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826 緊急の国連総会

 1年10月14日


 リーベ王国で夕食をいただいて、21時になったからそろそろ帰ろうかなと思った頃、生命神さんが来た。

 気のせいか疲れた表情をしている。何かあったのかな?


「遅くなってゴメンね。色々とあってね。話がしたいんだけど……どうしようか?」


「ここではマズイ話?」


「あーいや。リーベ王国にも影響が出ると思われる。だからリーベ王国の人達にも聞いてもらいたい。というか世界各国に影響が出ると思われるから、世界各国の首脳にも出来れば聞いてもらいたい。それに光一くんの妻全員……主にパーティー会場組も気になると思うんだ。『こんな遅くに帰りが遅いけど、どうしたんだろう?』って。だからどうしようかなと思ってね。遅い時間だから世界各国首脳を呼び出すのも悪いなぁって思うし」


「アルバートさんは時間、大丈夫かな?」


「私なら大丈夫だが……遅くなる様なら明日は午後から来てもらえると嬉しいなぁ」


 夜遊びの関係かな?それともただ単に寝るのが遅くなるからかな?

 いずれにせよ僕としても今夜の事を考えると、その方が助かるかな?


「僕もその方が都合が良いので助かるよ。しっかりと寝たいからね」


「ハハハハハハ、そうだな。私もしっかりと寝たいと思っていた」


「それじゃ、イブ。緊急の国連総会という事で一応、声だけかけてもらえるかな?遅い時間だから強制はしないと」


「分かったけど、その前に重要な事を聞いても良いかしら?『世界各国に影響が出る』というのは人命に関わる話なのか。可能なら教えてもらえると嬉しいわ。各国首脳も判断材料が無ければ困ると思うから」


「あー。そうだよね。うん。人命に関わる話だよ。だから各国首脳には事前に聞いておいてもらいたい。ただ、一般人に発表をすると混乱が生じる。だから情報が漏れると困るんだ」


「答えてくれてありがとう。直ちに特命全権大使を通じて連絡するわね。光一さんの妻、王妃や王配、王子も来られたら来てもらうわ。ハミルトンさんとエイリーンさんはどう思う?」


「僕も気になるから参加したいし、彼らなら声をかけたら来ると思うよ」


「そうね。私も気になるから助かるわ」


「ありがとう。パーティー会場組には国連事務総長を通じて伝えるわね。私、さっき少し抜けたでしょ?その時に天界に連れて行ったの。今はリアさんとシャーロットさんに署名してもらっているところだわ」


「あー。そっか。それなら都合が良いね」


「…………うん。全ての国、問題無く来られるみたい。ただ、15分待ってあげて。既に寝る準備をしていた方もいたから」


「僕は構わないよ。お蔭で休憩が出来る。いや、本当に大変だったんだからね」


「よく分からないけどお疲れ様」


「光一くん、ありがとう」


 ~約15分後~



「よし!準備が出来た。既に皆、席に座ったわ。行きましょう?」


「ん?僕達が最後なの?」


「ほら。待っている間に『光一に会いたかったんだから!私、もう帰る!』とか言われたくないでしょう?」


「あーまぁ17日までという予定だから、別に早めに帰って来てもらっても良いんだけどね」


「帰って来てもパーティー会場生活だから、少しでも長くゆっくりしてもらいたいという私の配慮よ」


「あぁ、確かにね」


「それじゃ行くわよ」


 僕達はイブの転移魔法で、いつも使っている会場に移動した。

 レストラン組も来ているね。世界各国の後ろの席に座っている。

 おぉ!王子もいるね~!里帰りしている妻もいる。何だか懐かしい。


 僕の隣の席には紗也華、後ろの席に、ぼたんが座っている。今日はイブとのぞみは後ろの席に座るようだ。

 ナビィとエイドは僕の周りをぷかぷか浮いている。ブリタニアはリーベ王国の席の後ろに座った。

 生命神さんは……?おぉ?席が増設されて18席になっている。席には「国連事務総長」と書かれている。

 増設された席に生命神さんと国連事務総長の優華さんは座るようだ。


「皆様、本日はありがとうございました。国連事務総長の優華です。急にも関わらず、お集まりいただきありがとうございます。それでは生命神様、よろしくお願い致します」


「うん。優華ちゃん、ありがとうね。皆、急に呼び出してゴメンね。天界で色々とあってね。僕の話を聞いてもらえると嬉しいな」


「生命神さん、僕も気にはなっていたんだけど……何があったの?」


「うん。人種差別について、配信後にアンケートをとったでしょ?それに答えていない人をエルフの神と獣神が見ちゃったんだよ。何故、回答していないか分かるかと言うと、人種差別派の要注意人物として監視していたんだってさ。そしたら、あんなアンケート結果は意味がないとエルフの神と獣神が言い出したの」


「私から失礼。今回のアンケートは回答者数が、配信の視聴者数を満たしたら終了としたの。人口は役所のデータベースに登録されているから大体は分かるけど、それを待っていたら結果が出るまでに日数がかかる。あるいは結果が出ないから」


「うん。僕は理解しているよ。光一くんが生まれた国の日本だって、支持率の調査をする際に全人口から調査なんてしない。その上、回答率も低い。それに比べたらマシだって、説得を試みたんだけど駄目だったね。ただでさえ、獣神もエルフの神も激怒しちゃっているところ、アンケートに答えないのを見ちゃったからさ。火に油を注ぐ結果になってしまった」


「人の性格はそう簡単に変わらないから、しばらくは様子見で、問題化したら対応でどうかな?」


「光一くん、それも含めて色々と説得したんだけどね。駄目だったんだ。『問題化してからでは遅いだろ!』とね。そして『バランス調整』を行う事になった。当初の予定では『年配の古い考えの人達』が対象だったんだけど、妥協してもらった。光一くん、配信では『人種差別をする様な人が対象者』と言ったよね?」


「うん。言った。そう言った方が効果があると思ったし、よくよく考えたら比較的若い世代でも人種差別をする人がいるかもしれないからね」


「そう。それが説得材料として効果があった。生命神の立場からすると人口が減るのは好ましくない。だから創造神様と頑張って説得を試みた。しかし、エルフの神と獣神は『バランス調整を行わないなら我々で勝手に行う!』と言って聞かない。当初の予定って実は『古い考え』かどうか判別が難しいから一定の年齢より上の人が対象だったの。でもそれだと対象者が多いし、人種差別を行わない人も含まれて理不尽だよね?だから『人種差別をする様な人が対象者』に変更させてもらった」


「いや、でも我々、世界各国の王も無意味かもしれないけど、努力はしている。人種差別撤廃条約を締結した。それは明日、効力が発生する。だから明日、ニュース番組で報道する予定なんだけど……。『バランス調整』はその後では駄目なのかな?」


「残念だけど駄目だね。獣神とエルフの神が言うには『光一様と生命神が説得して駄目なら何をしても駄目だろう』という事でね。今晩、バランス調整を行う事になった。具体的には、ここにいるメンバーとエテルノを除く全ての人を対象に夢の中で質問をする。嘘の回答は出来ない。あー。警察官がよく使う自白魔法と同じ様なものだよ。それで、この人は人種差別を行うと判断されたら、強制的に生命活動を停止させる」


「あーという事は夜中に救急車が走りまくるんじゃ……」


「いやいや、そこは迷惑になるという話をして、朝にさせてもらったよ。目覚める前にお亡くなりになるか、仮に早めに目が覚めても急死する。あぁ、例えば夜勤とかで寝ない人は強制的に数秒間眠らせる。一斉に行うから同僚に起こされる事も無ければ、襲撃の心配もないよ」


「それじゃ……せめて分かりやすい判別方法がないと、ただの病気かどうか分からなくて救命のリソースが不足して混乱が生じるんだけど」


「う~ん。それもそうだな。そしたらお腹に大きな丸い黒いアザをつくるから、それで判別して。全員、同じ形にするから判別出来ると思う」


「イブ、急死したと思われる件に関しては、救急ではなく、まずは警察官を派遣して確認させよう」


「光一さん、了解よ。配慮、助かるわ」


「はぁ……生命神様、我が国の愚か者がご迷惑をおかけし、申し訳ありません。配信でも触れていただきましたが、私からも以前、国民にはキツく言ったのに……はぁ。その上、神々が配信で忠告したのにこれですか。私は情けなく思います」


「いやいや、シルヴィー女王は悪くないよ。悪いのは愚か者。僕は世界各国の王にご迷惑をおかけし、申し訳無く思っているよ。……悪いのは愚か者だけど、今、この時期にやる必要性はないからさ」


「あー。生命神さん……で良いのかしら?」


「うん。良いよ。ぼたんさん、何かな?」


「私は生命神さんが気にする必要はないと思うわ。だって光一なんて世界各国に迷惑をかけるとか気にせず、地球で大勢の人を消滅させたんだからね!うちの国なんて酷い状況よ!それに比べたら天地の差でしょ?」


「あー。ぼたん?確かに世界各国に迷惑をかけるとは気にしなかったけど、僕は僕なりに悩んだよ?」


「聞いたから知っているわ。その上で言ったのよ」


「あっそうですか」


「その件はワシも娘から詳細を聞きました。生命神様、申し訳無く思われる必要はありません。事前に教えていただき、ありがとうございます。ワシも覚悟しておきます」


「ん?……あー!あの件ね!アレは凄かったねぇ。さっきまで色々と大変だったから、思い出すのに少し時間がかかっちゃったよ。流石にあそこまで酷くならないと思いたい。そうでなければ、あの配信と計画変更が無駄になるからね」


「他にご意見のある方はおりますか?……はい!イブお母さん!」


「ありがとう。それでは各国首脳には明日の午後に特命全権大使を通じて、亡くなった人の割合を報告させてもらうわね。質問等はあるかしら?……はい。シルヴィー女王」


「1点、質問なのだけど、どうして国王補佐官では無く、特命全権大使がこの会議について連絡して来たのかしら?」


「……理由は3つ。1つ目は、いつもの癖。2つ目は、今日の仕事は終了だと思って充電を始めたから。緊急の用件なら中断したのだけど、特命全権大使で十分だと判断した。3つ目は……あまり言いたく無かったのだけど、余裕が無かったから。世界各国で人命に関わり、一般人に情報が漏れると混乱が生じる内容。だから全力であらゆる可能性を考えて、何らかの異常が発生していないかを全力で確認していたから」


「もしかして僕達が最後になったのもそれが理由だったりする?それなら生命神さんに聞けば良かったんじゃないかな?」


「光一さん、その通り。だけどね?光一さん、何でもかんでも神様に答えを聞くわけにもいかないでしょ?最初から自力で考える事を放棄しては堕落してしまうわ」


「いや、そうかもしれないけど……イブとのぞみが本気を出すほど?」


「出した意味はあると思うわ。お蔭でこれも想定出来たから。……生命神さん、グラウベ聖国と大和王国本体を除き、世界各国と地域で平均何%が亡くなると考えているのかしら?」


「そ、そうだね。痛い所を突かれたね。……平均で約10%かなと思っているよ」


「それは申し訳ないけど甘いわ。グラウベ聖国と大和王国本体を除く、世界各国と地域で少なくとも30%の人が差別的だった。人はそう簡単に変わらない。確かに表面上は簡単に変われるかもしれない。差別しないように意識したり、考えを変える努力はするかもしれないわ。でも心の底は簡単に変われないと私は思っている。だから、どんな質問の仕方をするかにもよるけど、『あなたは差別をしますか?』だけでは最悪で約30%。良くて約20%の人が亡くなると想定されるわ」


「うっ……それは生命神である僕としては許容出来ない。質問項目に『差別をするのなら、考えを変える気はありますか?』といった内容を追加するように頼み込もう」


「光一さん、確かに今回はここで話を聞いてからでも、この話は出来たと思うわ。でもね?内容次第ではギリギリ間に合う。あるいは間に合わないというのもあるのよ。危機管理能力試験だと思ってもらえれば良いわ」


「光一さん、イブちゃんの言う通りでね。時々は全力を出さないと、いざという時に実は壊れてました。とか、動きませんでは困るだろー?元システムエンジニアなら分かってくれると嬉しいな。それに光一さんは、ハゲるほど経験しただろう?『異常が発生しました』の第一報を受けてあらゆる可能性を考えたり、応援要請をしたり、調査したりってね」


「分かった!分かったから!確かに嫌になるほど経験したけどハゲてはいない!……時々、白い透き通った髪が生えて来たり、抜けて来たりしたけどね!って何を言わせるねん!」


「光一、私は別に気にしないわよ。今さえ良ければそれで良いじゃない」


「いやいや、ぼたん?僕の名誉の為に否定させて。本当の本当だから!嘘じゃないから!」


「あー。光一くんが苦労して来たのは、よく分かったからさ。優華ちゃん、よろしく」


「あっはい!他に何かご意見等がある方はおりますか?……大丈夫そうですね。それでは本日の国連総会は以上とさせていただきます。遅い時間にお集まりいただき、ありがとうございました。それでは皆様、明日の対応もあると思いますので、このまま解散でお願い致します」


「僕からも集まってくれてありがとうね。それじゃ失礼するね」


(バンッ)


 生命神さんは去って行った。


 その後は各国に帰っている妻と抱きしめ合って、少しだけ会話をすると皆、帰って行った。

 皆、せっかくだから1日延長して18日までいて、19日の日曜日に帰って来てゆっくりとするみたいだ。

 その方が僕ともゆっくりと会話出来るだろうからとの事で。


 最後にリーベ王国の皆さんとも別れて、ブリタニア、パーティー会場組の妻、国王補佐官でマンションのレストランに帰って来た。

 帰って来たらまず、イブからパーティー会場のメッセージについて聞いた。

 殆どが生配信に関する内容だ。カッコよかったとか、子どもについての僕の愚痴……遺伝子が引き継がれない事、僕に似ない事に同情してくれる内容との事。

 イブがその中の一部として、応援してくれるメッセージを読んでくれた時には泣きそうになったね。本当にありがたい事だと思う。


 さて、報告を聞いた後は皆で温泉に入った。いつも通りだよ。いつもと違う事は今日あった出来事についてお互いに話した事かな?

 いやぁ~楽しかったね。

 温泉から出たらイブが待っていて「明日、午前中はパーティーをお休みにする?」と聞いて来た。

 皆は「遅い時間になったけど、9時開始だから大丈夫。だけど、朝食はパーティー会場で摂る」と答えていた。

 それに対してイブは「了解よ」と返答。


 予想外だったのはベッドで遊ぶのがブリタニアと紗也華だけだった事。

 理由を聞いたら皆、「何、言っているの?今日はブリタニアと紗也華の日でしょ?」との事。

 僕が「え?」と言ったら「今日の主役は配信で名前が出た2人だし、我々は明日も仕事だから寝る!」と言って去って行った。


 そうして僕達はブリタニアと紗也華と一緒に朝まで楽しんで寝た。いやぁ~今日も本当に色々とあったなぁ。

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