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783 初代大統領が国会で演説

 地球:202X年11月2日

 火星:1年5月24日


 今日、ぼたんは国会で演説をした。

 アメリカの教書演説みたいなものだと思ってもらえれば良いかな?


 まず、日本の現状について大統領としての見解を述べた。

 例えば日本の現状として人口が深刻な状況である事。それに対する自分の政策を引き続き行っていく事を語った。


 次に自分及び大和王国のスタッフは無給で良いと語った。すると野次が飛びまくった。……まぁ最早アレは暴言だけどね。

 憲法の規定ではアメリカの教書演説を参考に「大統領の演説中は野次やブーイング等を行ってはならない」としており憲法違反。

 ……拍手はオッケーだけどね。あっ!アメリカが大統領の演説中に野次やブーイング等を行わないのは文化的なもので、法に明記されていないと僕は思う。日本はそういう文化にないから演説がスムーズに進むように敢えて憲法に入れたみたい。


 ついでにアメリカは一般教書演説の際に議会に主要メンバーが集まる為、議会に対する核攻撃、テロ、事故等で出席者の多くが職務執行不能になった場合、大統領職を継承できる人物がいなくなり、政府の活動が不可能になる可能性を考慮している。

 その緊急事態対策計画の一つとして「指定生存者」というものがある。

 立法府を維持する為の両院の議員各党1人ずつと、行政府を維持するための閣僚1人以上が欠席し、会場から離れた非公開の安全な場所に待機することになっている。

 ……日本もテロ等以外に災害の恐れがある為、この制度を真似した。

 首都直下型地震の恐れとかあるでしょ?それに最近、治安が悪いし。イラス連邦の事件とかね。


 少し話が脱線したね。話を戻して野次に反応してイブが立ち上がった。


「静まれぇ!……はい。黙ってくれてありがとう。はい。今、野次というか最早、暴言を飛ばしたそこの中村議員、山口議員、中山議員、長谷川議員、山本議員、後藤議員、岩田議員。憲法にある『大統領の演説中は野次やブーイング等を行ってはならない』との規定に明確に違反したな。この条文はアメリカ議会を真似して入れた訳だが、国会議員たるもの憲法を知らないでは済まされない」


「……」


「これは『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。』に違反するものでもある。まずは副大統領としてこれを指摘させてもらう。これは生放送、生配信されており、国民の皆様も観ていらっしゃると思うんだけど、国会議員による憲法違反をどうご覧になったでしょう?」


「……」


「さて憲法に『両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の過半数による議決を必要とする。』と規定されている。憲法違反かつ院内の秩序をみだしたと考える。国民の皆様。憲法違反をする国会議員は不要だと思われないでしょうか?証拠なら配信のアーカイブをみれば明らかだから無駄な抵抗はしない事をオススメする」


「イブ……」


「大統領、もう少しだけ話させていただきたい。補足すると藤咲大統領の場合は、公の場で侮辱をすると地獄行きになるのでご注意いただきたい。『消えた内閣』や『消えた国会議員』をお忘れか?大統領をサポートする副大統領としての発言は以上。大統領プランBです」


「イブ、ありがとう。さて先程、『大和王国側からお金をもらっているんだろ!』とのご指摘もありましたが違います。そりゃ私は大和王国国王と結婚しているので、食事やチョットした買い物、遊びに出かけたりとかはしていますが、大金をもらったりしていませんし、もらう気もありません。うちの家庭は別に不必要に贅沢していませんよ。大金をもらって国債残高をゼロにしたのは日本政府じゃないですか?大和王国が日本を乗っ取るのなら今までにいくらでもチャンスがありましたよ。私も公私混同をするつもりはありません」


 ぼたんは深いため息をついた。


「大和王国のスタッフは何故、全員が女性だと思いますか?毎回、大和王国国王と言うのは面倒なので以降は夫と言いますね。それは夫が生み出した新しい種族であるエテルノだからです。夫の方針により男性のエテルノはいません。それではエテルノとは何かと言うと、簡単に言うとヒューマノイド。ロボットです」


 場がザワザワしだした。


「静粛にお願いします!……ありがとう。人工知能と同じで彼女達には自我があります。だから新しい種族として神々に認められているんです。夫の代わりに軍事大国に言っておきます!以前、言った通り人工知能は解析出来ないように対策されています。それにハッキリ言って彼女達レベルの身体を生み出すのは、この世界の技術力では不可能です。大和王国に喧嘩を売るより友好関係を築いた方が得策ですよ」


 ぼたんの言葉により再度、ザワザワしだした。


「お静かに!エテルノは自我がありますがエテルノはエテルノであり、人間ではありません。なので欲求もあまりないのです。彼女達はお金をもらっても困るんです。使い道がないと。だから無給で良いんです。では何故、私は殆どの大臣を人間ではなく、エテルノにしたかと言うと政治家を信用していないからです!国民の皆様も同じでしょう。政治と金の問題とかもう懲り懲りなんですよ。先程、憲法違反をした国会議員の様な人間が現実問題として存在する。だから私は信用できる人間と仕事に忠実で絶対に裏切らないエテルノを任命したんです!」


 まーたザワザワしだした。


「もう!静かにして!エテルノは私の要望でもあるけど、大和王国側の要望でもある。同盟の条件がそうなっているでしょ?『消えた内閣』と『消えた多数の国会議員』により、大和王国側も日本の政治家は信用出来ないと判断した。国民の皆様に断言します。エテルノは絶対に裏切らないと。皆様のご家庭にいる人工知能もそうではないでしょうか?エテルノが裏切らない理由は人工知能の時に答えたのと同じです。裏切るメリットよりデメリットの方が大きいんです。詳しくは後程、政府公式サイトをご覧ください。イブ、よろしく」


「大統領、任せてください」


「人口が危機的状況ならエテルノで補えば良いのでは?と思われる方もいるでしょう。でもそれでは駄目なんです。夫の方針です。それはあくまでも一時的なものであり、人間の仕事を奪いたくない。エテルノを使い捨てにしたり、奴隷の様に扱うのも許容出来ない。エテルノは他の人類をサポートする存在として共存を図っていきたいというのが夫の方針です。人格権を否定したり差別も駄目です!エテルノは夫が認めればですが、子どもを生む事も出来ますからね。何故、夫が認めればなのかと言うと生みの親であり、エテルノの神という立場にあるからです」


 そう。僕は人類とエテルノが共存する社会を目指している。代弁してくれてありがたい。


「しかしながら我が国は非常に厳しい状況にあるのも事実です。人工知能により業務の効率化等を考える必要もあります。例えばです。夫の国では人工知能が電車の運行や車の運転をしています。信号機等の交通整理も人工知能により最適化出来るのではないでしょうか?役所の手続きは徐々に進めていますが、銀行の業務についても効率化する余地があると思います」


 あー良いね。インターネットはイブが管理している。それと同様に電気水道ガス等のインフラも管理して効率化したいね。


「人工知能とエテルノは何が違うのか?と思われる事でしょう。殆ど同じです。違いは簡単に言うと身体があるかどうかです。そこら辺の違いも政府公式サイトで分かりやすく載せますね。さて、ここにいる副大統領であるイブは特殊です。身体はありますがエテルノではありません。本体はデータセンターにある超高性能なコンピュータで動いています。どれだけ高性能かと言うと、大和王国以外の国にあるスーパーコンピューターを圧倒する性能のコンピュータを複数使っています。イブ、そうよね?」


「大統領、その通りです」


「D-Systemはこの世界のスーパーコンピューターでは性能が足りなくて動かせません。だけど、イブがいるコンピューター達はどれだけ多くの人がD-Systemを利用しても余裕な程のスペックです。異世界では至る所に設置された防犯カメラや鉄道の運行、無人タクシー、銀行のシステムを運用管理しています。それだけの仕事をしてもまだまだ余裕があるんです。日本のインターネットも運用管理していますね。イブはエテルノの身体を借りているだけです。本体はデータセンターのコンピューターの中にあります。彼女にとってマルチタスクは超余裕です。サイバー攻撃は考えない方が良いと思いますよ。この世界のスパコンを上回る性能のパソコンを用意出来る訳がないですからね。DDoS攻撃ですか?これも無駄ですね。副大統領としてこれ程、頼もしい存在は他にいないでしょう。……そういう訳で私と副大統領と大和王国のスタッフは無給で良いです。そのお金で子育て支援をしてください」


 ぼたんはペコリと頭を下げた。


「繰り返しになりますが、現在、日本は危機的状況にあります。国民の皆様が以前と同じ生活を送れているのは日本ブルーローズテクノロジー社の支援によるものです。つまり大和王国によるものです。夫の出身は日本とは言え国王です。ある程度の甘えは許容してくれますが、度が過ぎたものや明確な敵対行為等は許容しません。簡単に撤退するとハッキリ言っておきます。そうなると物流は止まります。経済活動も止まってしまいます。私も夫もこれは不健全な関係だと考えています。ですから人口増加政策へのご協力をお願いしているのです。国民及び与野党の皆様にはご協力をお願い致します。私たちの責務は、国民を尊重し、国民の声に耳を傾け、国民を守り、常に国民に奉仕することです。私のこの考えは変わる事はありません。日本国民の皆様。私は頑張りますので改めて応援の程、よろしくお願い致します」


 ぼたんは今度は深く頭を下げた。


「日本政府の考え、方針、その他の様々な事はSNSや公式サイトで発表していきます。発表内容はテレビや新聞等でも取り上げてもらえると嬉しいです。以上です。ありがとうございました」


 ぼたんは再度、深々と頭を下げると与党は全員が拍手。頭を上げると閣僚と共に議会から去って行った。

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