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823 深刻な人種差別が発覚

 1年10月14日


 その後、しばらく会話を楽しんでいたら、アンケートの結果が出たようだ。


「それでは発表する前に、まずはアンケート内容について回答項目を含めて確認ね」


 イブはそう言うとアンケート内容を説明した。


「それじゃリーベ王国から発表をして行こうと思うけど、特にアンケート内容等に問題はないかしら?」


「うん。問題ないよ。ありがとう。結果発表をよろしくね」


「了解よ。結果は画面にも表示するわね」


 イブがそう言うと各席にあるノートパソコンの画面に結果が表示された。

 そしてイブは結果を発表して行く。


 リーベ王国の結果をまとめるとこんな感じだ。


・今回の発表をどう思うか。

 1.とても良かった:43%。2.良かった:10%。3.普通:07%。4.良くなかった:09%。5.とても良くなかった:31%。

・リーベ王国の次期国王がハーフエルフな事をどう思うか。

 1.歓迎する:39%。2.良いと思う15%。3.何とも思わない:06%。4.良くない:07%。5.最悪33%。

・これまでハーフエルフである事を隠していた事をどう思うか。

 1.仕方ない:41%。2.何とも思わない:22%。3.あまりよく思わない:02%。4.騙された:32%。5.最悪03%。

・エルフをどう思うか。

 1.素敵だと思う:33%。2.何とも思わない:46%。3.関わりたくない:17%。4.最悪:04%。

・ハーフエルフをどう思うか。

 1.素敵だと思う:28%。2.何とも思わない:43%。3.関わりたくない:09%。4.最悪:20%。

・獣人をどう思うか。

 1.素敵だと思う:20%。2.何とも思わない:35%。3.関わりたくない:07%。4.最悪:38%。

・ドワーフをどう思うか。

 1.素敵だと思う:12%。2.何とも思わない:57%。3.関わりたくない:21%。4.最悪:10%。

・エテルノをどう思うか。

 1.素敵だと思う:37%。2.何とも思わない:52%。3.関わりたくない:08%。4.最悪:03%。

・人間をどう思うか。

 1.素敵だと思う:35%。2.何とも思わない:61%。3.関わりたくない:03%。4.最悪:01%。

・人種差別をどう思うか。

 1.すぐにでも無くすべき:57%。2.徐々に無くすべき:13%。3.何とも思わない:19%。4.差別するのは仕方ない:11%。


 うん。あまりよろしくない結果だなぁ。ちなみに人間については、リーベ王国にもエルフやハーフエルフ等の種族がいるからね。この様な結果になったのだろう。


「……あー。ちなみに『騙された』については『この場合は、悪い意味』と注釈をつけているわ」


「エテルノのお蔭もあって、少なくとも王都では殆どそういう人がいなくなったと思っていたのだけど……ごめんなさい」


「アリエットちゃんが謝る様な事ではないよ!お父さんはこの結果をどう見る?」


「はぁ……この感情は失望というのだろうか。非常に残念に思う。多くの国民は好意的な回答をしている。しかしながら、そうでない回答をしている国民が決して少なくない。その事が非常に残念だ」


「お父さん、40%の国民は次期国王がハーフエルフである事を快く思っていません。現段階で僕は国王になるべきではないでしょう」


「う~む。どうしたものかなぁ。獣人についての回答も酷いものだ」


「とりあえず、イブさん、次の発表をお願い」


「ハミルトンさん、分かったわ。次はティア王国ね」


 イブの報告を全て聞いてリーベ王国以外の結果をまとめると、3つ目の質問までは「普通」、「何とも思わない」との回答が殆どだった。

 まぁ、他国の次期国王の婚約や人種はこう言っては何だけど、どうでも良いのだろう。

 問題はそれ以降の回答だ。あー。大和王国に関しては、本体とトラバント地方で分けてもらった。元は別の国だからね。


 まず、大和王国の本体とグラウベ聖国は、人種差別がほぼないというのが分かった。

 大和王国は人種差別を法律で禁止している。建国当初からね。だからだと思う。差別する様な人は来なかったのだろう。

 グラウベ聖国は信心深い人が多い国だ。だからだと思う。


 次にリア王国やトラバント地方含め、世界各国の結果をまとめると、ある事が分かった。

 1つ目として、他の大陸の種族は「なんとも思わない」という回答が多いという事。あまり見かけたりしないからだろう。

 う~ん。「分からない」というのが殆どなのかなぁと思う。


 2つ目として人種差別は世界各国とトラバント地方であるというのが分かった。

 ヒンメル王国は「ハーフエルフ差別禁止法」や、そもそもハーフエルフ差別派は事件を起こし、多数お亡くなりになったからだろう。ハーフエルフ差別は殆どないと言えるまでに改善されていた。しかし、人間や獣人を差別する人が多数いた。

 ティア王国も同じ。エルフやハーフエルフ、人間を差別する人が多数だった。

 オーエス大陸に関してはドワーフの国は人間を、その他の国と地域はドワーフを差別していた。


 3つ目、エテルノは全ての国と地域で受け入れられていた。役所や警察官等で身近な存在だからかな?何でだろ?

 エテルノ条約の影響もあるのかな?う~ん。不思議だ。


「こ、光一お兄さん、怒っている……?」


「うん。リーベ王国だけの問題では無く、国際問題だと発覚したからね。この世界の愚か者に、面倒な仕事を増やしやがってと怒っているよ」


「仕事というと……光一、何かするの?」


「うん。ブリタニア。その通り。まずはイブ、このアンケート結果を世界各国の首脳に見せてもらいたい。そして、人種差別撤廃条約を締結してもらいたい。一瞬、国連総会を開こうかな?と思ったけどね。こんなくだらない事の為に世界各国の王族を呼んで、時間を無駄にしたくない。条約の内容は当たり前の事だけで良い。委員会の設置とか不要。国や治安維持組織が人種差別をしている訳でもないし、国家間で問題になっている訳でもないから」


「了解よ。特命全権大使が法務省職員と一緒に行き、詳細は実務者協議とさせてもらうわね。基本的にはエテルノ条約と似たようなものになると思うけど」


「ありがとう。こんなくだらないものは、国際条約にする程でないのだと思う。しかしながら人種差別が存在するから致し方ない」


「そうね。これは難しい問題だわ」


「光一お兄さん、『まずは』という事は他にも何かあるの?」


「言ったでしょ?『人種差別に関しては僕も到底、容認出来ないので協力するから』とね。そして『これは国王としてではなく神としての仕事かなぁ~』とね。無駄かもしれないけど、演説してくるよ」


「光一お兄さん、謝罪したい気分だけど……それは光一お兄さんは望まないと思う。だから感謝の言葉を伝えるよ。ありがとう。そしてよろしくね」


「おー!ハミルトンくん、分かっているねぇ~。感謝の言葉は嬉しいけど、謝罪されても嬉しくも何ともないからね。うん。面倒で嫌だけど、頑張ってくるよ。……イブ、パーティー会場の運営や城案内、学校の授業に影響が出ると思う。迷惑をかけるけどフォローをよろしくね。寝ている人や6歳未満の子どもは対象外にした全体チャット魔法を使うよ」


「了解よ。場所はどこでする?」


「そうだねぇ……神々も気になるだろうからなぁ。それに動画の撮影もしておきたい。背景もカッコいいのが良いけど……地上に記者会見室ないんだよなぁ」


「それなら学園都市のクロマキー撮影スタジオを使うと良いわ」


「黒巻……?な、なんて?」


「クロマキー合成。グリーンバックで撮影して合成するアレよ。背景を記者会見室に合成するわ。台は私が持っているから大丈夫」


「あー!アレね。へーそんなのもあるんだ。流石は学園都市。台も持っているのね。流石は国王補佐官」


「他国の首脳と共同発表するかもしれないからね。一応、持っているのよ」


「そんじゃ行きますか?」


(バンッ)


「待った~!」


 生命神さんが来た。え?何?もしかして邪魔されるの?

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