771 美少女ゲームのD-System化と手段を選ばない理由
地球:202X年8月12日
火星:1年3月2日
んぅ~ん!よく寝た。
「光一、おはよう。私も今、起きたところ」
「紗也華、おはよう。どう?気分は?」
「大丈夫。スッキリした気分だわ」
「それは良かった。それじゃ着替えようか」
「そうね」
僕達は服を着替えた。
「おっ!その服、可愛い!」
「そ、そう?ありがとう。昨日、買ったの」
「うん。可愛いよ。早速だけど時間が時間だし行こう。ゲート」
「そうね。ありがとう」
僕達は1階のレストランに移動した。
「あっ光一と紗也華、おはよう。それから色々とお疲れ様」
「ブリタニア、おはよ~。そしてありがとう。皆もおはよう」
僕と紗也華は皆と挨拶を交わした。
「いやぁゴメンね。紗也華が昨日買って来たゲームをきっかけに熱く語っていたら遅い時間になってさ」
「ふぅ~ん?どんなゲームなの?」
「私から答えるわね。イブのようなデータセンターに本体があって、エテルノの様に人と区別がつかないヒューマノイドと主人公の周辺で色々な出来事が起こるという様な物語のゲームよ。いわゆる美少女ゲームね」
あーあの作品か。あれは良いゲームだと僕は思う。
「へー。あっ皆、昼食にしましょう!……ここでやったらマズイの?」
「あっ大丈夫よ。コンシューマー版だから」
「コンシューマー版って何?」
「ふっふっふ!それはともりが答えるにぇ!コンシューマー版とはもともとパソコン等向けに開発されたゲームが、家庭用ゲーム機用に移植されたものを言うんだ!まぁ今回の場合は簡単に言うと大人向けのシーン……子作りとかがあるパソコン向けのゲームが、そういうシーンを無くして家庭向けゲーム機に移植されたものだにぇ~!」
「何となく分かったわ。でもどうしてコンシューマー版をつくるの?」
「あーそれは多分だけど大人向けパソコン版の市場は小さいからだにぇ。家庭用ゲーム機は多くの人が持っているから、それなりに市場が大きいんだと思う。ほら、大人以外のお客さんにも買ってもらえるからにぇ。ストーリー重視のゲームなら移植するのは簡単だし、売れる可能性がそれなりにあるんじゃないかな?」
「へぇ~勉強になったわ」
「食べながらで失礼するね。今日も全員、揃っているけどハロメンは今日も予定空いているのかな?」
「うん。光一さん。空いているよ」
「まつり、ありがとう。了解。それじゃ興味がある人は一緒にゲームしよ。それじゃイブ、アンケートよろしくね」
「了解よ……へぇ~全員なのね」
「おぉ?意外」
「光一さん、多分。コンシューマー版でエテルノの様なキャラクターが登場するからというのと、せっかく時間があるんだしみてみようという感じだと思うよ」
「そっか。ねぇ?イブ。今回、遊ぶゲームのPC版とコンシューマー版の両方をD-Systemに移植出来ないかな?」
「多分、出来ると思うわよ?今回は女子校に通う訳ではないから、着替えシーン等が無くD-Systemにコンシューマー版を移植するのは可能だと思うわ。……うん。PC版は問題無く可能ね。コンシューマー版も……問題ない事を確認したわ」
「はやっ!」
「そりゃ私、頭が良いから余裕よ。それじゃ開発元に話を持っていってみるわ」
「うん。よろしくね~」
「了解よ。いやぁこれはこれで、また儲かりそうな予感がするわ」
「光一、聞いた事があったっけ?光一は建国してまだ1年も経っていないんでしょ?どうしてそんなに技術力があるの?」
「あーぼたん。それはね。主にそこの天使が暇潰しに面白そうな技術を持っていそうな所にサイバー攻撃を仕掛けて、技術情報を入手しているからだね~。エテルノに関しては僕が依頼したけど、D-Systemに関しては僕は関与していないからね。まぁどちらも天使というチートが無ければ実現出来ない技術なんだけどさ」
「……聞かなければ良かったかもしれない」
「D-Systemに関してはあれだよ?ちゃんと技術開発元に話を持っていって、ミリソフト社にも話を持っていって友好的買収をさせたの。技術開発元は資金に困っていたようだからね。まぁD-Systemは元々はアメリカのDURPAの予算を使い、DURPAと企業が共同で開発したものなんだけどさ。開発には成功したけどこの世界のスーパーコンピュータでは使えないという問題が生じた」
「ダーパ?検索してみよ。へ、へぇ~。やっぱり聞かなければ良かった!」
「まぁ最後まで話すとね?この世界のスーパーコンピュータで使えなくても、天使がチートでつくる量子コンピュータなら使えるとなってね。ミリソフト社と協力してやっている訳よ」
「よくアメリカ政府が怒らなかったわね」
「兵士訓練用シミュレーターを作ってあげて使わせてあげれば、アメリカのDURPAの研究は無駄にならずに済むし、アメリカ合衆国としてもそれで十分だからだよ。そう。アメリカ合衆国には兵士訓練用シミュレーターというお土産を渡したから何の問題もない」
「それ。表に出たらマズイ奴じゃないの?」
「表に出さなければ良いんじゃない?まぁ表に出ても問題ないと思うけどさ。だって軍事専門家が少し考えれば分かる話だよ?『D-Systemって兵士の訓練にも使えるんじゃね?』とね」
「まぁ確かに」
「私から補足させてもらうと、残念ながらアメリカ以外に兵士訓練用シミュレーターを使わせる気はないってアメリカ政府に言ってあるから、同盟国とはいえ日本も使えないわね」
「イブ、そっか。それは少しだけ残念ね。まぁ仕方ないか」
「まぁ我々がアメリカ政府と交渉すれば使わせてもらえるかもしれないけどね。日本はアメリカの同盟国でもある訳だし」
「ふむ……今は時期尚早と言った感じかな?アジア版NATOに参加後なら世論も納得するかもしれないけど、今、変に動くと『藤咲総理は戦争をしたいんじゃないか?』と誤解されて叩かれかねない。私だって戦争はしたくないわ。得をするどころか損をするもの。だけど、この国際情勢を考えると我が国の国防に足りないのは実戦経験なのよね。実戦経験の為に戦争をする、あるいは参加する気はないけどD-Systemでの訓練ならありだと思うわ」
「私も同感かな?今はその時期ではないと思う。それから正直、自衛隊の国防軍化はついでなのよ。最優先事項は大統領制への移行。そして、あなたが大統領になる事。それ以外はどうでも良い」
「大統領か……」
「はっきりと言って内政干渉にあたるでしょうね。しかし、我々も手段を選んでいられないのよ。国際情勢が安定していれば良い。日本の国会議員や政府が我が国と友好的ならそれで良い。先日、共同記者会見をして合意をしたけど、私は当初そうする気は無かった。条約締結は面倒だし、日本を試したくなったから」
「どうして気が変わったの?」
「国王である光一さんが『止めておいた方が良い。国民との間でさえ約束を守れないのが日本の政治家だと思っているから。特に非公式な口約束なんて無かった事にされる』と言ったからよ」
「否定出来ないのがなぁ……現職の国会議員としてツライところね。特に政権交代になると駄目ね」
「我々としては『消えた内閣』と消えた多数の国会議員により、日本の政治家を信用していないというのが正直なところ。だから残念ながら我々は手段を選んでいられないの。一応、光一さんの指摘により先日、合意した。しかしながら、『不平等な合意』等と主張して無かった事にされたら面倒なのよ」
「そうでしょうね。日本の政治家を信用できないのも分かる。だから政党支持率の世論調査で『支持政党なし』が多いんだと思っているわ」
「現場にいるあなたから見て信用できる政治家はどれだけいる?」
「はぁ……殆ど信用出来ないから、信用出来る仲の良い官僚を政治家にして大臣に任命したのよ。分かっているでしょ?お友達内閣と言われればその通りなんだけどね。少なくとも私の内閣で不祥事は出したくないから仕方ない」
「そう。結局の所、同じなのよ。手段を選ばないのは申し訳ないけど仕方ない」
「「はぁ……」」
ぼたんとイブは2人同時にため息をついた。





