69 リーベ王国からお母様が到着
1年6月1日
しばらく寝室で待っていると元フォルター帝国の代官のアポフィライトちゃんから必要物資について連絡があったと、アクアオーラちゃんが教えてくれた。
その物資についてはエイドちゃんにお願いして届けてもらった。
やっぱり数日間、無政府状態だったから色々と大変みたい。
だけどアポフィライトちゃんを中心にエテルノの皆が頑張ってくれているから大丈夫みたい。
……頼りになる部下がいて助かるとコウイチが言う理由が分かった気がする。私だけでは対応できなかった。
「アクアオーラちゃん、北の作戦状況を教えてくれる?」
「はい、ほぼ完了しておりまして、今は漏れがないか念入りに確認している最中です。帰還するまでにはまだ数日かかると思われます」
「ありがとう。状況が分かって安心したわ」
「王妃様、私はエテルノですが、王妃様がお辛い気持ちは私でも分かります。些細なことでも構いません。どんどん私を頼ってください」
「ありがとう。その気持ちだけでも十分嬉しいわ」
「あっ、今、駅で待っていたスタッフから連絡がありました。……2名だけのようです」
「お母様とヴェスターだけかしら?」
「男女との事ですので恐らくそうだと思われます」
「お母様も無茶をするわね」
「迎えに行った2台の運転手のエテルノ2名がいるので警護体制に問題はありません」
「そうね。この街はまだ人間が少ないから心配していないわ」
「間もなく到着すると思われますがいかがいたしますか?」
「私も迎えに行くわ。少しでも早く会いたいもの」
「分かりました。では参りましょう」
「えぇ」
やっとお母様に会える。
今までは心細かったけどもう大丈夫だと思う。
「丁度、到着しましたね」
「お母様っ!ヴェスターも久しぶりね」
「まぁまぁ、ブリタニアったら大変だったわね。もう大丈夫よ。いくらでも話を聞くわ」
「お久しぶりです」
「しかしお母様、ヴェスターと2人だけだとは思わなかったわ」
「それについては……立ち話もなんですし王族の会議室に案内してもらえるかしら?」
「あ、そうね。ごめんなさい。つい会えたのが嬉しくて。案内するわ」
2人を案内して会議室まで来た。
「2人とも座って。疲れたでしょ?」
「あなたほどではないわ……2人だけで来た理由ね。ヴェスターから話してもらった方が良いかもしれないわ」
「はい。私は当初、私を除いて護衛4名を連れて行く予定でした。しかし国王陛下と王妃様と相談させていただき我が国の王都の駅までを部下4人で警護し、そこからは私だけで十分だと判断しました。理由の1つは大和王国の治安の良さ。まだ人間が少ない事もありますし、大和王国国王陛下の街作りにより治安が良いと思っております」
「そうね。我が国は人間の少なさもあるけど治安が良いわ」
「はい。もう1つは任務の特殊性です。部下を信頼していない訳ではありませんが、情報を知る人間は限られた人だけにすべきとの判断。更に人数が多いと相手国側の負担になると考えました」
「そう。私は恐らく6人で来るだろうと思っていたから部下に受け入れる準備させていたのだけど……その配慮は正直助かるわ。国王陛下が記憶喪失との情報は出来るだけ隠しておきたいから」
「はい。それは十分に理解しております。私からの説明は以上です」
「あ、そうだ。アクアオーラちゃんお客様の人数は2人だったと他のスタッフに伝えてもらえるかしら?」
「はい。既にその情報は共有しております。もちろん理由は共有しておりません。ご安心ください」
「配慮助かるわ。ありがとう。お母様、この子が私の側近のエテルノのアクアオーラちゃん」
「あら。可愛いわね。アクアオーラさん、引き続き娘のサポートよろしくね」
「はい、お任せください。側近に任命していただいた以上はその期待に答えて働く所存です」
「本当に人間みたいな子ね。あ、もちろん差別する意図ではないわ。純粋にスゴイと思って」
「大丈夫です。気にするどころかそう言っていただいて嬉しく思います」
「そう。良かったわ。ところでブリタニア辛かったでしょう?久しぶりに親子2人で話しましょうか。ヴェスター」
「はっ!分かりました」
「アクアオーラちゃん、ヴェスターを部屋まで案内してその後は私の寝室で待っていてもらえるかしら?」
「承知しました。それではご案内しますね。こちらへどうぞ」
「はい。では私は失礼致します」
「ふぅ……やっと2人きりになれたわね。久しぶりね。今まで溜め込んできたものいっぱい話してちょうだい」
「お母様、最初コウイチが倒れた時は死んじゃうんじゃないかと怖かったわ」
「うん、原因は神々による負担だと聞いているわ」
「そう。最初はここのところ忙しかったから過労かと思ったの。でも日が明けても目を覚まさなくて」
「うん」
「検査しても異常は無かったけどもしかしたら脳死しているんじゃないかと怖くなったの」
「そうよね……目が覚めないと色々と考えちゃうわよね」
「それで天界に連れて行って創造神様に診てもらったの。でも専門外だから断定出来ないという話になって生命神様を呼んで診てもらったの……そうしたらコウイチは精神がすり減っていて目が覚めたとしても記憶喪失や廃人になるかもしれないと言われてショックだったわ」
「夫がそうなったら誰だってショックを受けるわ。大変だったわね」
そうして私は今まで溜め込んできた全ての事、今まであった事を長い時間をかけて話した。





