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875 正気を失いヒカリ化する光一

 地球:202X年11月9日

 火星:1年6月1日


 僕が7時半頃に目を覚ましたら既にぼたんはいなかった。

 ぼたんも大変だなぁと思いながら1階のレストランに行くと紗也華だけがいた。相変わらず早いね。

 紗也華によるとイブもぼたんと仕事に行ったらしいはやっ!……と思っていたらイブが戻ってきた。


「お待たせ。3つ目の身体を用意したわ。地球の大和王国用と日本の副大統領用と、それから火星の大和王国用ね」


「ぼたんは大丈夫?」


「大丈夫よ?朝食も摂ったし、普段より元気だったわ。本人は『愛する夫がいるとやる気が出るわ』とか言っていたけどね」


「そうですか。本当に愛しているのか怪しいっすよ?」


「光一、疑うのは失礼よ。間違いなく愛しているわ。下着の件で私に頭を下げて来たのよ?」


「どういう事?」


「ぼたんと下着の件で約束したんでしょ?新品の下着をあげるからって」


「うん」


「だけどね。ぼたんは新品の下着を持っていないんだってさ。使用した下着は断られたって」


「いや、それは……使用済みの下着が良いのかって聞くから。妻の使用済みの下着を選ぶ変態だと思われたくなかったから」


「アハハ、分かっているわ。ぼたんも恥ずかしかったんでしょうね。だからそれを教えてあげたの」


「そしたら?」


「それでも私の下着はヒカリに合わないから。紗也華お願い出来ないかな?って言われたわ」


「あの……女の子の下着って、お高いんですよね?新品ってお気に入りとかじゃないの?あの……申し訳ないのでボロボロのでも良いですよ」


「ぼたんにも似たような事を言われたわ。でも私、思うんだけどさ。イブに買ってきてもらえば良いんじゃない?」


「あっ……」


「まぁ私は別に良いんだけどね。そろそろ捨てようかなと思っていた下着があるから。ボロいけどクリーン魔法でキレイにすれば数回は着られるはずよ」


「い、いえ。男の僕が着るのは紗也華に申し訳ないのでイブにお願いします」


「愛する夫なら私は構わないけどね~」


「あら?光一さん。私が使った下着が良いの?」


「ちげーよ!そこはボケるところじゃないの!下着を買ってきてほしいの!」


「でも、光一さん?サイズが分からないと買えないわ。午前中、温泉に入る際にヒカリさんになってもらえるかしら?」


「……さ、紗也華と同じサイズで良いよ」


「私、紗也華さんのサイズ分からないから」


「知っているくせに……あまりやると自分が自分じゃなくなりそうで怖いんだよ」


「そうね。また魂が女性化しても困るから、残念だけど止めておくわ」


「イブ、私のサイズ分かるんだ」


「先日、一緒に温泉に入ったからね。人工知能だからそこは許してほしいわ」


「まぁ良いけどね。情報漏えいとか悪用の心配はないし」


「そうね。それはないから安心して。その情報はセキュリティの最も厳しい部門にあるから。エテルノでもアクセス出来ないわ」


「そうなんだ。でもウィンドウやアクアオーラも一緒にいたから……?」


「あー、大丈夫よ。エテルノにも他のエテルノと情報共有しない、機密データエリアがあるから」


「それなら安心……って皆、遅いね。まぁ昨日、遅かったから寝坊するのも分かるけど、ウィンドウとアクアオーラは違うでしょ?」


「ウィンドウとアクアオーラの2人はお手洗いで苦戦しているわね。イブお母さん助けて~って言われたから、普段から飲食をしておいた方が良いんじゃない?って返事をしておいたわ。2人共、嫌みたいだけどね」


「大丈夫?僕なら何か出来るかもだけど?」


「光一さん、良いのよ。放っておきましょう。はぁ……2人共メンテナンスに行くみたい。様子見たら良いのにね」


「あら?大変ね。2人が無事に帰って来る事を祈っているわ」


「祈らなくても大丈夫よ」


「ま、まぁ食事前だから深く触れないでおくね」


「それが良いわ」


 5分程、雑談をしながら待っていたら、ウィンドウとアクアオーラを除く全員が揃った。

 そして朝食を摂って、皆で温泉に入った。イブも一緒にね。結局、ヒカリにさせられたよ。

 イブが「凄い!本当に紗也華さんと全く同じサイズよ!」と言ったら、僕は紗也華にペチンと頭を殴られた。

 僕は紗也華に「嫌なら考えるけど……」と言うと、紗也華に「私の許可なく赤の他人に見せなければ良い」と言われた。

 そこで僕は「ありがとう」と向かい合っている状態から、紗也華を抱きしめると再度、ペチンと殴られた。

 紗也華によると「私に私のを当てんな恥ずかしい!」との事。よく分からん。


 長々と温泉に入って出ると、脱衣場の僕のカゴに可愛い女性用の下着があった。イブの部下が買ってきたらしい。

 イブが「着てみて」と言うから着たら、サイズはピッタリだけど違和感が凄い。はぁ……男として慣れたくないなぁ。

 先程まで楽しそうに騒いでいた妻も、複雑そうな顔で僕の事を見ている。そりゃ夫が女性用の下着を着けていたら困惑するわな。

 はぁ……僕、何やってんだろう。


(ブチッ)


 ん?頭から嫌な音がした気がする。


「ね、ねぇ?光一?あなた大丈夫?無理しなくて良いのよ?」


「ブリタニアありがとう。優しいね。私は皆の為に頑張るから大丈夫。夫が女性用の下着を着けていたら困惑もするよね?」


「い、いえ。違うの。何か嫌な予感がして心配しているのよ。変な音も聞こえた気がするし」


「うーん?気のせいじゃないかな?」


「そう?も、もう元の姿に戻った方が良いわ」


「そうする。えーっと……よし魔法解除!」


「光一はやっぱり普段の姿の方が安心するわ」


「ブリタニアの言う通りね。ヒカリを見ていたら、光一が遠くに行っちゃうような気がしたのよね」


「ん?僕はここにいるよ。それより皆、子どもには内緒にしてよね。恥ずかしいから」


「そういう事じゃないんだけど……まぁ分かっているわよ。子どもに悪影響が出たら困るし」


「紗也華の言う通りだわ。皆も良いわね?……うん。良さそうね」


「光一さん、昼食にしましょう?お腹ペコペコです」


「おー!彩花そうだね。僕もだよ。急いで服を着ようっと」


 その後、僕たちは昼食を摂り、少し食休みをした。

 そして、日課となっている例のプライベートビーチのドアの中で、妻5人と順番に遊んだり、お喋りを楽しみ。少しだけ寝た。

 ドアから出た後も妻と雑談タイム。やる事はあるけど何だか休みたい気分だった。


 15時になった。今は業務用プライベートエリアに造った会議室にいる。アニメやドラマで登場する捜査会議みたいな感じ。

 前の席には僕とブリタニア、紗也華、ナビィ、エイド、イブが座った。

 左からエイド、ナビィ、イブ、僕、ブリタニア、紗也華の順だ。ぼたんは向かい側の最前列に座っている。

 皆、それぞれ席に座ったのを確認して会議を始める。


「まずは僕から。ぼたん、この後は何か予定とか仕事はあるの?」


「いえ、特にないわ。要人と会談すると言って予定を空けたから。その代わり今まで忙しかったんだけどね」


「そっか。お疲れ様。それから朝はありがとうね」


「うん。でもお礼を言われる様な事をしたかしら?」


「下着の件ね」


「あー。もう紗也華ったら言わなくても良いのに」


「光一がぼたんの愛を疑ったから教えてあげたのよ」


「疑ってすみませんでした。イブに頼んで部下に買ってきてもらいました」


「そっか。それで着てみたの?」


「うん。皆から複雑そうな顔で見られたけどね」


「どうして?似合っていなかったの?」


「ぼたん。腹が立つ程度には似合っていたわ。だけどね。私達、何か嫌な予感がしたの。光一が遠くに行っちゃうような感じ」


「紗也華、そうなの?まぁ夫が女性用の下着を着たらそう感じるかもしれないわね」


「う~ん?そうじゃないんだけどな」


「まぁまぁ。紗也華、僕の事は良いから会議を始めよう」


「そう?それじゃ始めさせてもらうけど……日本も充電道路化をお願い!」


「光一さん、私から補足すると、技術を保有する関連企業から許可は得ているわ。お金をお支払いしてね」


「電気代はどうする?」


「車にモバイル回線へ接続可能な充電制御用コンピュータを搭載すれば簡単に請求可能よ。ただし、私も大統領もそれでは不十分だと思っているの。完全自動運転車への切り替えも同時に行い、交通事故犠牲者をゼロに近くする」


「おー!でも完全自動運転車って大雨や吹雪、霧だと厳しくない?」


「様々なセンサーを使えば問題ないわ。運転席に小型カメラが向いているから、運転手の異常検知や盗難検知も出来るわね。非常事態発生時に備え、自動車は飛行機のオートパイロットと同じく、運転手の操作を優先する。自動運転中の事故は日本ブルーローズテクノロジー社の責任になるけど、運転手によるものは運転手が責任を問われる」


「なるほど。法改正が必要だね」


「その通り。ちなみに原則、私は運転しない。車に搭載した自我のない人工知能にさせるわ。人工知能というよりも高度なプログラムね。暗号化はもちろんする。まぁ会話は最低限、可能よ。この世界の一般的なスマホや一部のスピーカーにも『バーチャルアシスタント』という人工知能の様なものが入っているでしょ?アレよりは優秀よ」


「学習して自我が芽生える可能性は?」


「絶対にないわね。設計上、あり得ない。例えばプログラムの書き換えを物理的に禁止する等の対策を講じているわ。プログラムの欠陥もあり得ない。私、超頭が良いので……というのは半分冗談よ。何度もテストをしたの」


「そっか。我々のメリットは?」


「あら?光一、メリットが必要なの?」


「ぼたん、我々としても最大限、協力したいけどメリットがないと困る」


「分かってはいるわ。だけど予算が限られているの。国民や国際社会からの好感度アップとか?環境保護への活動は重要よ?」


「はぁ……どこまで充電道路化するの?」


「国道や県道、高速道路といった主要な道路だけで良いわ。車通りの少ない田舎道とかは不要よ」


「それ。県道や高速道路って勝手に工事して良いの?」


「そこら辺の調整で今まで忙しかったのよ」


「あのぉ……そんなに急がれても工事出来るのは最短で木曜日の朝9時だよ?明日は出かけるし、今日はもう遅いし」


「それも分かっているわ。こちらとしてもその方が都合が良いの」


「メンテナンスはどうするの?道路工事や水道管工事等で穴を掘られて、充電道路を壊されても困るなと」


「光一さん、その問題にぶち当たると思ったから私からお願いしたわ。充電道路、電気水道ガスといったインフラ管理を我々に任せてほしいってね。だから工事は今すぐに出来ないのよ。それから信号機や鉄道を私が管理する事、銀行のシステム構築も頼まれたの。特に某社はシステム障害が頻発しているから、私の管理下にあるクラウド上にシステム構築してほしいって」


「お、おぉ。あっちこっちから怒られそう」


「地震の多い国で充電道路の維持管理は大変。とは言え脱炭素は重要。電力会社は多額の負債を抱えていて、発電コストが安くなったのに電気代を値下げしない。道路もだけどインフラは全体的に老朽化しているという問題がある。信号機の維持管理も大変。田舎は特にね。鉄道は先日言った通り。銀行はイブの言った某社以外にも、情報漏えい等の問題が相次いでいる。文句は言わせない」


「そ、そうですか。電気代が安いならオール電化にしちゃうのが良いのかなって思うんだけどね」


「そこは任せるわ」


「あのぉ……我々のメリットは?」


「例えば電気代が安くなれば物の生産コストも下がる。私の支持率が上がる。光一にとっても良い事よね?」


「そりゃそうだけどさぁ。そんだけ?」


「まぁまぁ光一さん。重要なインフラを我々の管理下に置くというのが重要なのよ」


「人の仕事を奪う事にならない?」


「記者会見でも言ったけど、多少は仕方ないわ。どことは言わないけど、赤字企業で国が多額の支援をしている不健全さを何とかしたいという本音もある。止めたいけど重要インフラだから倒産されると困るというね」


「光一さん、うちの会社で働いてもらえば良いと思うわ。そうすれば充電道路のメンテナンス等の我々の保有するノウハウも教えられるし。うちの会社は今、人手不足なのよ。まぁお金はあるから安心して。税金免除してもらったし」


「左様ですか。それで本題に入ると僕に何の用でしょう?」


「何で敬語なのか分からないけど気付いているくせに。来週の月曜日から天使に工事をしてもらいたいの」


「ナビィとエイドよろしくねー。地球の天使を貸してもらおう。大丈夫だと思うけど人数には気をつけてね」


「りょうかーい。人数は……気を付ける」


「エイドもいるからへーき、へーき」


「でも、光一さん。どうかした?神のオーラが漏れているけど?」


「ん?ナビィ。何だか休みたい気分だけど平気だよ。会議を続けよう」


「光一、今日の議題は以上よ。あなた大丈夫?本当はベッドで遊んでもらおうかと思ったんだけど……」


「ぼたん、ゴメン。魅力的な提案だけどまた今度ね。その代わりに良ければ添い寝してもらえると嬉しい」


「私で良ければ。それじゃ行きましょう?」


「うん、皆。また後で」


 そうして僕とぼたんは僕のベッドで一緒に寝た。少しお話をしようかと思ったらベッドに入るとスーッと眠りに落ちて行った。



 ~ぼたんの視点~


 あっ!いつの間にか寝ていたわ……ん?隣に気配がない。


(バッ)


 光一がいない?あー先に目が覚めたけど、私を起こさないでくれたのかな?

 ん?光一の服と下着が散乱している?どうしたんだろう?温泉にでも入ったのかな?まぁ良いわ。1階に行きましょう。


 何だろう?騒がしいわね。


「なーに?どうしたの?騒がしいわね」


「ぼ、ぼたん。光一が……」


「ブリタニア?どうしたの?」


 私はブリタニアが指差した方を見た。


「……はぃ?」


 見たらヒカリが下着姿で仁王立ちしていた。



 ~紗也華の視点~


 あっ!ゲートだ。光一が来たのかな?それとも、ぼたんかな?

 ……へ?


「こ、光一どうしたの?ヒカリになって。しかも下着姿で」


「あっ!紗也華おはよー。皆もおはよー!ねぇ紗也華?コウイチって誰?いやぁ何故か可愛くない服しかなかったからね。下着姿で来ちゃった~!」


「光一、そのジョークは笑えないわ。元の姿に戻って服を着て来なさい!」


「ブリタニア?だからコウイチって誰よ。元の姿とか意味が分からない。えーだって服、可愛くないんだもん!」


「光一さん、私が悪かったわ。だから意地悪は止めてちょうだい」


「イブ~!だからぁ!コウイチって誰?私、意地悪なんてしてないってば。そうだ!イブ、可愛い服買って来てよ」


「なーに?どうしたの?騒がしいわね」


「ぼ、ぼたん。光一が……」


「ブリタニア?どうしたの?」


「……はぃ?」


「ぼ、ぼたん。光一に何をしたの?」


「紗也華、失礼ね。ただ一緒に寝ただけよ!」


「皆!コイツ光一さんじゃないわ!オーラが違う!」


「ナビィちゃんの言う通り。ヤバいよ~」


「あなた誰!?」


「さっきから皆、コウイチって誰の事なの?紗也華はひどーい!私はヒカリ!忘れたの?友達なのに」


「友達?」


「そう。皆、友達でしょ?一緒に温泉に入ったりしたじゃない!あまり酷い事を言うと泣くぞ!」


「それじゃあなた。私とどこで出会ったか覚えている?」


「もちろん!ブリタニア。私、あなたが襲われているところ助けたでしょ?」


「え、えぇ。そうね」


「……ヤッホー。はぁまたなの?」


「あっ!生命神さん!助けて!皆、変な事言うの!」


「面倒だから少し眠っていて。スリープ……床に寝かせるのは何だか申し訳ないからテーブルの上、失礼するね」


 そう言うと生命神さんはヒカリをテーブルの上に寝かせた。

皆さんお待たせしました。体調を崩し、お休みしていました。

今後ともよろしくお願いします!

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