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757 世界管理システム攻撃犯の裁判

 地球:202X年8月5日

 火星:1年2月25日


 あっ戻って来た。


「は、離してください!僕は何も悪くありません!」


「地球神の私が代表して質問します。外交担当の神……以下、被告人のログも調査した上で改めて確認します。世界管理システムから被告人以外の神の権限を剥奪したのは事実ですか?」


「は、はぃ……」


「自爆システムやネメシスコードを悪用して地上を大混乱に陥れて、人々を殺傷したジェノサイドは事実ですか?」


「……も、黙秘します!」


「残念ながらテロリストの疑いがある被告人に黙秘権はありません。黙秘は肯定とみなします」


「ぜ、全部!そうです!全部アイツが悪いんです!火星神が悪いんです!恩を仇で返して僕を瀕死にさせた!アイツを罪に問うべきだと思います!」


「それと今回の件はどう関係があるんですか?まぁそれでは一応、法務神ちゃんの見解を聞きましょう」


「はい!火星神様の行為は確かにやり過ぎかもしれませんが、瀕死になったのは事故です。過失です。そもそもの動機である怒りは当然の事と思います。被告人の過失により妻が過労で倒れかけたんですから。天界の法的には罪に問う程の事ではありません。地上の法だと傷害罪になるかと思いますが、天界の法はそこまで厳しくありませんから。基本的には何の罪もない人を殺害しなければ良いと思ってください。それから被告人は『恩』と言いますがアレを恩と主張するのは無理があるでしょう?あんなの見方によっては嫌がらせですよ」


「法務神ちゃんありがとう。被告人、そういう事です。それで?今回の件とどう関係があるんですか?地上の人には何の関係もない事でしょう?」


「関係あります!そもそもの天使を貸した理由は地上の人々の為です!そうです!地上の人々がいなければ僕は瀕死になる事は無かったんです!人類という愚かな種族がいなければ僕は瀕死にならずに済んだ!」


「主張が無茶苦茶ですね」


「火星神に復讐を考えた時に思いついたのが、あの完ぺきな計画です!火星神が大切にしている人々、保護している人々を消し去れば良いと考えたんです!そうすれば火星神は自らの罪を悔いるとね。僕以外は世界管理システムへのアクセス権限を剥奪する。そうすれば、自爆システムやネメシスコードを誰も止められない!僕は自分のプライベートルームにいれば誰も入って来られない!そう!完ぺきな計画だったはずなんです!」


「完ぺきな計画ねぇ?」


「なのに!なのに何故です!何故、僕の計画は失敗したんですか!」


「ふふふふふふっ。失礼しました。あまりにも愚か過ぎて笑ってしまいました。いやぁ残念でしたね。あなたの言う『完ぺきな計画』には穴があったんですよ。私達も焦ったんですが火星神様が解決してくれました」


「穴?そ、そんなものはないはずです!アァァアァ~!また!またアイツのせいなんですか!?火星神!何をしたんですか!」


「被告人、地球神の私が代表だと言ったじゃないですか!長々と説明するのが面倒なので簡潔に答えますとね?被告人は地球の世界管理システムから私達のアクセス権限を剥奪しましたが、火星の世界管理システムのアクセス権限は変えていませんよね?というか出来ないんですがね。被告人の様な攻撃を想定して、両方の世界管理システムは設計上、対策されていたんですよ。火星の世界管理システムから地球の世界管理システムにリモートアクセスをすれば、火星側の認証サーバーを使用するんです」


「せ、設計上、対策されていた……?火星側の世界管理システム…ですか?そ、そんな話!聞いたことありません!卑怯です!卑劣です!」


「いやいや、卑怯とか卑劣とか意味が分かりませんね。さて犯行を認めたのでそろそろ判決ですね。被告人は有罪です!」


「有罪……?」


「はい。当然の事ですね。法務神ちゃん、量刑をお願いします」


「はい!死罪ですね。おめでとうございます!」


「僕が……死罪…?僕は悪くありません!アイツが悪いんです!」


「少しは反省したらどうですか?」


「ぼ、僕は悪くありません!」


「期待した私が愚かでした。破壊神ちゃん、お願いします」


「ヒィィイ。ま、待ってください申し訳ありませんでした!お許しください!」


「何が悪かったか分かりますか?」


「そ、それは……システムの仕様をもっと把握しなかった事でしょうか?」


「ブフッ……いや、失礼。駄目ですねこれは。頭が悪すぎます」


「あぁ~次期国王と次期女王の皆は見ない方が良いね!うん。一時的に眠らせるね。ゴメンよ」


「光一お兄さん、はい。構いません。お願いします」


「スリープと空中浮遊~。これで服が汚れな……やっべっ!ス、スカートが……うん。横にせずに立った状態で浮かせよう」


「さぁ~て。それじゃ私の出番ですね♪」


「ヒィイイ!」


 破壊神さんは一回でやらずに数回に渡り斬って行った。その度に外交担当の神は叫び声をあげた。

 うわぁ怖ッ!自分もあぁならないように注意しよう。

 地球神ちゃんが両手を叩いてパンパンと音をさせると遺体と血痕がキレイに消えた。


「それでは時空神さん。お願いね」


「りょうかーい!あっぼたん様は異常が発生する前まで時間を戻す為、地上に降りる事になりますのでご認識ください。記憶は今のままですのでご安心ください」


「了解よ」


「それじゃ地球の時空神さん、始めましょうか」


「はい。お願いします。始めますね」


「私も始めるわ……完了よ。時間は止めているわ」


「流石は大先輩です。早いですね。……私も完了しました。同じく時間は止めています」


「それでは私が時間の再開をするわね。……再開したわ」


「はい。特に問題ない事を確認しました」


「こっちもよ。お疲れ様」


「それじゃ創造神ちゃん。お願いね」


「地球神ちゃん、了解!」


 お?目の前に光の球が現れて徐々に人の身体に変化していく。

 うむむ?おぉ~!ロシア人っぽい可愛い女の子だ!


「……創造神ちゃん。私は外交担当の神ね?頑張るわ」


「うん!外交担当の神をよろしくね!」


「私は地球神。よろしく。セクハラされたら相談してね」


「地球神ちゃん、分かったわ。よろしくね」


「あっ僕は……」


「はい!火星神様ですよね!存じております!情報共有してもらったので。よろしくお願い致します」


「こちらこそよろしくね」


 外交担当の神は挨拶回りをしている。可愛い。


「それでは異世界の創造神様、生命神さん。恐れ入りますがもうしばらくお待ちください。プライベートエリアを整えて来ます」


「おぉ、そうじゃの。ゆっくりで構わんよ」


「そそ。僕達は気にしないで良いよ」


「ありがとうございます!それでは一旦、失礼致します」


 そう言って外交担当の神は去って行った。

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