82 目覚めと夜戦の後始末の方針
1年6月4日
昼になって目が覚めた。スッキリとした気分だ。もう眠気はない。
もう仕事に支障は出ない。
「ブリタニア?そろそろ起きて」
「うん?あーあ、よく寝た!気分が良いわ」
「気分が良くて幸いです」
「ん?何か言った?寝起きで聞き取れなかった」
「あ、大したことは言っていないので大丈夫です」
「……あなた。なんで敬語なの?」
「うん?あぁつい昨日の申し訳無さがあって敬語になってました」
「もう良いわよ。夫婦間で敬語だとおかしいからもう止めて」
「うん。分かった」
実際はブリタニアが本気で怒ったら怖いことが分かって恐怖が残ってたんだけど……言わないでおこう。
知らぬが仏である。
「ところで今日の予定は?」
「そうだね。昨日20万人のエテルノを残して来たでしょ?」
「そうね。その関係のこと?」
「うん。まずは今回の事で大量の人員に損失が出た。ここで言う人員はトラバント地方のね」
「うん」
「いくら反乱を起こしたとは言え、起こしていなかったら貴重な人員だったと思っている」
「というと?」
「その殆どが軍や警備隊でしょ?本来なら治安維持を行う人達だ」
「そうね。その為にいる人員だわ」
「そう。そこに損失が出たからエテルノで穴埋めしようと思っている」
「具体的には?」
「具体的には僕の元いた国だと警察、僕のいた世界の英語という言葉は不思議な事にこの世界の共通の言葉と同じなんだけど、英語ではポリスという治安維持組織があった。犯罪を取り締まる組織だね。それを整備しようと考えているのが1つ」
「ポリス……私達の世界にはない言葉だわ」
「うん、語源はまた違う言語から来ているからだと思う。この世界だと主に警備隊などが治安維持していると認識している」
「そうね。それでもう1つは?」
「各都市に役所を設置すること。現在は首都に役所を設置しただけだけどトラバント地方は元は国だ。領というモノがあり領主がいたと思う。今もいるのかな?今もいて善良な人なら代官になってもらおうと思っている。善良な人なら市民からも愛されているはず。それを無理やり追い出すと市民から反発が起こる」
「確かにそれはそうね」
「一方、領主が不在の場合も考えられる。例えば首都に領主がいて貴族として王族と一緒に悪事を働き、例の件で処罰されたタイプだね。その場合は領地に代官を置いていると思う」
「確かにありえるわ」
「そこでエテルノに状況の調査をしてもらいたいと思っている。まずは首都の善良な市民から元の国の事情を聞いてもらう。そこである程度、情報が集まるはずだ。後は現地に行ってもらい現地の市民に調査してもらう」
「なるほどね」
「ただ僕は今回、ある可能性を考えている」
「なに?」
「60万人という大群が一気に反乱を起こした。これは各領主が話し合って決めた事ではないかという可能性を考えている」
「なるほどね。あなたが倒れて余裕が無かった事もあり私達が実際に統治していたのは首都だけだものね」
「そう。首都奪還作戦だよね。そこでずるいけど手段を選んでいられない事情もある。創造神様に状況を聞いてから動こうと思う」
「創造神様に聞けば分かるの?」
「人は死んだ時に神が善良な人かどうか判断するためにその人毎に記録をしている。それを見てもらえば分かると思う」
「なるほどね」
「これから天界に行くけど一緒に行く?」
「行くわ。これからは出来るだけあなたから離れたくない」
「分かったよ。ありがとうね愛してくれて」
「こ、こういう時に言うのはズルいわよ。でも言ってくれてありがとう。嬉しいわ。私のこと愛してくれてありがとう」
「な、なるほどね。言葉にすると結構恥ずかしいな。でもこういう気持ちは言葉にして伝えるべきだと僕は思う」
「そうね。言葉にしないことですれ違いが生じたりすることもあるからね。私も大事だと思う」
「それじゃ天界に行こうか」
「うん」
天界に来た。
「創造神様こんにちは」
「こんにちは」
「おぉ、良く来たの。昨夜は戦闘になり大変じゃったな」
「観てたんですか?」
「君が倒れた件もあって全ての神が地球観光を止めて、働いたり地上を注視するようになった。特に君の動きはな」
「そうだったんですか」
「君が戦場に行った件について理由は分かるが病み上がりを考慮しワシも次に天界に来たら注意しようかと思ったが、ブリタニアさんが叱ってくれたからワシからはそれ以上言うまい」
「ご心配をおかけしました」
「うむ。ところで今回の件の背景を知りたいんじゃろ?先程の会話も聞いておったし、ワシも情報を追ってみた」
「話が早くて助かります。どうでしたか?」
「結論を言おう。全員が黒。つまり犯行に関わっている」
「つまり全領主が指示をしたと言うことですね?」
「そういう事だ。今回の作戦に全軍、全警備隊、領主を支持する市民が参加した」
「だからあの人数だったんだ」
「全力でやれば勝てると思ったんじゃろうがな。生命神が怒っておったよ。なんて無駄死にだと。仕事を増やしやがってと」
「人数が人数なので大変そうですね」
「まぁな。でもそんなに大変ではないぞ。部下の天使に手伝ってもらっているからな」
「度々、申し訳ないですけど元フォルター帝国内……いや全世界にいる全員に聞こえるように話してもらえませんか?」
「構わんよ。ワシとしても昨夜の彼らの行為は創造神として残念に思っている」
「それではこんな感じでどうでしょうか?」





