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726 コラテラルダメージ

 地球:202X年7月24日

 火星:1年2月13日


「1つ聞きたいんだけど日本は人口減少社会でしょ?人口増加政策は出来ないかな?」


「それについては考えているわ。日本から約半数の人が消えた事で社会保障費が大幅に減少されることになる。その分を子育て支援に使おうと思っているわ。それと情報が少し古いかなぁ?前の前の総理大臣が『このままだと日本は人口減少により危機的状況になる。移民を受け入れざるを得なくなる。そこで共働き推奨を止めて、夫か妻のどちらかは家にいる事を義務化する』と言い出したの」


「それ知らないんだけど荒れなかった?」


「まぁね。だけど現実問題として『仕事と子育てを両立できる環境整備』。これを何年言っても改善されなかった。出来なかった。保育園もね……現場の声を聞くと1歳児の両親が夜勤で迎えに来られないとかもあるらしくてね。かと言って保育園の夜勤対応も難しいとかまぁ色々と課題があったのよ。両親がどちらも高学歴化しているから『子育て面倒。仕事の方が楽しい。仕事辞めたくない』とかってね…はぁ」


「うちの国もそうなったら面倒だなぁ」


「そんなこんなで荒れたけど罰則規定のある共働き禁止法と育児放棄の厳罰化が成立してね。まぁその御蔭かまたは移民を受け入れるという現実への拒否感からか、生まれた子どもが増加したわ。男性が仕事を辞めるケースも結構多かったみたいね」


「まぁそりゃ好きでブラック企業の社畜やっている人ばかりではないからね……でも訴訟にならなかったの?職業選択の自由があるよね?」


「憲法第22条ね。『何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。』という条文ね。まぁこれも荒れたんだけど、最高裁で合憲判決になったのよ。『人口減少という公共の福祉に反している』とかなんとかってね。ただし、共働きを禁止するなら仕事を辞めた人に補償をしなさいという風になった」


「そうなんだ」


「私は子ども1人あたり7万円を出すわ。それで人口が増加しなければ移民を受け入れるしかないわね」


「イブ、HOSえいちおーえすHAIAPはいえーぴーを日本でもやらない?アバターは人型限定でお願いしたい」


「ふむ。意図としては子育ての負担軽減策、育児放棄や児童虐待の通報とかかしら?」


「そんな所だね。駄目かな?」


「人工知能を第2世代化すれば大丈夫だと思うわ。異世界と違ってパソコンに搭載しなければ、ミリソフト社に喧嘩を売らないで済むし。ただ、異世界と違ってインターネットが無料化されていないから若干、その点は面倒ね」


「まぁそれは仕方ない」


「ちょ、チョット待って!何の話をしているの?異世界ってインターネット無料なの?」


「無料だね。携帯電話料金も取ってないね。エテルノもインターネット回線を使うからね」


「日本では無理かなぁ?」


「無理だね。電線の使用料やアンテナを設置する地主やマンション等にお金を払わないといけないからね」


「そっかぁ。残念だなぁ」


「ふっふっふ。光一さんも頭が固いわね『大深度地下の公共的使用に関する特別措置法』とか使えば不可能ではないわ」


「でもナビィ、それは光回線の話でしょ?そんな地下深くから地上に回線を引っ張るの大変だし、携帯電話の基地局についてはどうするの?」


「そ、そこはほらっ!『光回線の公共的使用に関する特別措置法』と『携帯電話アンテナ基地局の公共的使用に関する特別措置法』を新たに作ってもらえば良いのよ!『国民が通信インフラを無料で使うという公共の福祉の為に電線や土地の使用料は無料でお願いします』とね」


「ナビィ、僕もあまり否定的な意見を言いたくはないんだけどゴメンね。全ての日本国内の通信関連会社を買収するお金は流石にないと思うし、無料で通信インフラを運用するならエテルノでないと駄目な訳で、そうなると大量の失業者が出てしまうと思うんだ」


「光一さん、買収というより吸収合併だと思うけど……お金ならあるわよ。土地も買えば良いんじゃない?」


「それはいわゆる、コラテラルダメージというものに過ぎない。失業者が出てしまうのは致し方ないわ」


「イブ~。そこはないって言ってほしかった!そしてナビィ~!それは無責任過ぎるよぉ」


「光一さん。ここは99匹と1匹よ。退職金を多目に支払えば良いと思うわ。国民は通信料金が高いという不満が前々からあって、値下げはしたんだけど、今度は我が国の5G化は遅れているという問題が生じてね。だから私は協力するわよ」


「それなら安心して。私が月曜日までに法案を作成して、デジタル改革担当大臣から法案を国会に提出させるから」


「おー!とっても助かる!……ところで人工知能って何かな?」


「そう言うと思って分かりやすくまとめた資料を用意したわ。はい、どうぞ」


「ありがとう……えぇ!マジで?超便利……でもお高いんじゃ?……はいぃ?月額500円!?やっす!人工知能保護法ね?了解!」


「どう?大丈夫そうかな?」


「うん。良いと思うわ。ドメスティックバイオレンスとか育児放棄とか色々と問題はあったからね。それらの問題を防止あるいは通報出来れば素晴らしい事だと思うわ。そして何よりも家事代行サービスが素晴らしい!人工知能保護法については異世界で既にあるみたいだから、それも月曜日に対応する感じかな?うん。任せて」


「うん。よろしくね」


「月曜日に記者会見をするわ。人口が増えなければ移民を受け入れないと我が国は限界に来ている事。子ども1人あたり月7万円を出す事。インターネットや携帯電話回線の無料化方針。人工知能と人工知能保護法について。そして光一さんと結婚した事。双子を妊娠している事を発表する。今日、首相官邸前で爆破テロ事件が発生したけど、私は狙撃されても死なないぞってね」


「そっか。応援しているよ。普段は観ないようにしているけど、記者会見観るからね」


「当然、青薔薇テレビは全てノーカットで生配信するわ」


「2人ともありがとう」


「支持率が下がっても気にしないで良いよ。僕がなんとかする」


「ふふふっ。頼もしい夫だわ」


 記者会見、楽しみだな。

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