705 開票開始と分析
202X年7月4日
「光一お兄さん!いよいよ開票だね!」
「うん。まぁ全部の開票は明日の朝までかかると思うけどね」
「そうなの?」
「そそ。殆どは今日中に開票結果が分かるよ」
「そっか。ところで投票ってどうやってするの?」
「光一さん、私も気になります!」
「ほうほう。パウラさんも気になるか。それじゃイブ、動画を作成してみてもらえる?」
「分かったわ……今、皆の目の前のタブレット端末で再生するから観ていてね」
「はやっ!流石」
「ふふっそうでしょ?」
イブがそう言うと動画が再生された。
「へーこんな感じなんだ。イブさんありがとう!」
「良いのよ。まぁ詳しく説明すると長くなるけど……D-Systemで勉強する?」
「う、う~ん。皆、どうする?」
皆、首を横に振ってますな。
「良いや。民主主義化する気は今の所、ないし。民主主義もメリットとデメリットがあると思う。もちろん僕達の国の制度もね」
「そうだね。共通するのはトップが駄目だと国民が困る事態になる事かな?それは特に災害等の非常事態発生時に顕著に現れる」
「うん。光一お兄さん。僕の国の例の大事件がまさにそれだね。黒幕は財務大臣とは言え、お父様が国民の声を聞かなくなったりと駄目になってしまったから大事件が起こってしまった。僕はそうならない様に気をつけるよ」
「まぁ大丈夫だよ。気楽にね。僕が再発防止策を講じたから大丈夫。これは世界各国での話でもあるね」
「光一、開票が始まったわ」
「おーブリタニア。始まった?……僕の予想を言っても良いかなぁ?」
「光一、言ってみて」
「何だかんだで与党側が勝つと思うんだよねぇ。理由はイブの話を聞いた所、野党側に勝つ気が無さそうだったから。『票を稼ぎたい』『大敗しちゃうから誤魔化したい』『「消えた内閣」を非難した方が良いと考えた』だったよね?イブ。まぁ切り取りだけど要点は押さえているでしょう?」
「そうね。私はそう言ったし、実際の選挙戦でもそうだったわ」
「与党側は『大和王国との同盟関係を維持すべきかどうか』を争点にするという一応の政策を出して来ている。一方の野党側にはそれがないのかな?イブから聞いていないだけかな?」
「一応、どちらの陣営も細かい政策は出しているけど、選挙戦で主張をしているのは私が言った事だけね。与党側は『大和王国と同盟関係を維持すべきだ』という主張。野党側は『消えた内閣』とこの混乱状態を招いた与党側の非難に力を入れている」
「それ前にも言ったけど、野党側にも消えた人がいたら説得力ゼロなんだよね。そして今は亡き人達を非難した所でね。大切なのはこの先、どうするかだからさ。勝って政権を取りたいなら与党側の非難に力を入れずに、『与党側はこう言っていますが我々はこういう政策をして行きます。だから勝たせてください!』の方が良いよね」
「それについての合衆国政府と私の分析は一致していてね。野党側は勝つ気はない。ある程度は議席の議席を確保出来ればそれで十分なの」
「それはまた何故かな?」
「自分達で政策を考えるより与党側の政策にケチつけて反対したり、不祥事を追求する方が楽だから。マスコミの傾向としては与党側の議員の不祥事は大々的に取り上げるけど、野党側の議員の不祥事はサラッと流すからね~」
「はぁ……民主主義の悪い所だと僕は思うなぁ」
「という事だから光一さん、この開票結果で重要になるのはどちらの陣営がどれだけ議席を確保するかよ。光一さんは説得力ゼロと言うけど、この混乱状態を招いた事実はあるから国民がそこをどう評価するかは重要。更に大和王国との同盟関係に国民の多数が反対する可能性もあるからそこも重要になってくるわ」
「あー本人達が勝つ気無くても勝っちゃう可能性もあるのかぁ~。まぁそれはそれで良いけどね。民主主義国家だからさ。国民がそれを選んだのなら僕達はそれを受け入れるだけだよ」
「う~ん。私達の分析では今の与党側が負ける可能性はないわね。かと言って圧勝もしない」
「なして?」
「我々がこれまで日本国内外で活動してきた事は決して無駄な事ではないわ。だから同盟関係維持という民意になると思われる。しかしながら、混乱状態を招いたのは事実。そして憲法バグが明らかになったとは言え特殊な事例だし、憲法改正に慎重な国民が多い。だからバランス票が野党側に入る。与党を圧勝させない為の票がね。だから圧勝はしないと思われるわ」
「えー同盟関係維持なのぉ~。面倒だなぁ~」
「あれ?光一、意外。同盟関係維持に賛成なのかと思っていたんだけど違うの?」
「同盟関係維持自体は良いよ?でもさぁイブ。僕達は敢えて条約に一方的に廃棄できる旨だけを規定したんだよね。一年前に通告するとか破棄の通告から6ヶ月後に失効するとか書かずにね」
「そうね。光一さん。だって面倒なんだもの。破棄となったら即座に出来ないとね。……だから正式には『同盟関係維持』ではないのよね~。維持も何も既に破棄されているんだもの」
「つまり僕が面倒なのは条約に1年前とか何ヶ月前とか追記される事なの。それに他にも大和王国側に不利な条文を追記されても面倒」
「あー。光一さん。その場合は署名しない事に今したわ」
「イブ、ありがとう。それでいこう」
「了解よ」





