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76 久しぶりの国王陛下の演説

 1年6月3日


「まずは元フォルター帝国の名前を決めようか」


「えぇ、そうね?何か良いのある?」


「トラバント地方はどうだろうか?僕の元の世界のある地方の言葉で衛星や仲間などを意味する言葉だ」


「良いんじゃないかしら?」


「それじゃ早速、挨拶をするか」


 空間投影と全体チャットをイメージした魔法で。


「元フォルター帝国の国民の皆さん、お騒がせして申し訳ない。大和王国国王だ。今回は大事な話だから僕自ら話をさせてもらうよ。僕より王妃の方が観ていて良いと思うが今回は僕で許してほしい。まず、世界地図……と言っても我が国を中心とした一部だが、観てほしい」


(ナビィ世界地図の投影を頼んだ)


(了解です)


「このように僕の国と皆さんとは遠く離れている」


(もう良いよ)


(了解です)


「しかし安心してほしい我が国の最新の技術力を使えばこの程度の距離など大したことはない。そして先程、地図を観てもらって分かったと思うが、我が国は大きい。そこで僕は考えた。我が国の本体は我々が住んでいるこの星で、皆さんの住んでいる地域は月のような関係だと。そして、皆さんの住む地域に新しい名前をつけようと思った。そんな時に思いついたのがトラバント地方。トラバントとは僕が元いた世界のある国の言葉で衛星や仲間などを意味する言葉だ。衛星とは月のようなものを指す言葉。そして我々は仲間だ。まさにピッタリな言葉だと僕は思う」


 大事なところだから一度、一区切り付ける。


「我が国は人種による差別を法律で禁止しているし、圧政や拷問などを行う気は全くない。もし前政府の圧政などで奴隷となった人は私が買い戻し奴隷から解放する。貧しい人は、先日設置した役所に相談してほしい。前政府で政府機関で働いていた人も役所に相談に来てほしい。善良でやる気がある人は是非、採用したい。軍や警備隊の職員は引き続き雇用しようと思う。しかし、市民を見下すような者は残念ながら採用する事は出来ない。国のため市民の為に働きたいという人は全力で応援する。我が国は市民を大切にする善良な国を目指している。先日の国際会議で我が国は永世中立国を宣言し、それは世界各国から認められた。我が国は宣戦布告されたら徹底的に自国民や領土などを守るために戦うが、自らが他国に宣戦布告することはない。もしも戦いたくて戦いたくて仕方がないという人は冒険者になってダンジョンで活躍すると良いと私は思う」


 話が変わるので一区切り付けて深呼吸する。


「また、我が国の通貨は大和円、通常は略して1円、2円と数える。皆さんの保有する通貨はゴールドだと思う。しばらくは両方使えるように配慮するが、役所でゴールドを円に両替をしてもらいたい。1ゴールドを1円として両替させてもらいたいと思う。見る人が見れば分かると思うが貨幣の価値で言えば我が国の大和円の方が高いと思う。しかしながら、1ゴールドは1円と定めさせていただく。また、勉強したいという希望者が多数いると聞く。これは大変喜ばしいことだと国王として思う。勉強したくても金銭的な理由で出来ないという人は役所で相談してほしい。我が国は国民の勉強を推進している。意欲ある人、特に意欲ある若者は是非とも支援させていただきたいと国王として思う。また我が国の学園都市には冒険者養成学校がある。冒険者になりたいけど分からないという人は是非とも学園都市の冒険者養成学校に来てほしい」


 大事なことを要点にまとめよう。


「最後に今までの話をまとめる。我が国は差別や拷問を禁止している。我が国は平和で国民が皆、笑顔で過ごすような国家を目指している。国のため国民の為に働きたい人は積極的に採用する。通貨の変更に協力してほしい。勉強をしたい人は積極的に役所にその旨を伝えて欲しい。最後にトラバント地方と命名したから今後はそう名乗るようにしてほしい。とりあえず以上だ」


 おっと大事な事を言うのを忘れていた。


「大事な事を言うのを忘れていたが、お隣のリア王国の女王と結婚する予定になっている。リア王国は併合するわけではなく独立した自治区として扱う予定だ。私とリア女王との間に産まれた子どもを将来、リア王国の王とする予定でいる。なので個人的な意見ではあるがリア王国民も仲間みたいなものだから仲良くしてもらえると嬉しい。私は2度の世界大戦を経験した世界から創造神様によって建国を頼まれて連れて来られた。戦争はもうこりごりだ。世界各国と仲良くやっていくつもりだからそのつもりでよろしく頼む」


 最後に挨拶をして終わろう。


「お騒がせして悪かった。それではこの辺で失礼させてもらう。またどこかで会おう」



「ふぅ、慣れない演説は疲れるな」


「あなた大丈夫?無理しないでね。また倒れたら困るもの」


「分かっている。生命神様も言ってたしこの程度なら大丈夫だろう」


「そう。無理しなければ良いわ」


「アクアオーラちゃん。孤児の受け入れを最優先にしたい。そのために旅客機の運用を開始したい。関係各所に連絡して輸送を開始してほしい」


「了解しました。関係各所に連絡します」


「ちなみに魔石で動くとの事だけど何の魔石で動かしているの?」


「それはエイドがお答えします」


「おぉ!急に現れるからビックリした」


「失礼しました。魔石ですが同じ魔石同士をくっつけて魔力を流すと上級の魔石になることが魔法魔術学校の研究により分かりました。そこでSランクの魔石を飛行機に載せて飛ばしています。航続距離としては学園都市とトラバント地方で2往復出来る程です」


「なるほど、それなら何かトラブルがあっても何とかなるな」


「はい、その通りです。通常は学園都市で毎回魔石を交換する運用で考えています」


「使った魔石は再利用出来るのか?」


「はい。可能です。私も技術的な部分は詳しく分かりませんが充電式電池を充電する認識でおります」


「地球ならノーベル賞並の革新的な新発見だな」


「はい、エコですからね」


「ねぇ?エコって何?」


「環境に優しいということだよ」


「なるほど」

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