親に家族って書く方ね。そっちは3親等内までなら親族だけどさ。例えば叔父叔母や曾祖父母ね。だけど悪いけど親兄弟までにさせてほしいかな」


「頑張って両親を説得するわ。条件は?」


「20歳まで若返ってもらうよ。出来れば子どもを生んでほしいから。出来ればで良い。他に条件はないよ」


「地球との行き来は?」


「光一くんと一緒になら自由だよ」


「もしも神族になった後に離婚したら?」


「特に変わらないよ。管理が面倒っていう事情もあるけどね」


「それじゃ地球か異世界で誰かと結婚したらどうなるの?」


「光一くんに会ってもらって、その場で相手が了承すれば神族になるね」


「お願いとしては光一くんから僕に神力を分けてほしいなってね」


「僕はその程度ならいくらでもするよ」


「ありがとう。紗也華さんのお父さんは何の社長さん何だっけ?」


「ゲーム会社よ。うーん。異世界で役に立つと良いけど」


「国王としては非常に役に立つと思うよ。何だか上から目線で申し訳ないけど。はぁ……いっそ国王代わってもらえないかな」


「それはダメ!世界中の人々は光一の人柄で付いてきているのよ。もっと自信を持って!」


「はーい」


「それじゃ僕は帰るね。お大事に。では」


 言うだけ言って生命神さんは去って行った。


「来てくれてありがとうって言わせろよな」


「光一さん、弟さんが来るわ」


「お?」


「……ただいまー」


「ただいま戻りました」


「弟よ。引っ越しは終わったのかね」


「うん。まぁ色々と買いたい物もあるけどね。お金がないよ」


「イブ、結婚祝いを渡してもらえないかな?」


「了解よ。テーブルに置くわね……はい」


(ガチャ)


「これは孝次さんではなくて、優紀に対するものだからね。そうしないと贈与税で半分以上、取られるから気を付けてね」


「え?イブさん、これは?」


「1億円ね」


「1億円!?い、いやいや!そんなに要らないよ!」


「弟よ。もらっとけ」


「そんじゃもらっておくけど……どうしよう」


「孝次さん、私が預かっておくね。これは私の財産よ。良いわね?」


「それ。だつ……」


「良いわね?」


「うん。優紀、分かった」


「気にする事はないわ。副大統領の私が言っているんだから。光一さんの国籍は大和王国。当然ね。国王だから。そして優紀は大和王国出身の社員。税金等を免除する国家間の合意通り。何の問題もない」


「イブの言う通りだぞ。この特権の為に大和王国はいくら日本政府に支払ったと思っているんだー?弟よ」


「そうだったね」


「ところでな。弟よ。プラス1日入院する事になったぞ」


「……は?なんで?」


「孝次さん聞いてよ」


「紗也華さん。聞く、聞く」


 僕が話そうと思ったら紗也華が話し始めた。話が進むと弟はニヤニヤし始めた。腹立つー!

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