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71 国王回復の兆しとエテルノへの想い

 1年6月2日


 昨夜は久しぶりにお母様と一緒に寝た。色々と話している内に寝ちゃったわ。

 朝起きてお母様は窓の外の景色を観て驚いていた。しばらく見入っていた。

 これだけ素敵な街並みだもの当然だわ!と何故か私は誇らしく思った。


 お城に戻って朝食を食べようという話になって、ヴェスターを迎えに行ったら彼も興奮していた。

 こんな素晴らしい景色は見たことがないと。当然だわ。


 朝食を食べて2人と別れた。

 お母様達はお城の案内と街の観光をすると言っていた。

 お母様達には専属のメイドを2人付けたから安心だ。

 2人のエテルノがいれば殆どの危機は回避できる。


「それじゃエイドちゃん、天界に行こうか」


「はいです!」



 天界に来た。

 創造神様と生命神様、そしてコウイチだけがいる。

 他の神々は別のところにいるのだろう。

 流石に観光には行っていないはずだ。


「うん、その通り流石に皆ももう観光には行かないよ」


 心を読まれたようだ。流石、神様。


「コウイチくんの状態を説明するね」


「はい、お願いします」


「コウイチくんの精神は僕が診た頃には20%まですり減っていた。先日、目が覚めた時は35%だった。今は45%といったところだね。コウイチくんの生命力によってここまで回復しているのだと思う」


「それは普通なのでしょうか?」


「いや、普通はこんなに急速に回復しないと思うよ。こういう事例はあまり見たことがないから断言できないけど」


「今も眠ったままですか?」


「うん、時々目を覚ますけど記憶が戻る傾向はないし、生命力の回復の為に僕が睡眠魔法で寝かせているよ」


「そうですか……少し恥ずかしいですが失礼しますね」


 私はコウイチの口にキスをした。


「君も大胆だね」


「昨日、母から『昔に読んだ小説か何かでキスをしたら記憶が戻ったという話があった』と聞いたので駄目元で試してみたんです」


「んぅ?……懐かしい匂いがする。ブリタニア?」


「コウイチ!?そう!私よ!ブリタニアよ!」


「まさか本当に変化があるとは思わなかったよ」


「ブリタニア……何か懐かしい気がするけど思い出せない」


「そう、でも良いわ。私はいつまでもあなたを待っているから」


「うん…眠くなってきたおやすみ」


「うん、おやすみ。コウイチ」


「回復傾向にあることが分かって良かったよ。完治する可能性は十分にあるよ。ブリタニアさん、大変だろうけどもう少し頑張っていこう……ほどほどにね?」


「はい!ありがとうございます!エイドちゃん、帰ろう」


「はいです!」


 私は逃げるように帰った。泣きそうになったからだ。人前では恥ずかしい。


「エイドちゃん、ありがとう。また何かあったら呼ぶね」


「分かりました!」


 また王族用のトイレに駆け込む。涙がボロボロ溢れてきた。

 良かった!希望はある!と思うと少し嬉しくて感情が涙として溢れてきた。

 私はそれから時間を計っていないから多分だけど2時間程、泣き続けた。


 タオルで顔を拭いてお化粧直しをして涙の跡を消す。

 目が充血しているのはどうしようもないから埃が入った事にする。

 もう十分に泣いた。もう大丈夫だ。


 リア王国に行こう。


「エイドちゃん、リア王国に行ってエテルノを5人派遣したいんだけど良いかな?」


「構いませんが、オーエス大陸に多数のエテルノを配置したため人工衛星の通信容量がパンクしそうです」


「ごめんね。もう少し分かりやすく言ってもらえるかしら?」


「エテルノは自分の記憶をサーバーと呼ばれる機械に送信します。他にも様々なやり取りをします。その際に通信が必要なんです。電話線がないと電話が繋がらないのと同じです」


「そこまでは分かったわ」


「これまでエテルノは国内は通信インフラが整っているので問題ありませんでしたし、多少は通信インフラのない地域にエテルノを配置しても高性能な人工衛星……月のように宇宙に浮かんでいる機械だと思ってください。その機械が電波という目に見えない光を出してやり取りをしていたので問題にはなりませんでした。ですが現在、北で大規模な軍事作戦が行われていて、オーエス大陸にも5千人のエテルノを配置しています」


「うん、ここも分かったわ」


「エテルノは定期的にバックアップをしないと故障した際に新しいボディで復旧が出来なくなります。人間で言う死ですね。それでも人間の死と同じだから構わないと言われればそうなんですが、個人に蓄積されたデータが失われます。例えばアクアオーラちゃんが事故や故障で死んだ場合、その頭脳にあるデータが失われます」


「私は……コウイチもそうだと思うけどエテルノが死ぬことは容認できないわ。私は彼女達を人類だと思っている。道具だとか、ただの機械だとは思っていない。私にとって彼女達は娘みたいなものなの。必要があって量産をしているけど、彼女達はそれぞれ人格があり、個人の記憶もある。彼女達は高性能だけれど機械だから異常……エラーが発生する事があるとも聞いている。無責任に使い捨てにするなんてそんな事は許さない。それは彼女達に対して失礼だし、反乱を起こされて当然よ」


「その通りです」

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