73 リア女王に情報の共有
1年6月2日
なんだか疲れるやり取りをしたが無事に寝室に案内した。
「アクアオーラちゃん!ただいま!」
「王妃様お帰りなさいませ!」
「うーん」
「どうされましたか?」
「いや、私もマスターって言ってもらいたいなって思って……駄目かな?」
「わ、分かりました!お帰りなさいませ!マスター!」
「あーかわいいわぁヨシヨシ」
頭をなでていると後ろからジト目で見られていることに気付いた。
「その子は?どちら様ですか?」
「私の側近のアクアオーラちゃんよ!エテルノの女の子」
「側近いるとかズルイ!私も欲しい!」
「いや、だからエテルノを何人か派遣するって話しじゃない」
「それとこれとは別なの!」
「はぁ……この子はエテルノの連絡役として私の側近になってもらったの。元フォルター帝国にエテルノを配備したからその連絡役よ」
「あっ……なるほど。元フォルター帝国の件については負の遺産を押し付けて本当に心から申し訳なく思っております」
「それは仕方ないって分かっているから良いわ。それより本題よ」
「あ、そうだった」
「この話は決して口外しないのと大声を上げない事を約束して」
「……実はあなたが来た時点で察していたの。コウイチなら『行ってくる』と言って私のところに来ると思っていたから」
「そう……そうね。あの人はそういう性格だわ」
「私もこれでも王族よ。王妃が職務を代行するのはよっぽどの事だと思っている」
「そうね。普通じゃありえないわね」
「つまり長期に渡って職務執行不能になる何かがあったと覚悟はしているつもりよ」
「そう……話が早くて助かるわ」
「何があったの?」
「経緯は長い話になるから先に結論を言うわ」
「うん」
「コウイチは今、記憶喪失なの。殆ど何も覚えていない状況よ……でも、今日コウイチの口にキスしたら『懐かしい匂いがする。ブリタニア?』って反応してくれたの!無事に回復する希望はあるわ」
「ちょ、ちょっと待って?記憶喪失も驚いたんだけど。キスしたの?」
「母から『昔に読んだ小説か何かでキスをしたら記憶が戻ったという話があった』と聞いたので駄目元で試してみたのっ!」
「あなたのお母様こっちに来ているの?」
「事情を説明して来てもらったの。私も正直そろそろ精神がヤバいと思ったから」
「そっか…記憶喪失か。色々と大変だったわね。原因は何か分かっているの?」
私はこれまで何度も説明してきた話をした。
「そっか……そんなに大変だったんだね。そうとは知らず怒ってゴメンね」
「大丈夫。当たり前の反応だと思っているから全然気にしていないわ」
「それじゃ私の結婚式も延期ね。仕方ないわ。廃人にならなかっただけマシだと思おう」
「そうね」
「はぁ……元フォルター帝国を押し付けてしまったのもあるのかなぁ?申し訳ない」
「いえ、さっきも言ったけど神々が色々と押し付けたせいだから私達のせいではないわ」
「そうかな。うん、そう思おう……私これでもポジティブな方なのよ?長年の軟禁生活のお蔭でね」
「そういえばあなたもかなり大変だったわね。私達、仲良くやっていけそうだわ」
「どういう意味よ?」
「特別な理由なくそのままの意味よ……お互い大変な事を乗り越えて来たから仲良く出来そうだなと」
「あ、そう?そう思う?なら良かったわ。嫁の間でギクシャクしていたらコウイチも大変だもの」
「そうね」
「私ねこの間、学園都市の見学ツアーに参加したじゃない?」
「うん」
「その時に見学していて思ったの。これが未来なのかと」
「そうね。私も同じ思いよ」
「こんなにスゴイ街並みをつくる、いや、つくろうとしている人なんだと改めて尊敬したの」
「その気持は凄いよく分かるわ」
「今回、倒れた要因の1つの国際会議でも凄いなって思ったの。私には出来ない」
「そうね。コウイチは頑張っていたわ……でも多分あれはあまり得意じゃないと思うの」
「そうだね。得意ではないけどやらないと駄目だから頑張る。そういう人ね」
「でも街作りは好きみたいよ?せっかくだしマンションの最上階からの景色をみてみない?」
「マンションはよく分からないけど、景色をみてみたいわ」
「それじゃ案内するわね」
私達3人はマンションの最上階の部屋までやってきた
「こういう高さのある住宅をマンションと言うらしいわ。ここは30階よ」
「30階!?凄いとしか言い表せないわ」
「驚くのはまだ早いわ。こっちに来て」
私達は部屋に入った。
「凄い豪華な内装に大きさ」
「この30階は王族仕様だからこういうつくりなの」
「なるほど」
「ほら、こっちに来て」
「うん、どれどれ…うわぁ凄い美しい街並み。こんなの見たことがない」
「そうでしょ?コウイチの元いた世界のどこかの国を参考にしたらしいけど素晴らしい景色でしょ?」
「うん、彼が街作りが好きだというのは分かった気がする」
「3人、いや4人か。4人で一緒にこの景色を見たいと思うわ」
「そうね。あ、私そろそろ帰るわ。仕事がいっぱいあるから」
「そっか。じゃゲートを開くわね」
私達はリア王国に戻ってきた。
「引き継ぎという形でエテルノを5人派遣するわ。それで良い?」
「うん、それでお願い」
私はインベントリからエテルノの5人を出す。
「彼女達に名前はあるの?」
「まだないわね」
「それじゃ、あなたが命名して」
「私が?分かったわ」
「それじゃあなた達の名前はアクア、マリン、アジュライト、アゼツライト、イシス」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
「今のはなんのお礼?」
「命名したからだと思うわ。アクアあなたをこのチームのリーダーに任命します」
「了解しました。先程の問ですがブリタニア様の言うように命名に対するものです」
「分かったわ。それじゃ私の仕事のお手伝いお願いね」
「「「「「はい」」」」」
「それじゃ、私は帰るわ」
「うん、ブリタニア色々とありがとう」
「ええ、また今度ね」
そうして私はゲートで王城に帰った。





