86 トラバント地方で情報収集と街作り
1年6月4日
「ところでこの国には銀行はありますか?」
「隣国では聞いたことがありますが、この地方にはないはずです」
「それでは皆さん、資金はどうやって管理されているのでしょうか?」
「それはお店の金庫に入れておりますが……?」
「強盗に入られたらとか怖くないですか?」
「確かにそうですね」
「あ、そう言えば最初のインパクトが大きすぎてお名前を伺うのを忘れていました」
「あっ……すみません。私もです。私はコーネリウスと申します」
どこかの魔法省にいそうな名前だな。覚えやすくて助かる。
「コーネリウスさんは銀行をやる余裕は……」
「今回の商談でそんな余裕はありません」
「ですよねー」
「国営で作るしかないか……分かりました。参考になりましたありがとうございます」
「いえ、私は何も。こちらこそいいお話を本当にありがとうございます」
「私としても物が売れそうで良かったです」
「参考までに荷物はどうやって輸送するんですか?」
「それはですね学園都市から飛行機という空飛ぶ乗り物で運ぶんです。飛行機からの積み下ろしは部下に任せます」
「学園都市ですか……良いですよね未来の街という感じで憧れます」
「ありがとうございます。お子様はいらっしゃるんですか?」
「はい、息子が1人、先日6歳になりました」
「そうですか……そこも課題だなと思っていたところです」
「と言いますと」
「学園都市に来なくても小学校や中学校に通える環境を作りたいなと思っていまして……教育は大事ですから」
「なるほど。そうですね……家から通える範囲にあると私みたいな家庭だとありがたいですね。店があるので学園都市に移住できないですし、かといって息子は親から離れたくないと申してまして」
「そうですよね。そのくらいの年代の子はそれが当たり前だと思うんです。そういえばこの街は名前があったりしますか?王都以外で」
「いえ、これまで王都と呼ばれていたので名前はないです」
「ありがとうございます。色々とご意見をいただき参考になりました」
「私が言うのも何ですが、これからもこの国をこの世界をよろしくお願いします」
「はい。本日はありがとうございました。初回は商品が役所に届いたらご連絡させていただきます」
「そうしていただけるとありがたいです。私の方こそありがとうございました」
「それでは私はこの辺で失礼致します」
「はい。改めてありがとうございました」
そうして僕とウィンドウちゃんは店から出て、ゲートで城に戻ってきた。
「ブリタニア、国営で銀行をつくろうと思うんだけどどう思う?」
「国営の銀行ならあるじゃない」
「紙幣を発行する銀行とは別に民間向けの銀行」
「あぁ、なるほど便利で良いと思うわ。私の祖国には無かったけど」
「リーベ王国にもないんだ」
「うん。どうして?」
「国によって異なるんだなと思って。まぁ当たり前か」
「ウィンドウちゃん良い?」
「はい!」
「改めてエテルノの職員に給与を払わなくて良いのかなと思って」
「それでしたら必要ありません!断言します!」
「どうして?」
「まず使い道がありません。我々エテルノは住居を与えてもらっていますし定期的にメンテナンスもさせていただいています。故障した箇所が見つかれば交換など修理してもらえます。これらは無料です。また人間と違い食事を必要としません。代わりに電気を必要としますがこれも無料です。また、人間と違い物欲というものがありません。働くことにより人類社会を補佐、貢献できることを誇りに思っています。ですから必要ありません!」
「そういえば軍事作戦に参加しているエテルノは長時間、充電できない環境にいるが大丈夫なのかな?」
「バッテリー性能が高いのもあり通常のエテルノもですが、軍事作戦に参加するようなエテルノは長時間充電しなくても問題ありません!魔力により自家発電できますから!」
「なるほど。理解した。ありがとう」
「いえ!お役に立てて光栄です!」
「では国造りゲームを始めますか」
元王都の名前を新京都、英語でニューキョウトにする。
学校と銀行を最優先で各街に設置して、各街の空き地にエテルノ用のマンションを設置。近くに住宅地がない王都の外に火力発電所を設置して出来るだけ光回線の共同溝を使う形で地下にケーブルを延ばして役所とマンション、学校と銀行に繋ぐ。それから紙の工場とノートの工場を火力発電所の隣に設置して電気を繋ぐ。それから地下鉄を各街を繋ぐように設置する。地下鉄のトンネルに余裕を持たせて電線と光ケーブルを繋げていって……あぁ、電気と住居が足りないな。王都の住居は海沿いの元貴族の屋敷にマンションを追加して紙の工場とノートの工場を少し移動させて火力発電所の隣に火力発電所を追加し、燃料用木材チップ工場も設置。各街に5Gのアンテナを街全域をカバーするように設置していく、エテルノのメンテナンス用の施設も各街に設置。それらに光回線と電線を繋げて、人が住んでいないこの盆地にダムを設置した方が良いな。浄水場の設置(スライム式)、上下水道をこんな感じで繋げて……こうして人知れずトラバント地方が急速に発展するのであった。





