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715 残虐行為に悩む必要性

 202X年7月16日


「紗也華?ここ紗也華の部屋じゃ…?」


「うん。良いの。ほら寝て!」


「それじゃ、クリ……」


「あー!浄化魔法使わなくて良いから!寝る!」


「あっはい。それでは失礼します……って、紗也華も寝るの!?」


「当たり前じゃない。愛する夫を癒やすのも私の仕事よ?……というのは建前」


「建前って言っちゃうんだ」


「私は光一と一緒に寝たいの!夫の匂いを感じたい!あっ建前とは言ったけど癒やしてあげたいとも思っているわよ?」


「紗也華、匂いはへんた……」


「それ以上、言ったら怒るわよ。良いじゃないの!愛する妻の匂いを嗅いで癒やされるとかないの?」


「あー、あるか」


「でしょ?まぁそんな事は良いから寝て!」


「う、うん。おやすみなさい」


「おやすみ光一」


 僕は思ったよりも疲れていた様でスーッと眠りについた。



「んぅ…ハッ!」


「あっ光一、おはよう」


「あっ紗也華。今何時かな?」


「う~んと。14時を少し過ぎた頃よ」


「ゲッ!僕、そんなに寝てたの?というかずっと一緒にいてくれたの?」


「あっ私もさっき目が覚めたところだから大丈夫よ」


「そっか。それじゃ少し遅くなったけど昼食に……」


「1回戦遊ぼう?ね?魔法で浄化すれば良いわ。私的にはしなくても良いんだけど嫌なんでしょ?」


「流石に汚いのは申し訳ないと思うからね。クリーン」


「まぁ気持ちは分かるから良いわ。クリーン」


 そうして僕達は1回戦楽しんで浄化魔法でキレイにした。


「うん。満足した。良かったわ!ありがとう!」


「こちらこそいつもありがとう」


「ねぇ?光一?罪悪感とか大丈夫?」


「うん。大丈夫だよ。流石の僕もこういうのに慣れた。ただ罪悪感は大丈夫でもショックで疲れたというか気分が悪くなっただけ」


「そっか。光一、私は……いえ、違うわね。私達は光一を愛している。私も配信者だから分かるわ。100の内たったの1つでも負のコメントがあると悲しくなったり傷ついたりする。だけど私には光一がいると思うと安心する。だから光一も安心して。ね?」


「うん。ありがとう。愛を感じて今は幸せな気分だよ」


「ふふっ1回戦やっておいて良かったわ。さて昼食ね。私もホットケーキにしようかな?ゲート」


「そうだね。ちょっと遅い時間だからね」


 僕達はマンション1階のレストランに移動した。


「あっ光一、おかえりなさい。大丈夫?」


「うん。ブリタニアも皆もただいま。ゴメンね心配かけて。復活したよ」


「そう?それなら良かったわ」


「ブリタニア、大丈夫よ。私が皆の分も夫を支えておいたから」


「ふふふっ紗也華、お疲れ様。ありがとう」


「良いのよ。さーて昼食だぁ」


 僕達がパンケーキとドリンクを注文するとすぐにテーブルの上に現れた。

 流石はイブ。優秀な部下だ。


「イブ、日本政府は……特に総理は約4.8割と聞いてどう?」


「そうね。国民の約半数が消えたという現実を聞いて悲痛な表情をしていたわね。だけど元々、少なくとも4割の人が行方不明の可能性があると聞いていたから、受け止めとしては『やっぱりかぁ』という感じね。精神的ダメージは受けていないわ」


「そっか。それなら良かった……まぁ良くはないか。野党は責任追及してない?」


「流石にそれはやらないみたい。今の政府の話ではないし、追求すると巨大なブーメランとして帰って来ると思ったんでしょうね」


「野党からも人が減っているからか。それに政府に責任追及したところで仕方ないか。『消えた内閣』はブーメランだし、政府の対応と言ってもどうしようもないわけで『ならどうすれば良かったの?』という話になるし」


「そういう事だと思うわ」


「食料等の生活必需品の輸送任務は大和王国の得意分野だと思う。アイテムボックスをエテルノ間で共有すれば良いからね。人員が足りなければエテルノを増員してでも対応してあげて」


「方針を理解したわ。今の所は大丈夫よ」


「そっか」


「それから総務省とデジタル改革担当が政府共通基盤システムを地方自治体にまで機能拡大する事を提案したわ」


「というと?」


「地方と政府間の連絡もだけど、システムは地方自治体毎に異なる。運用もね。それを集約して、政府と地方、地方と地方のやり取りをスムーズに行える様にしましょうという話ね。データの移行やシンクラ端末の配布も無償でする。災害支援の為にね。ここまでは我々の考え。本来なら公募が必要になるけど国会で関連法案を通す事でスピード重視で対応するというのが総理の考えね」


「普通なら短期間でそんな大規模プロジェクトは出来ないけど……我々、というかイブなら出来ると信用してくれているんだね」


「ふふっ嬉しいわね。計画ではマイナンバーシステムも組み込む予定よ。私はシステム構築と移行後にまず住民のデータベースを作るつもりでいるわ。マイナンバーシステムにあるはずだから、わざわざつくらなくて済む事を願っているけどね」


「目的としては?」


「住民の安否が不明……それも約半数というのも混乱を生じさせている。これは可能ならだけど神様に頼んで『地球を破壊する前にバックアップを取った天界のデータ』を閲覧させてもらいたい。そしてシステムと照合して安否確認を済ませたいの」


「うっ……ゴメン。最悪なシーンを想像しちゃった。そ、そうだよね。遺族がいるかもしれないからね。ほ、骨はないけどお墓や慰霊碑に名前を刻むとかしたい方もいるかもしれないし」


「光一、気持ちは分かるけどしっかりして!光一はボタンを押したかもしれないけど、転移させないと判断したのは時空神よ。例えるなら裁判で死刑判決をしたのは時空神で、死刑執行をした刑務官役は光一なのよ。だからあなたは気にしなくて良い。破壊される地球に残された人がどうなったかを想像しなくて良い」


「紗也華ありがとう。僕が何を想像したか分かるとは流石。そ、そうだね。気にしても仕方ないし。地獄行きになるところ、そうさせなかったと思えば良いかな」


「そうよ光一。あなた異世界でどれだけの死刑囚を量産した?今更そこら辺を気にしても仕方ないって」


「うん。紗也華、そうだよね?僕は悪くないよねぇ?だって約半数の人が消えたのは僕には関係ないもんねぇ?ねぇ?そうだよねぇ?だから気にしなくても良いかなぁと思っているんだけど……駄目かな?ドヤッ」


「ふふっ先輩のネタを使う余裕が出てきたなら大丈夫そうね」


「ふぅ……うん。大丈夫。悪いねいつもこんな感じで。でもさ僕思うんだよ。こういう残虐行為に対して何も感じ無くなったら人として終わりだなってさ。皆はいい加減、権力者なんだから慣れろよって思うかもしれないけどね。なんて言えば良いかな?慣れてしまうのも怖いというか、危険だなって思うんだ。暴君にならない為にもこの感情があった方が健全かなと思う。だからね。残虐行為、悩む、自分なりに消化する。この過程、僕は大切だと思う。何しろ元は王族等ではなく平民だからね。皆には迷惑をかけるけど理解してもらえると助かるな」


「つまり光一が言う『残虐行為』の後に悩む様子が無ければ、逆に心配した方が良いのかな?」


「そうだね紗也華。悩んで消化するのが早いだけかもしれないけど、念の為に心配してもらえると助かる」


「分かったわ。それが光一のやり方ならそれに合わせる。迷惑とか気にしないで」


「ありがとう。王族としてブリタニアはどう思う?甘い考えかな?」


「う~ん。良いんじゃないかしら?やり方は人それぞれでしょう。人それぞれ性格が異なるのと同じでね。私達は光一を支えるから大丈夫よ。無理はせずに甘えたい時はそうすると良い。悪に堕ちない為の光一なりの安全装置だと理解したわ」


「ブリタニアもありがとう。皆も『またかよコイツ』って呆れるかもしれないけどよろしくね」


「光一、あなたが寝ている間に皆でお喋りしていたんだけどね。誰も呆れないと断言出来るわ。ただ私達からのお願いとしては出来るだけ気絶しないでほしい。倒れないでほしい。まぁ今日は仕方ないと皆で話していたわ。だけどね気絶とかされると私達としては心臓に悪い。だからそれだけはお願いね」


「はい。本当にスンマセン。そりゃそうだよね。僕も妻が倒れたら心臓に悪いから。以後、気をつける。イブもゴメンね」


「私に謝らないで良いのよ。私は光一さんの考えを尊重するわ。ただ私から1つだけ。辛い時は言ってもらえると助かるわ。そしたら私含め皆でサポートするから。ね?」


「分かった。ありがとう」


「光一さん。今日は仕事を終わりにしましょう?」


「うん。そうだね。そうするよ」


「光一さん、お疲れ様。まつり達はテレビ放送の仕事の件で会議があるから失礼するね」


「まつりもありがとう。皆、会議行ってらっしゃい」


「うん。いちじにじメンバーと合同だから大使館の会議室に行ってくる。それじゃ」


 そう言ってまつり達は去って行った。

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