814 恋するハミルトン
1年10月12日
「皆、自己紹介ありがとう。アリエットさん、ベラさん、ヘスタリーさんだな。うむ。覚えた!」
「あらあら?あなた本当かしら?」
「エイリーンよ。私はそこまでボケてはおらんよ」
「ふふふ、そういう事ではないのだけど、まぁ覚えたのなら良いわ。私からも皆、よろしくね」
「「「はい!よろしくお願い致します!」」」
「あら?皆、元気ね」
「それじゃ採用された皆、9時までには城に来てもらって、仕事が終わるのが17時頃。13時から14時まで昼休憩で問題ないかしら?」
「「「はい!問題ありません!」」」
「良かったわ。それじゃ今、画面に休みの案を表示するわね」
おっ!画面に表示された。縦に上から下へ1から15までの数字が書かれていて横が曜日だね。上から休みを一日ずつずらしている。
前回、見たのとほぼ同じだね。
「この13、14、15が皆ね?何曜日が休みが良いかを仲間と相談してね。そう。今日、採用された人達は皆、仲間よ。更に言うと今、既に城の案内をしている先輩も仲間。先輩は1期生。3人は2期生ね。助け合って行きましょうね?」
皆、集まって相談し合っている。うん。良いね~。今回も穏やかな空気感だ。
……おっ?もう決まったのかな?早いね~。
「国王補佐官さん、決まりました!」
「アリエットさん、もう決まったの?」
「はい!皆、特に何曜日が休みが良いとかは無かったので面接した順で上から決めました」
「報告ありがとう。了解よ」
「それで皆の研修期間が終わったら、こんな感じで仕事をしてもらいたいの」
おっ!今度は画面にタイムスケジュール表が出たね。
「6人が城の案内係、4人が準備係ね。何組目が良いかとかについて、先輩は城に来た時に決める事になっているからその様にしてもらえるかしら?」
「「「はい!」」」
「うん。ありがとう。皆、王都のアパートを借りていると聞いたわ。皆、引っ越ししましょう?……あー不安そうな顔をしなくても大丈夫よ。引っ越しにお金はかからないし、家賃も取らないから」
「や、家賃まで良いんですか?」
「アリエットさん、それも給料の内だと思ってもらえれば良いわ」
「「「ありがとうございます!」」」
「光一さん、ナビィさんを呼んでもらえるかしら?」
「了解。ナビィ、来てくれるかな~?」
「……はいはーい!光一さん、呼んだ?」
「うん。呼んだよ」
「何かしら?」
「ナビィさんに、引っ越しを手伝ってもらいたくてね」
「あー!イブさん、了解!任せて!」
「皆、何階が良いとかある?」
皆、思いっきり首を横に振っているね。……頭、取れないか心配になるよ。
「それじゃ面接した順番で上からにするわね。引っ越しするから1人ずつ住所を教えて」
イブはスマホの地図アプリを開いて1人ずつ教えてもらった住所を確認していく。
「では面接した順番に引っ越しするからついてきてね。ナビィさんもお願い」
「了解!」
「アリエットさん、行くわよ。ゲート」
イブとナビィは1人ずつ引っ越し対応をしていく。
3人だからすぐに終わった。でも早いよ。流石はナビィ。
「皆、新しい住所を忘れないでね。バス停が近いから便利だと思うわ」
「「「はい!」」」
「それじゃこれから城の案内する経路を教えたいのだけど……どうしようかしらね?」
「あっ!イブ、D-SystemのType-Aを使ったら?」
「あー。良いわね。研修が楽に出来るわ。光一さん、天界にあるD-Systemセンターを使っても良いかしら?」
「「「天界!?」」」
「あー。良いよー」
「それじゃ皆、行きましょう」
「「「は、はい!」」」
3人が返事をするとイブ達は去って行った。
「ふぅ~落ち着いたな」
「あのぉ。お父様、ご相談があります」
「どうしたハミルトン?」
「アリエットさんと結婚するのは駄目でしょうか?」
「何だそんな事か。私は構わないが珍しいな。確かに可愛らしい子だったが……ハミルトン、どうかしたか?」
「いえ。他の子も魅力的な女性だとは思います。思いますが、結婚したいと思う程ではないんです。……僕も光一お兄さんみたいにはなりたくないので」
「お、おぅ。言ってくれるね~」
「光一お兄さん、面接の度に僕をからかっているお返しです!」
「あー。何も言えねぇ」
「光一お兄さんの事は置いておいて。他の子は申し訳ないけど、結婚したいと思う程ではないんですが、アリエットさんとは何故か結婚したいと思ったんです!可愛いですし、良い子ですし」
置いておかれた。うん。まぁ良いけど。しかし結婚かぁ。ハミルトンくんが、ほぼ一目惚れとは珍しい。
「そ、そうか。エイリーンはどう思う?」
「良いんじゃないかしら?私も良い子だと思うわ。ハミルトンが結婚したいと言うのならお母さん、応援するわ」
「初音ちゃんはどう思うかな?」
「私は面接の時も言ったけど、アレは冗談では無く本心よ。手を出すなら早めにした方が良いと思うわ。……つまり賛成よ。ただし!私が正妻だからね!」
「初音ちゃん。ありがとう!もちろん分かっているよ。初音ちゃん愛してる!」
「ハミルトンくん、私もよ!」
「あー。僕から良いかい?」
「のぞみさんは反対?」
「いやいや、反対はしないよ。ただ、まだ内緒にしておいてほしい。少なくとも明日の面接が終わるまではね。あっ!本人に言うのは構わないよ。というか早めに言う事を僕もオススメする。内緒にしてほしい理由は、明日の面接に影響が出たら困るから。次に早めに言う事をオススメするのは、相手の女性の反応次第で我々の扱いが変わるから」
「扱いが変わると言うと?」
「もしも、相手の女性がハミルトンさんの想いを聞いて、結婚に同意したら婚約という事になると思う。アルバートさん、違うかい?」
「うむ。確かにそうだな。私やエイリーンも認めている話だし、アリエットさんが同意したら婚約だな」
「ハミルトンさん、次期国王の婚約者に城の案内という仕事をさせる訳にはいかないんだ。我々の扱いとしては要人となる。近衛騎士団団長さん、違うかな?」
「まさにその通りです。王子殿下、婚約後は城の案内という仕事をさせるのは非常に危険です。嫉妬等により襲われるかもしれません。仮に発表をしなくてもどこで情報が漏れるか分かりません。婚約後はこの家で過ごしてもらうのが良いかと思われます」
「あー。そうだよね。仮に婚約となったら皆に迷惑をかけるね。ごめんなさい。だけどそれでも僕は結婚したい!」
「ハミルトン、私が言うのも何だが……謝る必要はないと思う。喜ばしい事だ!」
「そうよ。ハミルトン、アルバートの言う通りだわ。王族なのだからある程度、周りに迷惑をかけるのは仕方のない事だわ」
「お父様、お母様、ありがとうございます」
「ハミルトンさん、今、城の案内中だからそれが終わったら呼んで来るね。中断しても良いんだけど……実際の城では無くても中を歩きたいだろうからさ。とは言え婚約となったら1人分、人員を補充しないといけないからさ。早めにお願いしたいんだ」
「そうだね。僕の心の準備もあるからそうしてもらえると助かるよ。それから人員の補充の件はもしもの場合はよろしくね」
「了解だよ。ちなみに僕は断られる事はないと思うよ。つまり、絶対に婚約になると思っている。だから気楽にね」
「のぞみさん、ありがとう」
「ハミルトン、お姉ちゃんも応援しているわ!」
「お姉ちゃんもありがとうございます」
そうして僕達は城の案内が終わるのを待った。
いやぁ、何だか僕まで緊張してきたよ。





