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70 リーベ王国のお母様とお話

 1年6月1日


 お母様と話し込んでいたらいつの間にか夕食の時間になった。

 今は夕食を食べながら話している。


「明日の朝、もう1回、天界に行って様子を見てこようと思う」


「そう。そういえば昔に読んだ小説か何かでキスをしたら記憶が戻ったという話があったわね。現実は厳しいと思うけれど何かのきっかけになるかもしれないから参考にしてみて」


「き、キスですか!?分かりました。やってみます」


「やっぱり私の娘は可愛いわね……本来なら娘を悲しませたような男はぶん殴るところなんだけど、原因が天界にあるんじゃ仕方ないわね」


「うん、私も最初はそう思ったけど今回は許してあげて」


「やっぱり親子ね。考えが似ているわ」


「情報の規制は大丈夫なの?」


「情報についてはエテルノには知れ渡っているけれど口外しないように言っているから他の人類には伝わっていないはず。私が国王代理をしている理由は、国王陛下は神界の用事で一時的に元の世界に戻っているからという事にしているわ」


「そう。統治状況は」


「ギリギリなんとかなっているという感じね。国内はエテルノ以外が少ないから放っておいても問題ないけど、新しく併合した元フォルター帝国の方が少し不安定だから心配ね。長い間、無政府状態だったから仕方ないんだけど。でも、エテルノ達が現地で対応しているし、コウイチの部下の天使2人がいるからなんとかなっている」


「結婚の方は?」


「そっちが問題ね。聖女様には創造神様から天界の事情で延期って話をしているけど、リア女王とは連絡が取れていないから。リア女王は前国王のせいで後始末が大変みたいで過労状態にあるみたいなの。『結婚までの間は引き継ぎという形でエテルノを何人か派遣するから仕事が楽になるはず』という話をしているから、明日、リア王国に行こうと思っている」


「そう……リア女王にはまだ本当の事を話さないほうが良さそうね」


「えぇ、そのつもりでいるわ」


「はぁ…建国したばかりそれも元フォルター帝国という負の遺産を押し付けられた形だから大変ね」


「うん、でもコウイチの代わりに出来ることは精一杯やるわ」


「ほどほどにしなさいよ?」


「うん、分かっている。私まで倒れる訳にはいかないもの」


「分かっているなら良いの」


「私、1人になって心細かったけど来てもらって話をきいてもらったから気分が楽になったわ」


「そう。それなら良かったわ。1人で抱え込むには重すぎる話だものね」


「うん……正直、重かったわ」


「当たり前よ。明日、あなたがいない間は城の案内をしてもらおうかな?珍しいデザインの城ね」


「うん、コウイチが故郷の城をもとに造ったの。コウイチによると城は仕事場で住居はマンションという大きな建物なの」


「あぁ、あの大きな建物ね。後宮というレベルではないわね」


「うん、上の方の階にのぼると景色が綺麗よ。私はコウイチが倒れてからお城に一応、作られた寝室で寝てたけど……」


「一応って……流石、コウイチくんね」


「2人も一応作られた客間に泊まってもらおうと思ったけど、せっかくだから私達の部屋に2人で来て」


「2人でって同じ部屋で寝るの?」


「あぁ違うの。紛らわしいんだけど。……見てもらった方が早いか」


「アクアオーラちゃん、2人を私達のマンションに泊まってもらう事にしたわ」


「分かりました。マンションは家具付きで複数空き部屋がありますがいかがいたしますか?」


「ヴェスターだけ隣の部屋でお母様は私達の部屋に泊まってもらう……いや、私とお母様も二人で別の部屋に泊まるわ」


「分かりました……?」


「ごめんね。コウイチと一緒に住んでいた部屋だとコウイチの匂いが残っているから思い出して辛くなりそうだから」


「あ、そういうことでしたか。失礼しました」


「いえ、良いの。私のわがままだから……夕食も食べたし後は風呂に入って寝るだけね」


「そうね」


「悪いんだけどヴェスターに部屋の風呂などの使い方について教えるエテルノを手配してくれる?」


「承知しました。メイドに案内させます。私はどうしましょうか?」


「私と一緒に来て」


「良いんですか?親子水入らずのところをお邪魔してしまいますが」


「もう十分に親子で過ごしたし、あなたは私の側近だから側にいてもらわないと困るの」


「分かりました。ありがとうございます」


「それじゃ、行きましょうか?」


「分かったわ。ヴェスターも」


「はい!」



 私達はマンションの部屋までやってきた


「それじゃヴェスターまたね」


「はい、何かありましたらいつでもお声がけください」


「ありがとう」


「いえ、それでは失礼します」


「ヴェスター様はこちらへどうぞ」


「私達はこの部屋ね!入りましょう!」


「へぇ、こういう構造になっているのね」


「驚くのはまだ早いわ!来て!」


「なにかあるの?……うわぁスゴク広い部屋ね」


「最上階の30階は王族仕様の部屋になっているから」


「30階なの!?高いわね」


「夜になって暗くなっちゃったから明日、観たほうが良いかもしれないけど景色も観て」


「暗くても何となく分かるわ。スゴク計画的につくられた美しい街並みだわ」


「これもコウイチが街並みを決めて、それを元に部下が実際に建物を立てたりしていったの」


「きっとこれもコウイチくんの元の世界のどこかにある街並みを参考にしているんでしょうね。美しいもの」


「でもコウイチは未完成だと言っていたわ。街並みは出来たけど人がいなくて機能していないからって」


「そう。でもこれだけ素敵な街並みだもの。年単位で時間がかかるかもしれないけどいつか完成するわ」


「そうね。私もそう思っている。お母様にこの景色を見せられて良かったわ」



 それから私はお風呂の使い方やお手洗いの使い方などを教えて行った。

 お母様はスゴクびっくりしていて嬉しくなったわ。お母様のお蔭で暗い気分が軽くなってきた。

 本当に来てもらって良かった。

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