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802 ハミルトンの婚約と譲位を発表

 1年10月7日


 引っ越し対応が終わったようだ。


「皆、新しい住所を忘れないでね。バス停が近いから便利だと思うわ。仮ではあるけど16日が城の案内開始日だからね」


「「「「「はい!」」」」」


「それじゃこれから城の案内する経路を教えたいの。ハミルトンさん、悪いんだけど城の事に詳しいメイドさんを連れて来てもらえるかしら?出来れば案内開始日まで付き合える人が良いわ」


「分かった!連れて来るね~!」


 ハミルトンくんが去ってから約5分後。ハミルトンくんはメイドのヴィアンカさんを連れて来た。


「お待たせしました」


「ハミルトンさん、ありがとう」


「ヴィアンカです。よろしくお願いします」


「「「「「よろしくお願い致します!」」」」」


 おー!元気だねぇ~!


「ヴィアンカさん、国王補佐官のイブよ。よろしくね。それじゃ皆、行きましょう」


 イブがゲートで転移するとヴィアンカさんと案内係は、イブのゲートで去って行った。


「ふぅ~落ち着いたな。宰相、私は報道発表室で撮影をして来ようと思う」


「国王陛下、本当によろしいのですか?」


「うむ、もう決めた事だ。構わない。……宰相、今から言うのも早い話だがハミルトンをよろしく頼む」


「……承知しました」


「お父様……?」


「なーに、ハミルトン。ハミルトンと初音の婚約と3年で譲位する事を発表するだけだ」


「それならお父様、僕も参加します!」


「私もです!」


「そうか……わかった。それじゃ二人ともよろしく頼む」


「「はい!」」


「それじゃ僕がカメラマンをやるよ」


「おー!そうだな。それじゃ頼んだ。世界各国向けに発表してもらいたい」


「オッケー。あっ光一さん達も気になるだろうから、皆の目の前にあるノートパソコンで再生するよ」


「のぞみ、ありがとう。助かるよ」


「光一さん、良いんだよ。それじゃ皆、行こうか」


 のぞみがそう言うとアルバートさん達は去って行った。


 しばらくするとノートパソコンの画面に、のぞみの視点と思われる映像が表示された。

 人間の視野が200度である様に普段は、のぞみも人間と同じ視野だと思うけど、今はカメラモードにしているのかな?それともカメラの様にみえるよう、映像データをリアルタイムで編集してくれているのかな?

 ……等とどうでもいい事を考えているとそろそろ始まるようだ。


『準備は良いかい?……大丈夫そうだね。それじゃ始めるね。5,4,3,2,1……』


 画面から見て真ん中がアルバートさん。その右側が初音ちゃんで、左側がハミルトンくんだね。


『皆、こんにちは。リーベ王国国王のアルバートだ。こういうのは初めてだから正直、緊張しているが、重要な発表なので最後まで聞いてもらえると嬉しく思う。まずは第一王子のハミルトンに関する発表からさせてもらう。この度、ハミルトンは私の隣に立っている初音と婚約している事を発表する。それではハミルトン』


『はい、お父様。皆、初めて僕の事をみる方もいるかな?普段は基本的に敬語なんだけど、今は敢えて立場と後、親しみやすさを感じてもらいたいからこの感じで話させてもらうね。先程、お父様から発表があったように僕は初音ちゃんと婚約した事を正式に発表するよ。初音ちゃんはとても優しくて可愛い女の子なんだ。とっても仲良くさせてもらっているよ。語りだすとキリがないし、あまり長くなっても皆を退屈させちゃうから初音ちゃん、自己紹介と婚約の経緯を説明してもらえるかな?』


『ハミルトン王子殿下、承知しました。私は……』


『初音ちゃん、普段通りで良いよ』


『しかし、ハミルトン王子殿下、まだ結婚していませんし……』


『僕が良いと言っているんだから良いの。初音ちゃんに「王子殿下」と言われるのは寂しいし、婚約したから良いと思うよ』


『ハミルトンくん、分かった。私は最初、ハミルトンくんのメイドとして生み出されたの。そう、私はエテルノ。だけどハミルトンくんは私とマスター契約を解除してお友達になってほしいと言って来た。そんなハミルトンくんに私は一目惚れしたの。そして私は『出来れば結婚してほしいくらい愛している』という感じで告白した。それをハミルトンくんは受け入れてくれた。「僕も君が大好きだよ」と言って。そうして私達は結婚する事を決めたの』


 あーそうだったね。そして僕は『どうして人類なのに子どもが産めないの」と文句を言われた。


『私達エテルノは創造神様に人類として認めていただいた為、ちゃんと子どもが産めるので安心して。ただし、エテルノが子どもを産めるのはエテルノの神であるお父さん……大和王国国王陛下が認めた場合ね。私はお父さんから認めてもらっているから大丈夫。ハミルトンくんと結婚したら元気な赤ちゃんを産むつもりよ。ハミルトンくん、こんな感じで良いかな?』


『うん。大丈夫だよ。最初からエテルノと結婚するつもりで、初音ちゃんを生み出してもらった訳ではないんだ。最初はお友達のつもりだったんだけど、初音ちゃんと出会って会話をしたら好きになっていた。エテルノも人類だから変な風に思わないでほしいなと僕は思う。言うまでもないかもしれないけど、本当に普通の女の子だから。エテルノに限らず人種差別はしないでほしいと僕は思う。僕からは以上だよ』


『うむ。2人ともありがとう。そうだな。どの人種も創造神様が人類として認めておられる。それにも関わらず人種差別をするという事は、創造神様のお考えを否定するのと同じ事だと私は思う。……さて、いつ結婚するかだが約3年後とさせてもらいたい。理由としてはハミルトンはまだ15歳だからだ。結婚するにはまだ早いと私達は考えた』


 うん。早いっす。この世界だから……とは言えせめて17歳だよね。


『結婚式の具体的な日程は未定だが、約3年後に行う事は決定事項だ。もう1つ決めた事がある。ハミルトンと初音の結婚式と同時に私はハミルトンに譲位する。つまり、簡単に言うとハミルトンは結婚後、リーベ王国の国王になるという事だ。私はハミルトンが国王になったら完全に引退する。何故ならハミルトンの邪魔をしたくないからだ。国王としての権限は一切持たない。ただ、名誉的に退位前の称号を使用し続ける事にする。私は退位後もアルバート国王であり、妻はエイリーン王妃だ。これは大和王国国王や国王補佐官とも相談して、大和王国国王の元いた世界を参考にして決めた事だ。単に国王陛下や王妃陛下と呼んだ場合はハミルトンと初音の事になる』


 そうだね。毎回毎回、ハミルトン国王陛下と呼ぶの面倒だもんね。


『さて、話が変わるが昨日、大和王国国王にお願いをして城の前に家を建ててもらった。これはハミルトンと世界各国の次期国王が相談して、家の設計図を決めて提案して来たものだ。聞いた話だとリア王国やグラウベ聖国を除く全ての国が同じ家を建てたみたいだ。今も新しい家で撮影をしているが、今後はこの新しい家で仕事もしようと考えている。理由としては快適であり、この撮影場所もそうだが、仕事をする上での設備も充実しているからだ。その代わり既に発表されていると思うが、城を国民の皆に見てもらおうと思う。定員が少ない事を申し訳無く思うが、快適に見てもらう為だと思ってご理解いただきたい』


 うん。まぁね。5分間隔とかにすればもう少し増やせると思うけど徐々にだね。


『話を戻して私がハミルトンに譲位した後の話をしようと思う。譲位後、私と妻は変わらずに家に住み続け、国から生活費等をもらう事になっている。国は現在、国民の税金以外にも収入を得ており財政に余裕がある事、先程と同じく大和王国国王の元いた世界を参考に決めた事なので、これについてもご理解いただきたく思う』


 アルバートさんはペコリと頭を下げた。


『譲位する理由はハミルトンは私よりも優秀である事。大和王国国王と共に大和王国国王が元いた世界を色々と見たり体験した事。これからの時代の変化に私ではついていけないと思った事。この3つだ。私や妻の体調は今の所、特に問題無く健康な為、その点の心配はないと断言しておく。本当にハミルトンは私よりも優秀だから皆には安心してもらいたい。私達からの発表は以上だ。今後も国民の為に尽力していくので私達、王族をよろしく頼む』


『僕からも特に隣国で大国でもある大和王国と、この世界のご先祖様にあたる世界から来た大和王国国王とも連携して、リーベ王国の為、この世界の為に頑張って行くよ。まだ僕は王子だけど、だからこそ出来る事もあると思うんだ。僕は常に国民目線でお父様がもしも間違った事をしていれば指摘するから!だから僕達、王族への理解と応援をよろしくね!……のぞみさん』


『了解。うん、問題ないよ。お疲れ様。光一さん達、一旦、映像を切るね』


 うん。お疲れ様と僕は心の中でつぶやいた。

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