74 元フォルター帝国の状況確認とマッハ5の旅客機
1年6月2日
お城に帰ってきて執務室の椅子に座っている。
他に何かすべき事はあったかしら?
「アクアオーラちゃん、元フォルター帝国の方はどう?
いい加減そろそろ名前を付けたいが、私が勝手に名付けるのはどうかと思うの。
国王であるコウイチの意見も聞きたい。
「はい!孤児が350人程いて他にも学園都市に移住し勉強したいという希望者が多数いるようです」
「孤児の数が多い気がするんだけど……」
それともそんなものなのだろうか?他の大陸だから普通が分からない。
「皆さん親が圧政や拷問等で亡くなられたようです。圧政により経済的理由で奴隷となった人も多いようです。特に女性が少女から大人まで多いようです」
「なるほど」
犯罪奴隷はともかくコウイチの事だから圧政や経済的理由で奴隷となった人は買い取り奴隷から解放しそうね。
「通貨を本国と統一したいわ。向こうの通貨はゴールドかしら?」
「はい、ゴールドです」
「では1ゴールドを1円に変えていきましょう。通貨としては円の方が価値が高いと思うけどね」
なにせこの世界の技術ではつくれない貨幣なのだから円の価値は高いはずだ。
「それではしばらくは移行期間として両方使えるようにして徐々に変えていきましょうか?」
「それが良いかもしれないわね。現地の人員は余裕があるかしら?」
「はい、5,000人いますので余裕はあります」
「ならエイドちゃんにお願いして円を大量に役所の上の階に保管し、両替と警備をお願いしようかしら」
「私もそれが良いと思います。現地のエテルノにはその旨を伝えたので準備を始めていると思います」
「エイドちゃん」
「はいです!」
「悪いんだけど元フォルター帝国の役所の空いている上の階に大和円を大量に輸送してほしいのだけれど可能かしら?」
「はい、会話は聞いていましたので理由は分かっています。可能です」
「そう言えば現地の軍や警察はどうなっているのかしら?エイドちゃん分かる?」
「軍と警察…向こうでは警備隊ですね。その上層部は犯行に関わっていたので不在です」
「つまりまだ組織としては存在するのね?クーデターを起こされたくないわ。掌握出来るかしら?」
「その可能性は考えていませんでした。ですが可能性は低いと考えます」
「その理由は?」
「圧倒的な軍事力を目にしているのが理由です。領主の軍も存在していたので合計約10万人だと思われます」
「お国柄その大半は何らかの罪があると思いますが、継続雇用を打診した方が良いかもしれません」
「エイドちゃん、お金のことは軍や警備隊を掌握してからにしよう」
「それが良いとエイドも思います」
「今は夕方か。空間投影でそれを伝えるのは明日の朝にしよう。問題は大人数を大量に輸送する事だわ……エイドちゃん何とかならないかな?」
「それでしたら旅客機を運用されるのがよろしいと思います」
「旅客機とは何?」
「早期警戒管制機のように空を飛ぶ乗り物です」
「学園都市の第05学区の魔法魔術学校と第22学区の航空・宇宙産業系学部の研究によりマッハ5の魔導旅客機が作れるようになりました」
「マッハ5って何?」
「音速の5倍ということです。山に登った時にヤッホーと言うと遅れてヤッホーと聞こえるように音の速度は意外と遅いんです」
「な、なるほど?」
「マスターの元いた世界では既にマッハ5の旅客機の具体的な構想が出ていましたから、この世界で実用化出来てもおかしくありません」
「それでどれくらいの座席数と時間なの?」
「座席数は100席、時間は1時間半程度ですね。高い高度を飛ぶので眼下には湾曲するこの星が見えて見上げれば宇宙の漆黒が広がるはずですよ」
「安全性に問題はないの?」
「それはもう2重3重の安全装置と既に飛行実験をしましたから問題ありません!」
「実現した具体的な技術については聞いても専門的過ぎて理解できないと思うから聞かないわ」
「それが良いとエイドも思います」
「それなら首都の近くの良さそうな場所に空港を設置してもらえるかな?」
「学園都市の空港と同じものを配置しておきますね。パイロットと航空管制官の人員はエテルノで既に確保しているので明日、起きた頃には完成していると思いますよ?海を埋め立てて同じものを設置するだけですから」
「いつも思うけど仕事が早いわね……」
「半分は趣味というか憧れみたいなものですから」
「そうなの?あまり無茶しない程度によろしくね」
「はい!お任せください!」
この後はお母様達が帰ってきて夕飯を食べて寝た。
夕飯の時に観光した様子を楽しそうに話していたから良かったと思ったわ。
投稿主の一言
「マッハ5の旅客機に一度だけ乗ってみたいですね。え?なんで一度だけかって?
多分、トラウマになるレベルで恐ろしい速度だと思うんですよ。……とある物語の超音速旅客機みたいに」





