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719 友好的買収と20万円給付

 地球:202X年7月20日

 火星:1年2月9日


「イブ、どう?」


「流石は神界のシステムね。扱いやすいわ。そして情報が詳細に残っている。情報は全て確認が完了したわ」


「はやっ!確認は日本だけ?」


「いえ、全てよ。世界各国の確認もしたわ。とりあえず大和王国の外務省経由で世界各国に亡くなった人のリストが必要か確認するわ」


「相変わらず仕事が早いなぁ」


「……いえ、面倒ね。大和王国のサイトに亡くなった人のリストを載せる事にしよう。名前、年齢、地域……例えば東京都とかね。住所は載せないわ。悪用されかねないから。遺族なら特定出来る範囲の情報だけにしよう。そして世界各国の政府とマスコミに情報をアップロードした事を伝えれば十分かな?」


「そうだね。僕もそれが良いと思う」


「日本に関しては総理と相談ね。警察や地方自治体……つまり警察署や役所毎に亡くなった人の情報をシンクラの人工知能経由で知らせようかしら?統一した国民のデータベースは作ってあるから。遺族が行政機関であっちこっちに届け出をする手間、窓口業務の負担軽減になると思うわ」


「ふむ……総理は人口の約半数が消えた事で事業の継続が困難になった企業に友好的買収の推奨や、失業者の為に国民1人あたり20万円を給付するみたいね」


「ほぅ?まずはイブ、消えたら貴重な技術等が失われたりしないように友好的買収は可能なら積極的にやろう」


「分かったわ」


「次に給付方法はどうするのかな?」


「行政統一シンクラシステムが完成したから、国民に役所で手続きをしてもらって給付する感じね。行政統一システムだから、例えば出張等で住民票は東京だけど大阪で暮らしているという人も、大阪の役所で受け取れるわ。役所でお金を受け取る銀行口座を指定してもらうか、口座がない人は郵便局の窓口で受け取れる様にするみたいね」


「どれくらいで受け取れるの?」


「銀行口座の場合は可能なら即日。銀行のシステム的に無理なら翌営業日になるわね。郵便局の窓口で受け取りは即日よ。役所で受け取った紙を持って郵便局に出せば完了。ただしこれらは12月25日まで」


「へーそれにしても詳しいね」


「日本ブルーローズテクノロジー社が振り込み業務を担当するからね。報酬は要らないって言ったんだけどそうもいかないと言われて10万円で依頼を受けたわ。あっもちろん。別居しているとか特殊な事情への対策もある。総理は行政シンクラシステム年間60ドルを含めて補正予算を通すつもりみたいね。それから現金給付については12月25日までの限時法を通すみたい。スピード重視の為に公募せずに我々に依頼するのもあるけど、不正受給防止等の対策もあってね」


「何故、うちに依頼してきたの?」


「それは簡単な話よ。公募だと天下り先確保の悪い官僚と仲の良い、下請けの下請けの更に下請けに業務をやらせて自分は何もせず大金を得る様な悪質な業者に依頼する可能性があるし業務が遅い。新システム構築とか言い出すかもだし。一方で我々はシンクラの管理者だから簡単に低コストで早く対応できるし、この非常事態に困っている国からお金を稼ぐ気もない。……まぁぶっちゃけてしまうと正規ルートだと企業が不正をする恐れもあるし、現金給付に何ヶ月もかかって支持率が下がるから嫌!私はスピード重視なの!国民は今、困っているのに何ヶ月もかけてられるか!という話ね」


「な、なるほどね……平時にこの対応は問題になるけど非常事態発生時にはスピードが重要だよね」


「そうね。あーそうそう。補正予算には車の処分費用等も含まれているわ。全ての放置車両を撤去したからね」


「もう全ての放置車両を撤去したの?早いね」


「そりゃそうよ。我々は魔法が使えるから楽なものよ。あっそうだった。公募しない理由の1つがまともに機能している企業が少ないというのもあるわね。だってそうでしょ?日本人の半数近くが消えたんだもの」


「あーそっか。現金給付は突然、勤めていた会社が消えたりして1ヶ月分の給料が入って来なくなった人の為でもあるんだろうからね。スピード重視で考えるなら審査の必要がない全国民に給付が一番だもんね」


「そういう事ね。ふむ世論調査もお願いされてしまったわ。どうしようかしら?」


「何の世論調査?」


「沖縄の『平和の礎』の様に公園を建設して慰霊碑に名前を刻むかどうかね」


「SNSでアンケート調査出来ないかな?」


「あー!その手があったわね。回答期限は24時間でやってみるわ」


「建設は大和王国が無償でする事にしよう」


「了解よ」


「火星で映画やゲームソフトの販売状況はどう?ゲームはコントローラーもか」


「それが結構、どれも売れているのよ。特に今日になってから売れているわ」


「そっか。それは良かった」


「恐らくだけど光一さんの休日の提案は世界各国でそれなりに受け入れられたみたいね」


「そうなんだ。無駄ではなかったというのは嬉しいね」


「今日は遊園地も混んでいるわ。水曜日の明日がどうなるかが楽しみよ」


「そうだね。僕も楽しみだよ」


「そういう事だから光一さんも今日は仕事終了にしたら?」


「そうさせてもらうよ」


「光一お兄さん、僕達は話し合って明日、明後日はダンジョン攻略に行きたいんだけど駄目かな?」


「おー!良いねぇ。僕も参加するよ」


「それじゃ私も行くわ!イブ、ここはアンケートよ!」


「ブリタニアさん、分かったわ。……はい!」


「結果が出たわね。全員が参加ね!皆、思いっきり楽しもう!」


「「「「「おー!」」」」」


「ありがとう。そ、それじゃ僕達は機械で遊ぶからまた後でね」


 次期国王と次期女王は去って行った。


「ブリタニア、『僕達は王にならずにエンジニアになる』とか言い出したらどうしよう?」


「だ、大丈夫よ。多分……。まぁもしそうなっても今の国王や女王に頑張ってもらえば良いわ」


「はぁ……考えても仕方ないか」


「それじゃ光一、私達も遊びましょう!」


「はーい!」

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