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793 家を建てたい理由を説明するハミルトン

 1年10月5日


「宰相、どう思う?」


「よろしいのではないでしょうか?私は特にデメリットは無くメリットしかないと思います」


「ふむ……そうか」


「私は国王補佐官に国王権限を与えても問題ないと考えます。その上で提案させてください。この際に大和王国さんのこの条文を真似させていただいたらどうでしょうか?また別途、『国王は全てにおいて勝る』という条文も真似させていただくのがよろしいかと。国王が罠にはめられて逮捕、起訴される事が二度とないようにです」


「しかし、宰相。国王が罪を犯す場合もあると思う。その場合は罪に問われるべきだと考える」


「いえ、私は国王陛下や王子殿下が罪を犯すとは思えません。王子殿下の次の国王は光一国王陛下とブリタニア王妃陛下の子孫であり、天使が付くと伺っています。罪を犯す事はないでしょう。万が一、罪を犯したとしてもその場合は国民が解任を求めるのではないでしょうか?そして光一国王陛下が適切に対処なされると考えます」


「まぁ、そうだな。私は引退が近いし宰相の言う通りだな。分かった。その様にしよう」


「ありがとうございます。実は私も国王陛下に王子殿下の様に専属のエテルノを付けるべきだと考えていたところです」


「ほぅ。理由を聞かせてほしい」


「はい。各省の現場にエテルノを配備しました。不正防止等の為ですね。しかし、万が一何かあった際に光一国王陛下に情報が伝わり、我々は大和王国経由で知る事になります。エテルノの大臣経由だとしても我々が気付くのが遅くなります。これは問題だと思いました。私はエテルノで考えていましたが、王子殿下の案の方が指揮命令系統が構築され良いと存じます」


「ふむ、確かにな。国王補佐官を任命すれば早期に気付き適切に対処出来るな」


「また、別の懸念もありました。エテルノではない大臣が意図的に、または無意識に適切に報告して来ない事です。赤字である事を隠したり、報告漏れがあったりですね。それから元防衛大臣が国王に無断でスパイ行為等をした前例もあります。予算を多めに要求する可能性もあります。大臣の報告と現場のエテルノからの報告の両方を照らし合わせて問題ない事を確認したいと考えました」


「それも確かにそうだ。現場と大臣の認識にズレが生じる可能性もあるな」


「はい。それもありますね」


「うむ、分かった。宰相ありがとう。ハミルトン、今すぐ国王にならないか?」


「お父様、僕はまだ15歳です。少なくとも後3年は頑張ってください」


「よし!3年だな。結婚式と戴冠式たいかんしきを同時に行うとしよう!異論は認めん!」


「わ、分かりました。ですがお父様、何故そこまで急ぐんですか?」


「これから時代は大きく変わるだろう。私はそれに付いていけるとは思えん。それに優秀なハミルトンの方が私より国王に向いていると思うからだ」


「そうですか……。ありがとうございます。そう言っていただき嬉しく思います。頑張ります」


「うむ。それで家について教えてほしい。まずは何故、城では駄目なのか教えてほしいな」


「はい。城には歴史的価値があります。ですのでこれ以上の改築は出来ないと思います。これ以上の改築という意味ですと城では駄目ですが、いや、家は不要だ。今の城で十分に快適だという結論に至ったら構わないと思います。僕は時代の変化に対応し住みやすい家をつくったらどうかなと思ったんです」


「確か国連で『私達から提案』と言っていたが……何故、皆がそう思ったのかな?」


「はい。まず光一さんの家が快適だったのもありますが、一番の理由は光一お兄さんの働き方です。光一お兄さんは城をつくりましたが、城では働いてはいません。ではどこで働いているかと言うとマンションの自分の部屋かマンションの1階にあるレストランです。光一お兄さんが城で仕事をしない理由は2つです。1つ目は天界に住んでおり、天界なら情報が漏れる心配がない事。2つ目は家でくつろぎながら働きたいからです」


「くつろぎながら働く…か」


「はい。光一お兄さんの考えとしては『働きやすい環境で仕事をするのが一番』です。家だと集中出来ない人は職場で働けば良いですし、光一お兄さんみたいに家でもくつろぎながら働ける人は家でも良いという考えですね。別に職場と家を分けても良いんです。僕達の場合は家から城に通うカタチですね」


「ふむ……仮に完全に家で働く様になり、城を使わなくなったらどうする?」


「建物は使わなくなると駄目になってしまいます。維持するのにお金もかかります。そこで国民に来てもらい城内を案内してお金をいただく案を考えました。大和王国で似たような事を行っているので参考にさせてもらうのが良いかと思います」


「なるほど。家の設計図を見せてもらえるかな?」


「はい。少々お待ちください」


 おっ!タブレット端末に設計図が表示されたね。


「今、表示しました。家については何度でも無料で改築していただけるので、使っていて不便だと感じたら光一お兄さんにお願いすれば大丈夫です。何しろ僕達、素人が考えた設計図ですからね。それでは説明していきますね。……」


 ハミルトンくんは昨日、僕達に説明してくれたのとほぼ同じ説明をしていく。

 昨日、話し合った事も含めている為、話がスムーズに進んで行く。

 そしてハミルトンくんの説明は終わった。


「宰相はどう思った?」


「私は家は不要だ…とは思いませんでした。これがまさにこれからの時代なのかもしれません。特に地下1階の設計を見てそう感じました。確かに緊急対応室の平時の仕事は不要なものだと思いがちですが、王子殿下の言うように重要な仕事だと思いました。報道発表室も国王陛下から国民に何かを伝える際に、あった方が良いと感じました。ムダもあるかもしれませんが、そこは実際に家を使用してみてからでも良いと思います」


「近衛騎士団長としてヴェスターはどう思う?」


「緊急対応室については宰相と同じ考えです。警備がより強化出来ると思います。ただ、門番についてはご配慮いただきありがたいのですが、例え雨の日でも誰かは門にいるべきです。警備の面ではすぐに動ける人員ですし、来客対応等の役割もありますから」


「それなら門に交番の様な建物を建てたらどうかしら?渋谷警察署広尾五丁目交番の様にガラスで見通しが良い設計にすればどう?ハミルトンさん、チョット失礼するわね。……こんな感じの建物なんだけど」


「これなら良いかもしれません。この建物の中から警戒監視させます」


「よし!ハミルトン、家を建ててみよう」


「お父様ありがとうございます!」


 おぉ!無事に両方の案が採用になって良かった。

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