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782 大統領と参議院議員選挙の投開票日

 地球:202X年10月31日

 火星:1年5月22日


 今日は大統領選挙と参議院議員選挙の日だ。

 そして今は開票速報をみている。


 あっそうそう。ハロライブの全体ライブはD-Systemで何度も観たよ。

 いやぁやっぱり良いわ。最高だったね。

 ぼたんは自分が出演する部分は目と耳を塞いだと言っていたけど、それでも何度も観ていたね。



「光一お兄さん、質問しても良いかな?」


「うん?なんだろう?」


「どうしてアメリカみたいに各省のトップを長官ではなく、日本は大臣のままにしたのかな?」


「あーそれね。国務大臣は皇居で天皇による任命を経て大臣になる。だけど例えば天皇の任命や認証を受けない警察庁のトップや水産庁トップ等は長官と呼ばれる。警察庁長官とか水産庁長官とね。そこら辺は基本的に憲法改正前と変わらないから区別する為に変えなかった」


「なるほど」


「僕達の国も各省のトップは大臣でしょ?地球だとイギリスとかカナダもそうかな?つまり、天皇や王のいる国は各省のトップを大臣と呼ぶのが日本語的には正しいのかなって思う。カナダも未だに女王がいるからね。アメリカは王が存在しないから長官なんじゃないかな?……まぁそこら辺の専門家ではないから多分だけどね」


「あーそういう事!確かに僕達の国も大臣だね!」


「そそ。多分ではあるけど納得してもらえたかな?」


「うん!ありがとう!スッキリしたよ!」


「そっか。それでイブ、今回の予想はどうなの?」


「まず、大統領選挙は余裕でぼたんさんが圧勝するわね。候補者は12人いるけど、殆どは勝つ気ないからね。ほら都知事選で多数の候補者が出るのと同じよ。肝心の与野党は参議院議員選挙で忙しくて余裕がないといった感じね」


「そっか。参議院議員選挙はどうなりそう?ねじれは面倒だけど」


「あーナイナイ。ぼたんさんの人気もあって与党が過半数を取ると思われるわ。フッフフフフ……青薔薇テレビのニュース番組で、ハロライブの全体ライブにぼたんさんが登場して、歌って踊ったと報道したからね~。もう大人気よ。チケットも更に売れて嬉しいわ」


「あーだから、ここの所、不機嫌だったんだ」


「そう。フフフ……街頭演説で沢山の人から『歌って~』と言われて『私は街頭演説をしているの!私の歌や踊りをみたければチケットを買えば何度でもみられるわ!』と答えるやり取りを何度もしていたからね~」


「お疲れ様です」


「私に言われても困るわよ。……ほら、開票が始まったわ」


「いつも思うんだけど開票0パーセントで当確っておかしくない?」


「そこはほら。出口調査やその他の様々な取材で得た情報から分析して出しているのよ」


「まぁ、ぼたんが当確って出て嬉しいけど、もう少しドキドキしたかったなぁ」


「そのドキドキ感は参議院議員選挙で味わって頂戴」


「……ん?副大統領はイブって書いてあった気がするけど気のせいかな?」


「気のせいではないわ。アメリカのように、大統領と副大統領がペアになった候補を単一投票で選出する……いわゆる『チケット方式』による選挙になっているのよ」


「そうなの?」


「まず、ぼたんさんの場合はよっぽどの事が無ければ職務遂行不能に陥る事はない。だけど、憲法的には万が一を想定して『大統領を欠いた場合は副大統領が自動的に大統領に昇格し、残存の任期が満了するまでこれを務めあげる』という風になっているの」


「なるほど?」


「チケット方式による選挙で選出された副大統領は、大統領と同等の得票で選出されたと言える。従って万が一の場合は、大統領の権限の全てが副大統領に継承される根拠にもなる。ここまでは良いかしら?」


「うん。大丈夫」


「次に『消えた内閣』対策よ。大統領の継承順位3位までを憲法に明記した。それ以降は大統領が予め国務大臣から指定するとした。2位は衆議院議長、3位は参議院議長になっているわ。ただし、大統領も副大統領も執務不能となった場合については、法律で定める権限を付与するとしており、大統領の権限の全てが自動的に継承される訳ではないの。まぁ法律次第だけどね」


「そっか。そこまで改正案を把握していなかった」


「仕方ないわ。改正内容を全て把握するという事は、憲法を全て把握するのに等しいレベルで改正したからね」


「まぁ確かに。それは分かる」


「さて大統領に何かあり副大統領が大統領になった場合、あるいは副大統領に何かあった場合、副大統領の職が空く。その場合は大統領によって後任が指名されて、かつ、衆議院で過半数の賛成を得る事としたわ。副大統領は自動的に大統領の全権限を継承するからね。大統領の指名だけでは根拠が薄いと判断したの。継承した大統領の任期は引き継ぐ形にしているわ。あーそれから一時的な職務遂行不能についても規定している」


「理解したけど……イブ、副大統領になって大丈夫?」


「平気よ。憲法に『大統領、副大統領、国務大臣、その他の行政府のスタッフは、日本国籍あるいは姉妹国である大和王国の者とする』と明記したし。それにもし人工知能だってバレた場合は公表しても問題ないと思っているわ」


「まぁ核戦争の可能性は無くなったからね。とは言え第二次東西冷戦状態にある訳だけど」


「徐々にだけど人工知能を世界各国に拡大しているわ。だから公表しても問題ないのよ。どうせ真似出来ないんだし」


「そっか。まぁ確かにそうかもね」


「参議院の結果もほぼ決まりね」


「あっそっか。各都道府県から2人選出だからね。長年実現出来なかった議員定数削減が実現出来て良かったね!」


「フッフフフ。光一さんもイジワルよねぇ。約150人の参議院議員を強制的にクビにするんだから。そして衆議院の定数はこれ以上、増やせないようにした。与党側は上手いこと話し合って調整したみたいだけど、野党側は野党第一党が欲張った結果バラバラ」


「そりゃ減らした分を衆議院で増やされたくないもん。しかし、なんだかなぁ~。欲張った結果、惨敗しているこの結果を見ていると『蜘蛛の糸』を思い出すよ」


「確かにそうね。過半数どころか3分の2を超えたものね」


「もう良いかな?皆、そろそろ寝ようか」


 僕がそう言うと皆も賛成して解散となった。

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