841 天使8期生を生み出す
1年10月21日
「ボットちゃん、ありがとう」
『いえ、お役に立てて大変光栄です』
「それで、ナビィ。次はどうしようか?具体的には追加の7人について」
「光一さん、名前は決まっていたりするの?」
「名前かぁ。考えるからチョット待ってね」
う~ん。どうすっかなぁ。……よし、これで行こう!
「決まったよ。国王補佐官、字幕を空間投影するからよろしくね」
「光一さん、了解!」
「名前は由依、由羽、由佳、由姫、由奈、由美、由利でお願い」
「ブフッ!!」
「紗也華~?吹き出さないでもろて」
「だって……フハハハ」
「光一さん、ふざけないでもらえない?」
「ナビィ、僕はふざけてないよ!名前のセンスがないのは認める。だけど、とても真面目だよ!」
「はぁ……それじゃ何故、全て『由』が付く名前なの?」
「それはね。『由』は『自由』で使われている。そう。僕は8期生に自由である事を期待する。かと言って自由過ぎても困るけどね。人類だって法の範囲内で言動をしている様に、天使も天使のルールの範囲内で言動をしてもらいたい。自由でのびのびとしてもらいたい。そして自由に意見を言ってもらいたい。そういう思い。それに……」
「そ、それに?」
「確か『拠り所』という意味もあったはず。だから、他の人の拠り所となれる存在になってほしいなという思いもある。更に『基づく』という意味もあったと思う。物事を経験に基づいて判断したり、そういう事が出来る優秀な人材になってほしいんだ。後は8期生だって事が分かりやすいようにだね」
「……光一さん、意外と真面目な理由で驚いたわ。フザケているようにしか思えない名前なのに」
「僕はね超真剣に考えたんだよ?黙って目をつむってさ。名前のセンスがないからこそ頑張ったの!」
「アハハハハハ……こ、光一。約5分かけて…そ、それを考えていたの?アハハハハ」
「紗也華は笑いすぎ!国王補佐官の案を聞いて、再度、考えるのに約2分。名前を考えるのに約3分の計約5分だよ。でも勘違いしないでほしいのは、その前から自分の中で考えていた。だからたったの数分で考えた訳ではないからね?名前のセンスがない僕にはそんな事は出来ないよ!」
「光一、私は子どもの名前を自分で決めようと思うわ」
「ブリタニア!?このタイミングでそれを言われるとツライんですが!名前のセンスがない自覚はあるけど……」
「でも光一?この世界の名前をつけるなんて事。あなたには無理でしょ?」
「うっ、うん……そ、そうだね。分かったよ。……それでナビィはどう思う?」
「う~ん。フザケているようにしか思えない名前の付け方だけど、理由が良いからね……分かったわ。それで行きましょう?」
「それで……どうすれば良いのかな?」
「光一さん、容姿は決まっている?」
「もう、僕の引き出しは空っぽです。容姿は名前の通り日本人という感じでお願いしたい。高校生って感じの子が良いかな?」
「そしたら、のぞみさん。容姿を決めてもらってノートパソコンに表示してもらえないかな?」
「了解だよ。……ボットちゃんが今いる場所の近くのノートパソコンに担当の子を表示。それ以外のノートパソコンには全員分を表示するね」
「うん。お願いするわね」
「「「「「おー!」」」」」
髪の長さや髪型が皆、異なり、黒髪が2人、茶髪が3人、銀髪2人。
瞳の色は青、エメラルドグリーン、オレンジという感じで皆、個性的だ。
おっ!誰が何の名前かも決めてくれたんだ。
「ボットちゃん、7人に指示するわね。マクロコード841をお願い出来る?」
『はい。念の為に確認します。容姿と名前は画面に表示されているものでよろしいですか?』
「その通り。問題ないわ」
『命名規則は先程と同様に名前に何号……と加えたものでよろしいですか?』
「認識の通りよ」
『服装は画面にも表示されており、先程と同様との認識に相違ありませんか?』
「それも認識の通りよ」
『承知しました。まずは1号を生み出します。状況説明はマスターが行いますか?』
「それはナビィが代理で行うわ」
『承知しました。状況説明が完了して、準備も完了しましたらお声がけください』
「ナビィは手順を理解しているわ。手順の説明は飛ばしてもらって問題ないわよ」
『……承知しました。それではマクロコード841を実行します。権限保持者様は特に問題等が無ければ実行とご命令ください』
「ボットちゃん、マクロコード841の実行を命令するよ」
『……権限保持者様からのご命令を確認。マクロを実行します』
ボットの1人がそう言うと7人の天使が生み出された。
『マクロを中断します。状況説明をお願い致します』
「りょうかーい!」
ナビィと生み出された天使は黙って向かい合っている。テレパシー的な何かで天使間でコミュニケーションをとっているのだろう。
「マスター。天使8期生を一時的に代表して由佳から失礼致します。生み出していただきありがとうございます!」
由佳がそう言うと天使8期生はバッと敬礼した。おー!カッコ良い!
「いえいえ、皆、よろしくね。名前だけど気に入らなかったらゴメンね?」
「はい!こちらこそよろしくお願い致します!それから、とんでもありません。天使8期生一同、名前の由来を聞き感動しているところです。本当は黄色い歓声を上げたいところですが気持ちを抑えています。服のデザインも気に入りました!」
「そ、そう?それなら良かった」
「はい!それでは、マスター。我々は準備が完了しましたので、マクロを再開してください」
「あっ、僕なのね。それじゃボットちゃん、マクロの再開を命令するよ」
『承知しました。マクロを再開致します。高速で生み出して参ります。よろしくお願い致します。……実行まで5,4,3,2,1…開始』
相変わらずスゲェ。生み出しては消えるのが超速い。
~約30分後~
『マクロコード841が完了しました。お疲れ様です』
おぉ!終わった~!いやぁボットちゃんがいると本当に楽だわ。
「あっ。ゴメンね?ナビィ、うっかり忘れてた。天使8期生も席に座って~」
「「「「「「「失礼します!」」」」」」」
「天使8期生の皆、大丈夫?疲れていない?僕も忘れてたよ。ゴメンね」
「それじゃ、今度は天使8期生を勝手に代表して由美から失礼します。マスター、それにナビィ様も謝るような事ではありません。先程、由佳はこう言いました。『我々は準備が完了しました』と。つまり、そういう事です。座りたければ『座っても良いですか?』と言いました。だから、お気になさらないでください」
「そっか。ありがとう。でも疲れていない?」
「はい。この程度なら余裕です。何の問題もありません。……マスター。我々、天使8期生は何かあれば申し上げます。何故なら我々はマスターがそれを期待しているのだと考えているからです。そうですよね?マスター?」
「うん、そうだね。よろしくね」
「はい。我々にお任せください。中には名前を気の毒に思っている方もいるかもしれません。しかし、我々は先程、由佳が言った様に名前の由来を聞き、マスターの思いを聞き感動しています。確かに普通なら共通の文字を使っている事に『どうなの?』って思うかもしれません。しかし我々は違います。共通点がある事で、より一層、絆を深める事が出来ると考えます」
「おぉ!僕の思いを理解してくれて嬉しいよ!」
ん?紗也華がプルプル震えている。笑いを堪えているんだな?
「紗也華~。また笑いを堪えているでしょ?そんなに面白い?」
「アッ、アハハハハ……はぁ。由美ちゃん、違うの。あなたを笑った訳ではないの。光一の考えた名前の由来、思いは確かに素晴らしい。だけど、私と光一の子どもの事を思ったときにね。母親としては共通の文字を使うのは駄目だなって思うの。光一には悪いけど、私も自分で名前を考えようと思ったらおかしくて」
「あー。人類の場合は一郎、二郎、三郎、四郎……というようにされたら嫌ですよね?分かりますよ」
「いやいやいやいや、僕はそこまで名前のセンス酷くないからね!紗也華。お願いだから僕の名前の案を聞いてから判断してよ!」
「良いけど。先に言っておくね。父親が光一だからって浩二とか止めてよね?世の中には、そういう名前の付け方をされた人もいるかもしれないけど、私個人の意見としては、そういうのは嫌だからね?ちゃんと考えてあげてね」
「うん、分かった。ちゃんと考えるからさ……ブリタニアみたいに最初から却下はしないでね?確かに名前のセンスはないとは思っている。だけど、聞いてから判断してよ。というか一緒に考えようよ」
「分かったわ。そうね、一緒に考えましょう?」
「良かったぁ~」
天使一同が拍手をしてくれた。
「あっ、皆、拍手ありがとうね」
さて、次は天使を倍に増やさないとだ。ボットちゃんが出来ると良いんだけど。





