800 城内見学スタッフの面接
1年10月7日
僕達は商業ギルドに入る。うわぁ沢山の人がいるなぁ。
やはり皆、驚いて「こ、国王陛下!?」等、様々な声が聞こえる。僕はそのまま真っすぐに受付に向かった。
「リーベ王国の王族からの依頼の件で、約束の時間になったから来たよ」
「あっはい!ご案内致します。こちらへお越しください」
「ありがとう。よろしくね」
「はい!」
イブは隣の受付で「ブルーローズテクノロジー社の件で……」と話している。
心の中でイブにお礼を言っておいた。
2階に上がり会議室と書かれた部屋に来ると受付嬢さんがドアを開けた。
「あちらの奥の席にお座りいただき、少々お待ちください」
「うん。案内ありがとう」
「はい、失礼致します!」
少し経つとギルマスと受付嬢が入って来た。
「国王陛下、王妃陛下、王子殿下。わざわざお越しいただき、誠にありがとうございます。私はギルドマスターのマルコラスと申します。よろしくお願い致します」
「私はギルド職員のカリステラと申します。よろしくお願い致します」
「こちらこそよろしくね」
「面接は一人ずつにしますか?それとも複数人にしましょうか?」
「ゆっくり話を聞きたいから一人ずつでお願い」
「承知しました。それではカリステラさんお願いします」
「はい。それでは失礼致します」
カリステラさんは去って行った。
するとすぐにドアがノックされた。はやっ!
「どうぞ」
ギルマスが返事をするとドアが開いて可愛い女の子……大体、18歳から20歳の子が入って来た。
「失礼致します!」
「どうぞとりあえず座って」
「ありがとうございます。失礼致します。……あ、あのっ!皆様にお会いできただけでも大変光栄で緊張しております。何卒よろしくお願い致します!」
『本当です』
おぉ!指輪が本当だって教えてくれた。
「名前と良ければ年齢を教えてくれるかな?」
「クラリーンと申します!18歳です!」
『本当です』
「若いのにしっかりしているね。志望動機と経歴……仕事をしていたとか、学校に行っていたとかあれば教えて」
「は、はい!志望動機はこの国が王族が好きだからです!採用していただいたら忠義を尽くす考えです!経歴は学校シミュレーターで中学校を卒業しました!」
『本当です』
お、おう。忠義を尽くすって初めて聞いたかも。
「これは不利な材料にするつもりはないから正直に答えてほしいんだけど、結婚したいとか、子どもが欲しいとかはないのかな?」
「正直に申します。結婚したいです。子どもも欲しいです。仕事をする中で良い人が見つかれば良いなという思いも正直あります。でもそれは……子どもが欲しい理由はこの国の為です!この国の未来の発展の為です!もっと言えばこの世界の為でもあります!妊娠したり子どもが生まれたら仕事を辞めると思います。ご迷惑をおかけするかもしれませんがお許しください」
『本当です』
「ハミルトンくんと結婚したり子どもが欲しいとか思ったりする?」
「えっ!?チョッ!?光一お兄さん!?」
「先程も申しました通り王族が好きなので、当然、王子殿下も好きです。正直、考える事はありますが恐れ多すぎます。側室になったとしても私ではご迷惑をおかけするだけだと思います。なので大変、恐れ多いです」
『本当です』
「もしもハミルトンくんが誰かと結婚したら。……例えばエテルノと結婚したら嫉妬や失望をしたりするかな?」
「そんな嫉妬や失望だなんてとんでもないです!心の底から祝福致します!」
『本当です』
「クラリーンさんは本当に良い子だね。仕事内容は聞いているかな?お城の案内なんだけど出来そう?」
「お褒めいただきありがとうございます!はい。仕事内容は存じております。大変光栄なお仕事だと思います!お城も大好きなので覚える自信があります!ただ、お客様をドン引きさせないように気を付けようと思っているところです。少しでもお城の魅力を分かっていただきお客様に楽しんでいただく。そんな風に仕事をしたいなと心の底から思っています」
『本当です』
「そっか。良い考えだと僕は思う。面接は以上にしようと思うけど、面接官の中に質問がある人はいるかな?……大丈夫そうだね。それじゃクラリーンさんは質問があったりする?」
「は、はい!一点だけ確認させてください。お休みの日はありますか?」
「ハミルトンくん、どう?」
「うん。週2日は休みの日にするようにお父様と話して、問題ないと言ってもらえたから、休みの日はちゃんとあるよ」
「お答えいただきありがとうございます!言うべきじゃないかもしれませんが、不採用になっても落ち込みはしますが、恨んだり失望したりなんてしません!仮に不採用になったら私の能力不足だと考えます!ですが、採用される事を願っています。よろしくお願い致します」
「うん。ありがとうね。それじゃ面接お疲れ様。結果を聞くまで落ち着かないかもしれないけど、結果は後で伝えるね」
「はい!こちらこそありがとうございました!失礼致します!」
クラリーンさんはドアまで歩いて行き、再度振り返ると「失礼致します」と言って部屋から去って行った。
「ハミルトンくん、どうだった?」
「光一お兄さん!僕と結婚や子どもが欲しいかとか聞く必要あった?」
「そりゃあるよ。ハミルトンくんが、もし手を出しても問題ないか確認しないと」
「うっ……それは…手を出さないと思う……多分」
「初音ちゃんはどう思う?」
「ハミルトンくん、私が正妻なら別に良いのよ?」
「うぅ……初音ちゃんまで」
「良いじゃない、ハミルトン。良い子だし結婚してあげたら?」
「お姉ちゃんまで……良いんです!その話は!僕は採用で良いと思うけど、光一お兄さんはどう思う」
「うん。嘘をついていなかったし採用で良いんじゃないかな?」
「それじゃマルコラスさん。採用でお願い」
「ありがとうございます!私も元はこれでも商人なので採用の話以外は何も聞いていません。お客様の個人情報を守るのが商人ですから」
「はぁ……ありがとう」
「はて?何の事ですかな?」
「それじゃ次の方をお願い」
「王子殿下、分かりました」
そうして順番に面接して行った。
いやぁ皆、国と王室を愛していますなぁ。特に問題児はいなかったので全員採用になった。12人だ。
流石は商業ギルド。お客である僕達の要望通りの人選だ。
イブに人数の過不足を聞いた所、12人なら想定の範囲内だから問題ないそうだ。十分に黒字でやっていけるみたいだ。
ギルドマスターも全員採用に喜んでいた。
僕達は12人を連れて家と城の門の目の前の道路に転移魔法で移動した。
12人は城に入ろうとしたから「こっちだよ~」と家の方を指差したら驚いた。
まぁ城で仕事をすると思って来ただろうから驚くよね。あっ家の事についてはまだ発表していないんだっけ?だからかな?
家の交番を通ると騎士団員さんに驚かれた。ハミルトンくんは当然の事ながら僕達、12人以外は顔を覚えてもらっているから、事情を説明して通してもらった。
イブの案内で会議室に入ったらアルバートさん達、いつものメンバーが揃っていた。
……会議室もデカイから全員、余裕で座れたよ。
12人は順番にアルバートさん達に自己紹介して行ったけど……覚えられるかな?
僕…?僕は多分、世界管理システムに記憶が保存されるお蔭だと思うけど覚えられたよ。





