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751 瀕死の外交担当の神と報告

 地球:202X年8月4日

 火星:1年2月24日


「こ、光一くん、久しぶりじゃな」


「創造神様、お久しぶりです。お元気そうで何よりです」


「こ、光一様ッ!……そのぉ。この度は大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませ……」


 僕は地球の外交担当の神に近付くと思いっきり腹を殴った。


(ボンッ)


 何だか凄い音がして外交担当の神は吹っ飛んで行った。


「えぇ~。光一くん、殴らないんじゃなかったの?」


「う~ん。気が変わった」


「あぁ~あ。吹っ飛んで行ったよ。……って!ヤバッ!死にかけているじゃんかぁ!治療して来よう!」


「え?マジで?ほら~ブリタニア。だから止めておいた方が良いって言ったのに。僕、処刑されたらブリタニアのせいだからね!」


「えぇ!?私のせいなの!?……まぁそっか。でも処刑は困るから!せ、生命神さん!頑張って!」


「言われなくても頑張っているよぉ~。もぉー!やり過ぎぃ!」


「ひぃ~ひぃ~ひぃ~……」


「おーい!外交担当の神~!治療しているからもう少し頑張ってね~」


「こ、光一くん。気持ちは分かるが。アレは流石にまずかろう」


「はい。すみません。もう!ブリタニア~!どうすんの?アレ?」


「光一がチートなのを忘れていた私が悪かったわ。だけど私に言われてもどうしようもないわよぉ」


「光一くん、治療が完了して命に別条はないけど、気絶しちゃったからこのまま寝かせておくね」


「りょ、了解。生命神さん。ありがとう。帰った方が良いかな?」


「うん。後は僕に任せて」


「わ、分かった。それじゃ創造神様、生命神さん。失礼します」


「う、うむ。まぁ色々と大変じゃろうが無理のない範囲で頑張るんじゃぞ」


「はい。創造神ありがとうございます」


「光一くん、またね~」


「うん。改めて失礼します」


 僕達は僕の住居用プライベートエリアのレストランに戻って来た。


「光一さん。私達も光一さんのステータスを共有しているから、同じ事が出来るんだよね?出来ちゃうんだよね?」


「あーうん。まつりの言う通りだよ」


「み、皆、改めて。イラッとしても子どもに暴力は止めておこうね。あーなるから」


 皆、思いっきり頷いている。


「お姉ちゃん。先程、光一お兄さんに『アイツの代わりにあなたを殴りましょうか?』と言っていたけど、つまり光一さんが殴っていなければお姉ちゃんが殴っていたんじゃないですか?もしそうならマズイことになっていたのでは?」


「ハ、ハミルトン。こ、言葉の綾よ。私は殴るつもりは無かったわ」


「お姉ちゃん。この際、嘘は止めましょうね」


「うん。そうね。光一が殴っていなければ殴っていたわ。危なかったと思っているところよ。光一、悪かったわ。ごめんなさい」


「ブリタニア、構わないよ。何故か急にイラッとしたから僕が殴っただけだから」


「光一、それ。幸運ステータスが働いたんじゃない?」


「あぁ、紗也華。それはあるかもね。本当に何故か急にイラッとしたんだよね~」


「光一さん。敢えて話題を変えるわね。報告しても良いかしら?」


「うん。イブお願いするよ」


「日本の事について報告するわね。昨日、必要な法案は全て問題無く可決したわ。この後、午前9時に藤咲総理と千代国王代理が共同記者発表をする予定よ。今は総理大臣官邸で内容の打ち合わせをしているフリをしているわ。事前に打ち合わせしていなければ共同記者発表はおかしいものね。いくら事務方レベルで事前に内容を決めているとは言えね」


「うん。了解だよ。ぼたん、藤咲ちゃんとの記憶の共有は問題無かった?」


「ふふふっどちらも自分の名前だから不思議な感覚だわ。えぇ全く問題無かったわ。便利ね。今日の発表内容も教えてもらったし」


「総理としてはどう思う?」


「妥当ではないかしら?条約締結まではしなくても共同記者発表で、両国の合意を表に出す事で合意内容は国家間の約束になる。つまり、私が総理大臣を辞めても覆される事はない。もしもそんな事をしたら国際的な信用を失う事になるもの」


「そっか。それなら良いんだ。日本国内は物流が安定して国自体も安定して来ている認識でいるから。ぼたんが総理を辞めた後に約束を無かった事にされたら、我々は日本から撤退を考える事になる。そしたら日本は混乱状態になる。そうならない為にも日本の行政府が我々と非友好的にならない事を願っている」


「願っているとは言うけど悪巧みがあるんでしょ?そろそろ教えてくれないかしら?」


「日本の議院内閣制は年功序列や、お友達で組閣する事がこれまでにあった。そして『消えた内閣』問題が生じた。それを回避する為に日本を大統領制にして行政府と立法府を完全に分離したい。厳格な三権分立であるアメリカ型の制度だね。大統領は国民が直接投票して選ぶ様にしたい。ここまでは良いかな?」


「可能かどうかは置いておいて考えは分かるわ」


「イブに話したけど、アメリカの大統領の任期は4年、再選は1回。つまり最長で8年間。でも先進国の中には再選制限は無しというのもある。任期5年連続2期までという国もある。確かフランスだったと思う。2008年に連続した任期は2期までに制限されたけど、それまでは無かった。それで本題の悪巧み。任期5年。再選制限は無し。連続制限無し。この条件で憲法改正したい。良いじゃない。国民が直接選ぶんだから。国民が駄目だと思ったら落選するだけ。何の問題もない。ぼたんよろしくね」


「いやいやいやいや、つまり私を大統領にして続けさせる気なの?」


「または我々と友好的であり、かつ真面目で優秀な人に任せたいね。例えば僕の妻の親御さんとか」


「一馬さんか夏樹さんという事……かしら?」


「そうだね。ロシアだって未だに交互で大統領を続けているし問題ないでしょう」


「本当に悪巧みね。私も総理大臣になる為に手段を選ばなかった事もあるけどそれ以上ね。可能なの?」


「イブが元々、同じ計画を考えていて、計画通りに進めているみたいだから可能だと思うよ。大統領は国民に対してのみ責任を負うけど、総理大臣は国民ではなく議会に対して責任を負うという仕組みだからね~。だから今、ぼたんは国会対応で苦労しているんでしょ?」


「まぁそれはそうだけど。……ん?あー!うちの党から漏れたとか言われている憲法草案!アレはあなた達なのね!?」


「うん。そうだよ~。でもイブ?国民に必要性を理解してもらっても両院で3分の2が賛成しないと無理では?もう1つの与党は憲法改正に慎重な姿勢……というか変える気ないし」


「あれ?光一さん知らないの?与党第一党だけで両院の3分の2を取っているのよ?」


「……え?なんで?イブの分析では圧勝しないはずじゃ?」


「あーそれがね。無効票と投票率が低かったのよ。つまり与党にも入れたくない。かと言って野党にも入れたくないという人が思った以上にいたみたい。その結果、勝つ気がない選挙戦をしていた事もあり野党がボロ負けしたという事かな?あるいは与党側の『大和王国と同盟関係を維持すべきだ』というのを支持した票が多数、与党に入ったかのどちらかね」


「ちなみに総理としては両方の結果だと思うわよ。まぁ身内の事を言うのも何だけど、お気楽な議員は『我々が支持された』と勘違いしているけどね。私はそうは思わない。野党が駄目なのと大和王国が支持されたからだと思っているわ。まぁお気楽な議員は『私が初の女性総理になるから勝てた』と思っているから物事を進めやすくてありがたいわね」


「あっそっか。初の女性総理というのも勝った要因としては大きいんじゃないかな?」


「それもあるかもしれないわね」


「あーどうなんだろう?私は特に意識していなかったけど国民的にはそうなのかなぁ?あーそう言えば私が総理大臣になれたのも、うちの党の選挙戦略だったわね」


「そういう訳だから光一さん。国民が必要性を理解したら我々の勝利が確定するのよ」


「そっか。それじゃイブ、引き続きよろしくね」


「了解よ」

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