847 邪神に身体を乗っ取られる!?
1年10月21日
「光一さん、難しい顔をしているけど大丈夫?」
「……ん?あー、ナビィ、大丈夫だよ。少しだけ考え事をしていただけだから。とりあえず業務用プライベートエリアの仕様と、倉庫、ボットの仕様、寄付の方法、神力について検索してみたよ」
「も、もう、そんなに検索したの?」
「うん。疑問に思ったり、必要になったら簡単に検索出来るから便利だね~」
「それで何を考えていたの?」
「あぁ、神力が思ったよりも貯まっているからさ。驚いたんだよ。それで、どうしようかな?貯金かな~とか考えていたの」
「あっ!その事ね。ナビィも権限を与えてもらったから知っているけど、確かに凄い貯まっているわね。でも、貯金で良いんじゃないかな?」
「やっぱり?」
「それか……地球の元外交担当の神からもらった、その指輪……同じものを作って交換したら?気のせいか邪悪な気配がするわ」
「あっ!ナビィちゃんも?エイドも前々から気になってたけど、気のせいかな~って思ってたの!」
「やだなー。2人とも怖い事を言わないでよ。……ち、ちなみに同じものを作るならどれだけの神力が必要か分かる?」
「そういうのも検索すれば大体は出てくるわよ?」
「そうなの?ちょっと調べてみるかな……神2人分で600万!?そんなに価値があったのこれ!?」
「まぁ、そりゃ光一さん。中々にチートな指輪だから仕方ないわよ」
「……ねぇ?ナビィとエイド?やっぱり気のせいじゃないかな?というか何で僕の指輪だけ?ペンダントももらったでしょ?」
「う~ん?気のせいなのかなぁ?ペンダントは何とも思わないんだけどね」
「それじゃ、こうしよう。次回の定例会議で天使の幹部に相談してみるという事にしよう。無駄遣いはしたくないから」
「光一、とりあえず鑑定してみたらどうかしら?」
「おー!ブリタニア、良い案だね!早速やってみる!」
(そうはさせない!チッ……まだ早すぎるけど仕方ない)
(ガタンッ)
「こ、光一!?大丈夫!?しっかりして!私よっ!紗也華!聞こえていたら返事をして!」
「んぅ~ぁあ。イテテ。紗也華……さん。大丈夫でっ……うん、大丈夫。疲れが出てフラッとして倒れただけ」
危ない。つい、いつもの癖で敬語で話していました。気を付けないと。身体を乗っ取ったのがバレます。
「………………あなた、誰?光一じゃないでしょ?」
「紗也華?どうしたの?」
「ブリタニア!こいつ光一じゃない!」
「あっ!言われてみれば何か違う!」
はい?いやいや、何故ですか!?とりあえず落ち着きましょう。まだ大丈夫です。
「いや~紗也華、酷いなぁ。つい、フラッとして社畜時代の敬語が少し出ただけだよ?それだけで他人扱いとは酷いって」
「違う!問題は敬語じゃないわ!雰囲気が違う!」
「ナビィも同感。邪神の匂いが酷いわ」
「エイドも!エイドも!これヤバい!地球の元外交担当の神の匂い……?」
クソッ!早すぎたんです!当初の予定では、しばらくは力を溜めて、念入りに準備をするはずだったんです!そして、準備が完了したら夜中か朝方にこっそり復讐作戦を実行する予定が台無しです!ここは地上に逃げましょう!そして急いで魔法を使えばまだいけます!
僕は急いで地上に……東京都の城の上に転移しました。
そして全魔力を使い上空に火の玉を出現させます。火の玉は青色の炎の塊です。あぁ綺麗ですね。
予定は狂いましたが、これでミッションコンプリートです。
(や、止めろ!)
うるさいですね……ん?火の玉を地上に落とせません。クソッ!火星神が邪魔しているのか?
「光一!しっかりして!そんなヤツに負けないで!」
「しっかりしなさい!光一!」
(さ…や……か。……ブリタ…ニア)
「ふふっ、すぐにここに来るとは流石ですね。それに火星神もしぶといです。で、ですがもう遅いです!」
「光一さん!天使100万人を全員、東京都に集合させたわ!我々の全戦力なら、光一さんの攻撃魔法でも耐えられるはずよ!」
「ナ…ナビィ。……忠告を…聞かなくて……ゴメン。でもさぁ……はずじゃ…困るんだ」
「光一!そうよ!頑張って!私達の子どもがこの国の……大和王国の王になるんでしょ?」
「あぁ~!どいつもこいつも僕の計画を邪魔しようとして……困りますねー!…………ん?演奏?…歌?」
(あっ……アメイジング・グレイスだ)
「ギャァァァ……や、止めてくださいぃ!」
(あぁ~本当に良い曲だよなぁ。浄化されるわぁ)
「あ、あれ?ま、魔法が消えた?グギャァァッ歌を!歌を止めてください!クソォ!何故、魔法が消えたんですか!」
「やっほー!生命神だよ。右にいるのが創造神様で、左にいるのが破壊神だね~」
「ウワァァァッ……は、破壊神…ですか!?ま、まだ何も出来ていないのに消されてたまるかぁ!……あ、あれ?プライベートエリアに飛べませんっ!」
「何の為にワシも来たと思っているのかのぉ?結界魔法じゃよ」
「け、結界魔法!?卑怯です!」
「卑怯も何もないじゃろう」
「は、破壊神さん……ぼ、僕を処刑して」
「ちょっ!チョット待ってください!光一を……光一は処刑しないでください!他に方法があるはずです!」
「や、止めろおぉ!止めてください!あぁぁぁ!耳障りな歌を止めてくださいぃ!」
「光一!しっかりしなさいってば!」
「……さ、紗也華、ゴ、ゴメン……で、でも、これは僕の責任だから。ち、地上を混乱させただろうし。責任は取らないと。それから……ブリタニア。が、頑張ってはいる。天使の歌のお蔭で会話……出来るようになってきたし」
「創造神様、ナビィからもお願い致します。我々、天使が頑張っています!もう少しで浄化出来ます!」
「うむ、処刑はしないから安心すると良いぞ。そやつの本体は指輪じゃ。指輪を破壊しなければ根本的な解決にならんのじゃ」
「そ、そうはさせませんよ。……あ、あれ?動けません」
「抵抗は無駄じゃよ。魔法神が一時的に、光一くんの身体で魔法を使えない様にしたしの。更に今、魔法で身体の自由を奪った」
「あぁ~!こ、こうなったら……あ、あれ?この身体と指輪から逃げ出せない」
「さっき、創造神様が結界魔法を張ったと言っていたでしょ?他の人や物に逃げられても困るからね。当然でしょ?」
「それじゃ破壊神よ。よろしく頼む」
「俺の出番か。異世界の邪神よ。覚悟しろ!……オラッ!」
「ギャァァァ……あ?ふぅ……危ない、危ない。指輪から身体に逃げられました。こ、これで僕を消すには……火星神を処刑しなければ…ですね。アハハ。計画は全て台無しですが、復讐は成功です。あぁぁ!さ、さっきから天使の歌が非常に耳障りですね」
「だから、処刑はせんと言うておろう?忘れたのかのう?または、地球ではこういう状況になる事はないからの。知らないのかもしれん」
「な、何の事です。ギャァァァァッ!」
「そう、それじゃよ。天使は何故、神の戦力なのかというとな。一つは悪魔や悪霊等を浄化する能力があるからじゃよ」
「じょ、浄化……?グギャァァァ」
「光一くんの天使よ!本体を破壊した今、本気を出すのじゃ!」
(おぉ~!今度は木星の旋律をもとにした「我は汝に誓う、我が祖国よ」だ。いやぁ心地良い)
「オギャァァァァッ!や、止めてくださーい!ギャァァァ……あっ!この苦痛を火星神も感じているなら…ふ、復讐は成功?」
「いやいや、光一くんは心地良い気分でいるはずじゃよ?」
「あぁぁぁ!や、やはり準備不足だったんです!て、天使にもバレないように隠れていたはずがぁ!気付かれるなんて不運です!」
「光一くんは幸運ステータスが高いからねぇ~。あー、そうそう、光一くん。君の責任でも無ければ、責任を取る必要はないから。だって、僕や創造神様も気付かなかったし、指摘もしなかったから気にする事はないよ~」
「ギャァアアアアア……き、消えたくないのに…消えて行っていますぅ~。も、申し訳ありませんでした!お許しくださいぃ!」
「君に消えてもらうのは確定事項じゃ。おとなしく消えると良いぞ」
「うわぁぁぁ。そ、そんなぁ~!い、嫌だぁ!あぁぁぁっ!」
「……創造神様、邪神は消えました」
「生命神よ。確認助かる。破壊神も対応ありがとうの」
「創造神様、俺は丁度良い暇つぶしになったので構いませんよ。それじゃ俺は帰ります。光一様が目を覚ます前に去らないと面倒そうなんで。それでは失礼」
「言うだけ言って去って行ったの。アヤツは相変わらずじゃな」
「そ、創造神様!光一に近付いて抱きしめても大丈夫ですか?」
「おー!ブリタニアさん、大丈夫じゃよ。結界魔法は解除したしの。光一くんが倒れない様に魔法で支えているだけじゃ。ここで倒れると城の下まで落下するからの」
「それじゃ皆、行くわよ!」
「チョット!ブリタニア待ってってば~!あなた、この不安定な足場でよく平気ね」
「紗也華、遅い!先に抱きしめているわ」
「いや、ブリタニアが速すぎるんだって。そして、ずるーい!ナビィとエイドも……あっ2人の様に飛んで行けば良かった!よしっ!とうちゃーく!」
「イブちゃん、解決した様だね」
「そうね。のぞみちゃん」
「……んなぁ?お、おぉ!僕、目が覚めたら4人に抱きしめられていて幸せだわ!」
「光一のバカッ!心配かけて!」
「紗也華、ゴメン。創造神様と生命神さん、それから皆もご心配をおかけしスミマセン」
「生命神がさっき言っていたが、気にする事はない」
「そそ。光一くん、気にしないで良いよ」
「ナビィ、天使の皆は?」
「お礼を言って帰ってもらったの。皆、マスターに貢献出来て幸せだって言って帰って行ったわ」
「そっか。ナビィとエイド、僕以外に邪悪な気配がする人はいる?」
「いえ、ナビィは光一さんだけだわ。他の子は大丈夫」
「エイドも同じくー」
「それなら良かった」
「とりあえず皆、ワシのプライベートエリアに来てもらえるかの?良いか?……大丈夫そうじゃから行くとしよう」
僕達は創造神様のプライベートエリアに飛んだ。
そして皆、座らせてもらった。
「さて、とりあえず地上の時間を戻すかの……ん?どうやら時空神がやってくれたようじゃ。これで全て問題ない」
「あれ?破壊神さんは?」
「あー。光一くん、破壊神は照れ屋さんだったりするんだ。だからね。帰ったよ」
「それじゃ、聞いているかどうか分からないけど、破壊神さん、時空神さん、魔法神ちゃん、対応ありがと~!」
「光一くん。指輪を作り直したらどうかな?同じものだと気分が悪ければ、デザインを変えても良いし」
「う~ん。そしたら……よしこれでオッケーかな?」
「おぉ!?光一くんからワシに沢山の……2.4千万の神力が送られて来た!」
「うわっ……なんか身体がダルい。大量の魔力を消費した時みたいな感じだ。そ、創造神様、可能ならこれらの指輪の効果も付けて、作り直してもらえませんか?可能でしたら指輪をお渡しするのでリサイクルしてください」
「お、おぉ。もちろん可能じゃよ。超幸運の指輪とかじゃな?」
「それではお渡し致しますので、よろしくお願いします」
「うむ、確かに預かった」
創造神様に指輪を全て渡して数秒後、指輪が消えた。
超幸運の指輪は結婚指輪でもあるんだけど……まぁ、皆と結婚する前のだし、許してもらおう。
「……よしっ!出来た!超幸運の指輪に複数の指輪の効果をまとめておいた。一応、結婚指輪じゃからの。生命神の作った指輪の色欲を抑える効果や、寝ると肉体的にも精神的にも完全回復する効果等、ちゃんとあるから安心すると良い」
「創造神様、地球の元外交担当の神……つまり、邪神が光一くんに渡した指輪の効果もあります?」
「生命神よ、もちろんじゃ。しかし、それでも1.8千万の神力が余ったが……光一くん、良いのか?」
「あっはい。指輪を作っていただきありがとうございます。僕は特に神力の使い道がないので構いません。新しい世界を創る事に貢献出来たら嬉しいです」
「おぉぉ~!それは非常に助かる。光一くん、ありがとう!」
「いえいえ、僕の方こそ指輪を1つにまとめていただき、ありがとうございます!」
「いやぁ~光一くんは幸運ステータスが良い感じに働くねぇ。邪神の存在に気付いたのが部下の天使を増やした後で、絶妙なタイミングだったよ」
「装備すると幸運が2倍になる超幸運の指輪のお蔭だね。それとこの世界のステータスという仕様に助けられたよ。しかし、まさかアイテムに邪神の……魂なのかな?それがいて、身体を乗っ取られるとは思わなかった」
「身体を乗っ取る程というのはレアなケースじゃな。殆どはアイテムの持ち主を不幸にさせたり、道を誤る様に気持ちを誘導する程度じゃ。しかも、ワシらに気付かれないように隠れるとはな。それだけ深い恨みだったんじゃろうな」
「神の恨みこわっ!創造神様……も、もう大丈夫ですよね?」
「うむ、断言しても良い。そう簡単に出来る事でもないからの。それに天使2人が『気のせいかな?』レベルでも、邪悪な気配に全く気付かないという事もあり得んよ」
「光一くん、創造神様の言う通りだから安心して。僕は邪神が消えた事を確認したし、ナビィちゃんとエイドちゃんも指摘しないという事は、光一くんの中で隠れているという事もあり得ない。そもそも100万人の天使の力に耐えられる訳がないからね。消えたフリなんて事は出来ないよ」
「それなら安心です。念の為に確認だけど……ナビィとエイド、僕から変な気配はしない?」
「光一さん、大丈夫よ。していたら生命神さんの言う通り指摘しているわ」
「エイドも同じく~」
「そっか」
これで地球の元外交担当の事件は完全に解決かな?





