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77 時間の概念があるようで無い世界

 1年6月3日


「それじゃちょっとグラウベ聖国に行って結婚式の件、話してくる……あ、ちょっと待ってナビィ」


「はい?」


「トラバント地方なんだが、心配だから偵察用ドローンの数を増やして警戒を厳とするように……もし不穏な動きがあったらアクアオーラちゃん経由で知らせるようにしてほしい」


「エイド~」


「はい!」


「役所とマンションの防犯性能を知りたい」


「役所とマンションは共に強盗対策として全てのドアや窓に防犯用シャッターを設置しております。入り口に軍事用タレットでも設置しようかなと思いましたが自重しました」


「分かった。それなら良い」


「何か心配事ですか?」


「杞憂なら良いんだが念の為な」


「マスター、ナビィからも報告です。北の制圧作戦が完了し現在、拠点に帰ってきたとの事です」


「分かった。それなら先に国内向けに連絡しておこう」


 空間投影と全体チャットをイメージしてエリアを限定して……


「大和王国の国民の皆さん、国王です。少しお騒がせしますがご報告です。我が国の北の制圧作戦が無事完了したとの報告を受けました。今後は北を開拓し農業などを進めて行けたらと思っております。それから制圧作戦に参加した諸君よくやった!しばらくは休んでいてもらえればと思う。以上だ」


「アクアオーラちゃん、ちょっと良いかな?」


「アイオライトに『帰ってきて早々、悪いんだけど少し懸念事項があり今晩は20万人体制でいつでも出陣出来る体制で居て欲しい』と伝えてもらえるかな?」


「分かりました」


「それとブリタニア良いかな?」


「なに?」


「この世界ってカレンダーってある?」


「カレンダーってなに?」


「1日は24時間で1週間は6日、1ヶ月は5週間で30日、1年は12ヶ月で360日だよね」


「そうよ」


「今日が何月何日かってどうやって判断しているの?」


「……意識したことが無かったわ」


「じゃぁ今更だけど『1ヶ月後に結婚式』ってどうやって分かるの?」


「それは30日後だから毎日カウントダウンしていく?」


「ちなみに今年は何年ってあるの?」


「特にないわね」


「えぇ……不便じゃない?」


「特に意識したことが無かったわ」


「コウイチの元いた国はどうなのよ?」


「僕のいた国は2種類だね。何年何月何日だけど……『西暦』というある年を始点にして、経過年と遡及年を数える無限の年の数え方と、『和暦』という僕の国の君主の即位毎に何年というのがリセットされる数え方」


「へー」


「だから例えば結婚日も何年何月何日に結婚したと分かりやすい。そうじゃないと何年前のこの季節に結婚したというアバウトな情報しか残らないじゃない?」


「そ、そうね」


「ナビィ?」


「はいですぅ」


「エテルノ達、特にマザーコンピューターやサーバーの年月日ってどうしているの?


「………」


「エイド~今の会話聞いていた?」


「はい、聞いていましたよ?」


「マズくない?地球のコンピュータは2000年問題とか閏年とか問題になるのに」


「……無くても動いているので良いんじゃないですかね(遠い目)」


「だからこの世界、文明レベルが長年止まっていたんじゃないかと思うんだけど」


「その可能性もありますね」


「ちなみに年末…つまり12ヶ月が終わったってどうやって分かるの?」


「それは教会が今月は何月目だって数えていって年末になったら鐘を鳴らすのよ?年末って大体冬じゃない?」


「……年末が冬かどうかは地域によるんだよなぁ。大丈夫かな?この世界」


「だから僕のスマホ何月何日かしか表示されないんだ……」


「ブリタニアさん。1つ聞いて良いですか?」


「な、なによ?」


「時計ってあります?」


「時計?……なにそれ?おいしいの?」


「ダメだこの世界」


「……分かった。リア王国に行ってくる」


「いってらっしゃい」


 僕はゲートを開いて1人でリア王国の王城の前まで来た。

 衛兵さんに声をかける


「すみません。大和王国国王なんですが、リア女王は都合どうでしょうか?」


「か、確認して参ります。少々お待ちください」


 体感5分で戻ってきた。早いね。


「お会いになるそうです。ご案内致します」


 頼む。オーエス大陸には時計があってくれ。


「この会議室で座ってお待ちください」


 案内された椅子に座る。座ったらすぐ来たよ。はやっ!


「お久しぶりです……2人キリなので敬語やめませんか?」


「うん、そうしよう。僕もかたいのは苦手だ。久しぶりだね。迷惑かけてしまったね」


「いや、天界の用事が終わって良かったわ」


「うん、ありがとう。エテルノはどうかな?」


「すっごく助かっている!私がいなくても良いくらい」


 まぁいなくなっても大丈夫なように派遣したんだしそうだよね。


「ところでさ。大砲って知っている?」


「知っているに決まっているでしょ?」


「なら時計は知っているよね?」


「なにそれ?」


「いつもどうやって生活しているの?」


「そりゃ日が明けたら起きて日が暮れたら寝るでしょ?」


「ちなみに何年の何月何日か分かる?」


「分からないわ」


 聖女様との結婚式の数日後に結婚式をしようと話そうと思ったけどこれはダメだな。


「そうか今日は挨拶に来ただけだからそろそろ帰るわ」


「分かった。結婚式の日程が決まったらまた教えて。早めにね」


「うん、分かった。それじゃまた」


 ゲートを開いて城に帰った。


 やっぱりこの世界、ダメだ。

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