697 日本の官僚集合と超法規的措置
202X年6月21日
~生命神さんが消えてから5分後~
「光一さん、準備が出来たと部下から報告があったわ。私が連れて来るわね」
「うん。よろしくね……僕の妻達~。特に唯と千早。住居用プライベートエリアに帰っていても大丈夫だよ」
「光一、私は第一王妃だし残るわよ」
「光一さん、私は平気よ!私も残る!」
「光一さん、僕も大丈夫です。残ります」
「唯と千早……気にしないでって言われるんだろうけど言わせて。不快にさせたらゴメンね」
「光一、私が言うのも何だけど本人が大丈夫だと言っているのだから良いのよ。それじゃ残る人は挙手~!……はい。全員♪」
「本当に良い妻達だよ」
「光一さん、全員連れて来たわ。それではご着席ください。日本側の代表は基本的に外務省職員の石原一馬さんでお願い致します」
「お忙しい中、お集まりいただきありがとう。大和王国国王で上級神の小鳥遊光一だよ。普段は敬語を好むんだけど悪いけど立場的に敢えて敬語を使わないでお話させて。この世界の天界でも色々とあった影響で僕がこの世界で一番偉い神になってしまったんだ。あー。分かるよ。『コイツ何を言っているんだ?』って思うよね。まず、ここが天界である証明としてテーブルの上に水を湧かせるね。あっ安心して。濡れないようにするから」
僕はイメージをしてテーブルの上から水を湧かせた。
そして座っている人が濡れないようにテーブルから落ちたら消える様にイメージをした。
「「「「「おー!」」」」」
「これは魔法ではないよ?天界だから出来る事だよ。分かってもらえたかな?それじゃ消すね」
僕は水が湧くのを止めると同時に、テーブルに水滴が残らないようにした。
「おっと。悪いね。せっかく来てもらったのにお茶も出さず」
僕はアイテムボックスからアイスティーの入った冷水筒を複数出した。ちゃんと冷えている。
天界だからイメージをすればアイスティーも湧くだろうけど、こっちの方が慣れているからさ。
皆の前に魔法でコップを配布して、転移魔法の応用でコップにアイスティーを入れた。
「今のは魔法ね。ノンカフェインだし毒も入っていないから安心して。まぁ遠慮すると思うから僕から飲むね」
僕はアイスティーを飲んだ。うん、相変わらず美味しい。
「皆、忙しいから『飲み物飲んでいる暇ないんだよ!早く話をして帰らせろ』って思うかもしれないけど、急いては事を仕損じるだよ。走れば躓くとも言う。非常事態だからこそ落ち着こう。まず、結論を言うね。内閣総理大臣及びその他の国務大臣はお亡くなりになったよ。電話回線がパンクしていて繋がらないとかではなく、行方不明でもない。亡くなったんだ」
日本側の官僚は悲痛な表情をしている。
「な、何故そう断言出来るのでしょうか?いえ、何故、亡くなったのかご教示いただけませんか?」
「僕の友人の神が偶然、見ていたんだけどね。組閣後に大臣達でパーティーをしたらしいの。そこで上級神である僕に対して、まぁそれは中々の暴言を吐いていたと言っていたよ。酒の勢いでついってヤツなんだろうけどと。『ほら特に性格の悪い人間ってその場にいない人の悪口を言って盛り上がる事もあるじゃない?それと同じだよ』と教えてくれたんだ。僕はあまりメンバーを見ていないけど、いわゆるお友達内閣だったのかな?」
「あっ!……お、お友達内閣というのは正直、その通りです」
「おぉ?一馬さんは心当たりがあるのかな?僕は友人の神に『どうせあれでしょ?「何が火星神だ。フザケやがって。火星人の間違えじゃないのか?」……』」
僕は生命神に言った内容と生命神さんが『全く同じとは言わないけど大体、同じ様な発言。内閣全員お亡くなりになっているはず』と答えてくれたのを伝えた。
……うん。空気が重くなったね。
「僕はどんな暴言を吐かれたのか興味はないけどさ。一馬さん心当たりがあるの?」
「……はい。申し訳ありません。私も呼ばれたのでその場にいました。おっしゃる通りです。私としては同盟国の国王に対して…それも大和王国から動画で警告があった様に上級神様に対してその発言はないだろうと思ったのですが、立場上、何も言えなかったんです。ご理解いただけますと幸いです」
「うん。分かるよ。本来なら本人や政党幹部に対して抗議すべき事であり、ここにお集まりの皆さんに言っても仕方ない事だと思うけどさ。大和王国の国王としては同盟国に対するモノとは思えない暴言に断固抗議したい。内閣が消滅して皆さんが苦労しているのはそのせいだからね?僕のせいじゃないよ。本当に恨むなら頭の悪い今は亡き人達を恨んでね」
「はい。断固抗議されるのは当然の事と存じます。もう本当に私としてもどうしてくれるんだとあの連中に怒り心頭に発する思いです」
「うん。それでね今、通信障害が発生しているじゃない?これは世界的なモノでね。多分、地球を復活させる際に一瞬、停電したか、ネットワーク機器も地球と同じ様に再構築された関係でネットワーク経路の再計算が行われ、その負荷によりネットワーク機器がダウンしているんだと思う。これは復旧までに数日はかかるんじゃないかな?専門家ではないから多分だけどね」
「あ、貴方様に言っても仕方ない事ですが……こ、この状態が数日も続いたら困ります。マズイです!」
「あなたが総務省の担当者さんなのかな?」
「は、はい。そうです。中山と申します。電話も使えないので非常に困っています」
「あー。電話ね。それは改善策を考えてはみるよ。まず確実に行える事から進めよう。国交省の管轄かな?それとも法務省下の警察庁?まぁどっちでも良いや。人が乗っていない車で混乱が生じていると認識している。イブ、どういう状況?」
「警察庁に確認した所、『本件は災害対策基本法にある「災害時における車両の移動等」に該当すると思われる。道路管理者である国や都道府県の管轄になると思う。……だけどぶっちゃけ面倒だよ?道路区間指定手続きとかあるから』という内容の回答だったわ。だからまだ何もしていない」
「あーそういう感じなのね?本当に民主主義国家って面倒だなぁ。ここは天界だからここにいるメンバーと神以外の耳に入る事はない。法務省に現状確認するね。内閣は消えた。これによって国会を開き組閣する事が憲法上出来なくなっている。この認識に相違ない?」
「はい。おっしゃる通りです。ご認識に相違ありません」
「となると、いずれにせよ超法規的措置をとらざるを得ない。人がいなくなった車を放っておいても盗難が発生するだけ。大和王国側で車両を傷つける事なく撤去するから駄目かな?もう問題になったら僕の責任で良いからさ。皆さんは何も聞かなかった。大和王国が勝手にやった。それで良いかな?事前に全ての日本国民にアナウンスするよ」
「そ、それは。申し訳ありませんが、何とも言えませんと回答させてください」
「君は真面目だね。その回答で十分だよ。国王補佐官、国王代理ちゃんに全ての日本国民にアナウンスをお願い出来る?」
「光一さん、可能よ」
「ナビィも協力をお願い出来る?」
「分かったわ。カメラマン役は任せて」
「異世界側の生命神さん来てくれるかな?」
「……うん?何かな」
「組閣後の大臣達のパーティーの様子をイブに共有出来る?」
「あー。そんな事?可能だよ?イブさん、頭を近付けるね」
「お願いします……共有ありがとうございます」
「良いの、良いの。他には何かあるかな?」
「ありがとう。大丈夫だよ。また何かあったらよろしくね」
「りょうかーい!そんじゃばいば~い」
生命神さんは消えた。





