851 充電道路化と天使の増員を決定
1年10月24日
今日は寝坊せずに無事に起きられた。今は9時過ぎ。
業務用プライベートエリアのレストランに、僕とブリタニア、紗也華、ナビィ、エイド、イブ、のぞみのメンバーで来たところだ。
「それじゃ今日はエイドに聞いた方が良いのかな?業務用プライベートエリアの運用状況について知りたいんだけど良い?」
「光一さん、ナビィが答えるわ」
「ナビィちゃん、良いの?エイドもたまには頑張るよ?」
「エイドちゃん、大丈夫。昨日はお休みだったし、ナビィは働いている方が好きだから」
「そっか。そんじゃ、よろしくね~」
「うん。ナビィに任せて」
「あー。私から良いかしら?業務用プライベートエリアの建設計画については私から光一さんにデータ共有した方が早いと思うわ」
「そ、それじゃ。イブさん、よろしく」
「仕事を奪うカタチになってごめんなさいね」
「ナビィは問題ないわ。その発想はなかったから動揺しただけ」
「ありがとう。光一さんは大丈夫?」
「それじゃお願いするよ」
イブに頭を近付けてっと……な、何か緊張するな。イブも可愛いからなぁ。
「データを送るわね」
「おっ!何か来た!………………な、なるほど?」
「光一さん、分かったかしら?」
「今いる場所って大阪だったの?というかほぼ大和王国と同じ地形をつくったの?」
「そうよ?その方が計画が楽で好都合だったから」
「……も、もしかして。この間、食べたうなぎって神力を消費して生み出したもの?」
「その通りよ。そして現実世界の1時間を業務用プライベートエリアでは1ヶ月まで加速させたわ。もちろん、我々が業務用プライベートエリアを使っていない間だけね」
「そ、そうなんだ。ところでさ……全て水力発電なのは分かった。トラック含め車は全て電気自動車なのも分かった。エコだね?」
「そうね。非常に環境に良いわね」
「でも言いたい!電気自動車のバッテリーが小さいからトラックの積載量等に影響しないのは良いと思う。問題は充電道路、路面充電システムって何?聞いた事がないんだけど?……いや、ゲームでは見たことがあるけどさ」
「あら?光一さん、元いた世界で聞いた事がない?一部の国の一部の道路で既に導入されている技術よ?」
「聞いた事はないですねぇ?紗也華はどう?」
「私もないわね。どんな技術なの?」
「リニアモーターカーへの送電にも使われているわ。技術自体は単純よ。スマホの無線充電器と同じね。道の中にはコイルを埋め込む。そしてその上を受電装置を取り付けた電気自動車が走ると電磁誘導により充電されるの。雪が積もっても凍っていても、問題なく充電が可能よ」
「感電や健康への影響は大丈夫なの?」
「紗也華さん。間にアスファルトがあるから感電しないし、健康への影響もないわ。安全性に問題のない技術よ。電気自動車は充電道路を走行していれば、エネルギー切れを心配する必要はないわ」
「それ……地上でも電気自動車の駐車場に導入すれば、充電ケーブルを車に接続する必要がなくなるよね?」
「そ、そうね。光一さん」
「というか……全ての道路を充電道路にすれば、電気自動車のデメリットである。充電の待ち時間等はなくなるよね?つまり、駐車場に導入する必要はなくなるんじゃないかな?」
「……実際、業務用プライベートエリアはそういう運用にしているわね」
「だよね?何故、これを地上でもやらないの?天然ガス自動車よりもエコだよね?」
「最近、学園都市で実験が終わったところなのよ。ただ、まだ課題があるの」
「課題?」
「そう。どこの誰がどれくらい充電したか分かる様にする技術が未完成なの。つまり、民間人の所有する電気自動車が走行するようになったら、電気代を請求出来ないのよ」
「電気代なんて要らないよ。エネルギー効率は悪いのかもしれないけど、環境負荷ゼロという事の方が重要だと考える。何しろ地上での発電は魔石発電だからね。天然ガスよりもエコ」
「まだ、問題はあるの。私とのぞみちゃんとしても本当は、結婚式までに最低でも大和王国の学園都市の全ての道路を充電道路にしたいわ。光一さんの成果のアピール。……つまり、自慢が出来るから。だけど、人員が足りないのよ」
「チョット考えさせて」
「え、えぇ。良いわよ……?」
~約10分後~
「……光一、まだ~?だから、そんなに悩んでばかりいたらハゲるってば」
「紗也華、待たせてゴメン。皆も待たせてゴメンね。決めた!ナビィ、臨時の天使幹部会議を開こう!幹部の皆には僕から謝罪と連絡をするから。それから紗也華?だからハゲないってば!」
「光一さん、その前に今回は考えを聞かせて。何を決めたの?」
「天使を400万人に増やす事にしたよ」
「……ごめんなさい。光一さん。ナビィの頭がおかしいみたい。いや、耳かしら?もう一度言ってもらえる?」
「エ、エイドもついに壊れたかも」
「多分、おかしくないし、壊れてもいないよ。天使を400万人に増やす事にしたの!」
「…………光一さん、400万人って言ったの?」
「言ったよ?」
「わーお。光一が本気を出した」
「そうね、紗也華。世界神と色欲の神になっただけあるわ」
「ブリタニアもそう思う?」
「そりゃ紗也華、思うわよ。でも紗也華?本気は出したけど、全力は出していないと私は思うわ」
「それはそうね。『本気を出す』というのは『まじめな気持ち。真剣な気持ち』という意味だものね」
あっ!ナビィがプルプル震えだした。怒ったかな?
「こ、光一さん。まじめな気持ち、真剣な気持ちで言っているの?」
「僕は至って真面目だよ?良い?400万人と言うと確かに大きな数字に思えるかもしれない。だけどね?実際の戦力はその半分。200万人なんだよ?……何しろ休みがあるからね」
「こ、光一さん。200万人もナビィには大きな数字に思えるわ。そんなに増やして何をさせたいの?」
「大和王国の全ての道路を充電道路にする。学園都市だけで成果のアピール?そんなものは自慢にならない。何故なら地球でも一部の国の一部の道路で既に導入されているみたいだから。それで自慢する国のトップいる?少なくとも僕は恥ずかしくて嫌だ!」
「そ、それじゃぁ。光一さんは自慢の為に増やしたいの?」
「違うよ。そこは勘違いしないでほしい。学園都市だけでは無意味だと言いたいの!大和王国の全ての道路を充電道路にして、全ての車を電気自動車にする。それにより、環境負荷を削減したいというのが主な目的。自慢はあくまでもその副産物。僕はね?この世界の空気はキレイなままであってほしいと思う」
「ど、どうやって天使を増やすの?」
「まず、天使9期生と天使10期生を生み出す。9期生と10期生で天使25人ね。これは2万人の部隊。ここまでは良いかな?」
「1部隊が2万人だから……9期生と10期生で50万人だけ?400万人にするのよね?残りは?」
「エイド隊も?」
「そう。50万人だけだし、エイド隊も同じ。まず、2人の天使を生み出す。そして司令官になってもらう。次に新たな2人の司令官の配下にそれぞれ合計100万人の天使部隊を付ける。ナビィ隊、エイド隊、新たな2人の司令官で合計400万人の天使部隊になる」
「あ、新たな2人の司令官……?」
「そう。新たな2人の司令官には、ナビィとエイドが出産後にナビィ隊とエイド隊を代わりにみてもらう」
あっ!ナビィのプルプルが止まった。
「はぁー。ナビィは光一さんが調子に乗ったとか、フザけたとか思ったけど……本気なのね?」
「うん。本気だよ?」
「でも光一さん?今は良いかもしれないけど、仕事がなくなったらどうするの?」
「リップルから1ヶ月に一日以上、仕事があれば幸せだと聞いた。それならインフラの点検等の仕事で、天使もインフラ等も維持出来ると思っているよ。特に遊園地やテーマパークのアトラクションは毎日、メンテナンスをしないといけないからね」
「ナビィさん、今はアトラクションもだけど重要インフラの点検等をエテルノがやっているわ。私とのぞみちゃんは、そのタスクを管理する能力がある。だから、天使部隊が暇になったら私とのぞみちゃんでタスクを管理するわ」
「イブさん、それは助かるけど……エテルノの仕事を奪う事にならない?」
「ならないわね。例えば遊園地は閉園後に遊園地のスタッフで点検をしているわ。でも修理までは出来ない。いや、やろうと思えば出来るのだけど、大変だから異常を見つけた際は天使にお願いをする事になっているの。その方が効率的だから。エテルノは精神的な疲労はないけど、肉体的な疲労はある。充電も必要。点検作業もお願い出来るのなら助かるわ。……あぁ、もちろん日中に点検や修理を依頼するから安心して」
「イブちゃんの言う通りでね。鉄道の点検も力を入れているんだけど、専門のスタッフがいる訳ではないんだ。手の空いているエテルノにやらせているよ……他も同じ。だから問題ないよ。本来なら工事はエテルノがやるべきだと思うけど、どうしても時間がかかってしまう。ナビィさん、よろしく頼むよ」
「うぅ~ん。分かったわ!光一さん、今回は事前に聞かせて。名前が決まっているのなら教えて!それじゃつまらないとか言わないでよね!」
「良いけど……最初に言っておくね。名前のセンスがないのは認めるけど、真面目に考えたんだからね?名前の意味も聞いてね!」
「わ、分かったわ」
「字幕を空間投影するね。まずは司令官の2人から。名前は歌織と咲織」
「な、名前の意味は?」
「2人に共通する『織』という漢字だけど。糸を織りなして織物にする過程はつなぎ合わせる事を想像する事が出来る。そこから、天使と天使、僕と天使をつなぎ合わせる中心の存在になってほしいという想いがあるんだ。それに、織物って鮮やかで美しいでしょ?僕はそんな風に、鮮やかで美しい天使になってほしいと思う。そして、歌織は鮮やかで美しい歌声を。咲織は花が咲く様に美しく、織物の様に鮮やかである事を想って名付けたんだ」
「光一さん、名前の意味も聞いて真面目に考えたと理解したし、良い名前だとナビィは思うわ」
「エイドも~」
「いやぁ~良かった」
「それじゃ次は9期生をお願い」
「先に言っておく。共通する漢字を名前に入れた。『音』という漢字ね。意味は……先日の天使の演奏と歌に感動してね。9期生にはあの美しく癒やしてくれる音から、美しく癒やしてくれる存在であってほしいという想いを込めてみた」
「はぁ……理由は真面目だけどフザケているとしか思えない名前なんだろうなぁ」
「そ、それじゃ名前を言うね?9期生は詩音、美音、天音、華音、涼音、愛音、鈴音、萌音、風音、雪音、音葉、茜音、汐音、夏音、舞音」
「ブッ!!……フッフフ…アハハハハハハ」
「だからぁ!紗也華、真面目に考えたんだから笑わないでってば」
「フフフッ……だって…フーフー。よくそんなに音の付く名前が思いつくわね」
「頑張って考えたの!」
「やっぱり、フザケているようにしか思えない名前だったわ」
「そりゃ、やっぱりもなにも共通する漢字を名前に入れたって言ったでしょ?」
「そうね……それじゃ10期生は?」
「同じく先に言っておくよ。共通する漢字を名前に入れた。今度は『星』という漢字をね」
「光一さん、またなの?」
「共通する漢字を入れた方が何期生か分かりやすくて良いでしょ?それから理由を言うと……星は輝いているでしょ?それと同じ様に8期生には輝く才能を発揮してほしいと願う。そして、その名の通り、星のようにきらめく輝かしい存在である事を期待している」
「はぁぁぁ……ナビィは覚悟したから名前をどうぞ」
「分かった。名前を言うよ。10期生は七星、星来、美星、星奈、星乃、星子、華星、星美、星花、愛星」
「アハハハハハハハハハハハ……(バンバンバン)」
「紗也華、笑わないでもろて。それからテーブルを叩かない」
「だ、だって……フヒヒ…お腹痛い。こ、子ども生まれちゃうわよ」
「生命神さんが来ていないから大丈夫だろうけど?一応、聞くね?大丈夫?」
「フハハハハ……子どもは大丈夫だけど…私はだいじょばない。アハハハハ」
「……光一さん、分かったわ。容姿はどうする?」
「司令官の2人は決まっているんだ。歌織は茶色の髪と瞳。咲織緑色の髪と瞳。歌織隊は茶系の色の制服。咲織隊は緑色の制服でお願いしたい。他の子は悪いけどお任せするよ」
「それじゃ、光一さん。僕とイブちゃんで考えるよ」
「うん、よろしくね」
「光一さん、了解よ。それじゃナビィから連絡してみるわね」
「待った!僕から連絡するよ。休日に連絡する上、僕の事情で臨時会議を開くわけだから僕から謝罪の連絡をしないと……」
「もう、ナビィから連絡したわ。会議の目的も説明したから多分、大丈夫」
「あっ!やられた……ナビィに怒りの矛先が向くのが嫌だったから、僕から連絡しようと思ったのに」
「やっぱり?光一さんは変なところで気にしすぎよ」
「そそ。光一さんは気にしすぎ。へーき、へーき。杞憂スプラッシュ!」
「天使2人に言われると気にしすぎな気がしてくるけど……まぁ良いか。返信はどうかな?」
「そうね……おー!連絡が来たわ。光一さんの天使の幹部だけで会議中で…全員問題ないみたい」
「問題ないのは良かった。でも何の会議だろ?」
「……えーっとね。部下の天使を結婚式の当日、どこにどう配置するかを話し合っているみたい」
「ありがたいねぇ。会議は13時からで良いのかな?幹部にはどこまで話しているの?」
「光一さん、13時からで合っているわ。それから、幹部には全て話した。だから会議での説明は最小限で問題ないわ」
「了解。ありがとう。それじゃ会議は13時からという事で、ナビィに報告を聞いても良いかな?」
「良いわよ。何かしら?」
「業務用プライベートエリアで生産したものって、どういう運用にするの?建設計画については理解したけど、運用は教えてもらっていないからさ」
「あっ、それならナビィから国王補佐官の2人に権限を与えていてね?国王補佐官が生産物を管理するわ。アイテムボックスに入れて料理に使っても良いし、地上に寄付をしても良い……という事にしたの。ナビィも流石に生産物を管理するのは面倒だし、寄付をした場合、地上のエテルノとの連携が出来ないから」
「光一さん、そういう事ね。実は先程から初の寄付をしているのよ。東京都の港へとね。そこから東京都の市場と世界各国に輸送するわ。明日か明後日には光一さんのところに、神力が入ってくるんじゃないかしら?」
「了解、助かるよ。お酒はコンテナ1つ分をもらっても大丈夫かな?生産量が足りない?」
「いえ、余裕はあるし大丈夫だけどどうするの?光一さんは飲まないでしょ?」
「うん、いつもお世話になっているから、ドワーフの国のデルバート国王にあげようかなと思ってね」
「あぁ、それなら予定にあるわ。更に世界各国の王族には、デカフェの紅茶のティーバッグを渡す予定よ」
「おぉ!それは助かるよ!ありがとう!」
「光一さんが依頼してくると思って計画に入れておいたの。業務用プライベートエリアの運用は私とのぞみちゃんに任せて」
「オッケー。ありがとう。よろしくね。……それにしても、神とその妻以外にも権限を与えられるんだ」
「ナビィも驚いたんだけど……多分、業務用プライベートエリアの運用を考えて、認めてくれたんだと思う。だって、生産している商品の種類が多いから、在庫管理が面倒だもの」
「なるほど……それはありがたいね。それじゃ次の質問!ヒンメル王国の工事はどう?問題ない?」
「それは私が答えるわね。工事は問題なく終わったわ。大和王国からヒンメル王国の王都への物資の輸送が楽になって良いわね」
「そっか。イブ、報告ありがとう。それじゃイブとナビィに聞きたいんだけど……追加の一日150万人の天使で充電道路の工事は、結婚式までに完了すると思う?あー、大和王国の本体だけで良いよ」
「私は推測だけど、大和王国の本体だけなら、ギリギリ間に合うと思うわ。ナビィさんはどう思う?」
「ナビィもギリギリ間に合うと思うわ。かなりギリギリだけどね」
「そっか……分かった。僕からの質問は以上かな?」
「それじゃ光一さん。ブリタニアさんと紗也華さんと一緒に、遊んで来たらどうかしら?」
おっ?またどうしてだろ?
「ナビィとエイドちゃんは国王補佐官と充電道路の建設計画等を話し合うから」
「エイド、りょうかーい!」
「妻に仕事をさせて自分は遊ぶなんて、そんな最低な事、僕には出来ないよ……って言いたいけど、時々やっているからなぁ」
「光一さん、気にする事はないわ。光一さんの仕事は一旦終わり。ナビィとエイドちゃんは、欲求が強くないから暇潰しをするだけよ」
「そそ。暇潰し~」
「分かったよ。それじゃ後はよろしくね」
「りょうかーい!集合は住居用プライベートエリアにある、マンション1階のレストランね」
「エイドにまかせて~」
「ふふっ、ブリタニアは嬉しそうね」
「紗也華、あなたも嬉しそうな顔をしているわよ」
「だって嬉しいんだもん」
「ナビィ、了解。いやぁ、僕は本当に幸せだなぁ。それじゃ、ブリタニア、紗也華、行こうか」
僕は2人が返事をしたのを確認すると、住居用プライベートエリアの僕の部屋に移動した。
そして昼食になるまで3人で楽しんだ。いやぁ~最高だねぇ。





