68 リーベ王国国王と電話
1年6月1日
しばらく待つ…一瞬が1時間のようにとても長く感じる。
やっぱり私もそろそろマズそう。
「おう、ブリタニアどうしたんだ?そこそこ大事な会議を抜け出して来たんだが?」
「お父様、非常に重要な国家機密を話したいの。周りに誰かいる?」
『ヴェスターと宰相がおるが……』
「その2人は絶対に口外しないと信用できる?」
『お前も知っている2人だろ?どうした?』
「もちろん知っているわ。その上で国王代理として確認しているの」
『2人とも信用できる。大丈夫だ。口外する事はない』
「そう。お父様、落ち着いて聞いて」
『なんだ?そこまでか?分かった心を構えて聞こう』
「国王陛下つまりコウイチが先日倒れたの」
『なんだとぉ!?おぉすまない。つい……大丈夫なのか?』
「大丈夫なら私がこうやって電話していないわ」
『そうか思慮が足りなかったスマン。どういう状態なんだ?』
「倒れて数日寝込んでいたの。最初は過労だろうと思ったわ」
『そうか……過労では無かったんだな』
「神界に連れて行って創造神様と生命神様に診てもらったの」
『神界にか……どうだった』
「先に結論から話すわ。コウイチは今朝、私が手を握ったら目を覚ました。けど記憶を失っていたの」
『そうか、ブリタニア。色々と辛い思いをしただろう。ブリタニアが最初に周りに誰かいるか聞いた理由も理解した』
「生命神様によるとコウイチは精神がすり減っているみたいなの……神でも簡単に治せないと。寝たきりの時に最悪は廃人になる可能性もあると聞いたわ。それに比べたら記憶喪失はマシよ……でもっ」
色々な思いがこみ上げて来て涙が出てきた。
『分かるぞブリタニア。今まで1人で色々と抱えていたんだろ?さぞ辛かっただろう。原因は分かるのか?』
私は何度も繰り返し説明したエイドから聞いたことを説明した。
・故郷のそれも少女が自分のせいもあり酷い目にあった事を腹立たしく思うとともにショックだった。
・自分がきっかけで自分の故郷から自分の苗字と同じ人をこの世界に無理矢理に召喚され、筆舌に尽くしがたい酷い目にあった。
・相手の痛みを理解し苦しむそういう性格。
・彼女達が酷く傷ついた状態を目にした。
・普通の人なら見ただけで吐き気をもよおす程の惨状でもコウイチは彼女達に失礼だからと吐き気を我慢し救出した。
・『良い話』と『悪い話』その両方を回避するために最善を尽くした。
「生命神様は『これは僕達神々のせいだ』と『我々の責任だ』と言っていたわ。でもどうしても1人でいると考えてしまうの、私がもっと気付いてあげて、癒やしてあげられたんじゃないかと…お父様、私、やっぱつらいわ」
『軽々と言うつもりはないが気持ちは重々よく分かる。分かった。エイリーンをそちらに送る。ヴェスター!エイリーンの護衛を頼む!……よく連絡してきてくれた。連絡してくれて良かったよ。もう少し辛抱してくれ』
「うん、今は側近としてエテルノのアクアオーラちゃんがいるからもう少しなら耐えるわ」
『分かった。また何か困ったことがあれば相談してほしい。我が国に出来ることがあれば何でもする』
「うん、その時はお願いね。それじゃありがとう失礼するわ」
「またな」
電話を切った。少し気分が落ち着いた気がする。
早くお母様来ないかな?
あ、そうだ迎える準備をしないとベルを鳴らす。
「はい、なんでしょうか?」
「今日からリーベ王国の客人が来るわ。人数を聞くのを忘れたけど多分、6名。客室の準備をして、それから駅に王族の紋章が付いた魔導自動車を2台送ってちょうだい!悪いけどお願いね」
「分かりました!手分けして対応します!」
王族の紋章は夕日をイメージした白地にオレンジの丸が描かれた国旗の両サイドを青いバラ2本が囲っているデザイン。
これはコウイチと話し合って決めた。
何故、夕日なのかと聞いたらコウイチは「僕の故郷はこの世界の我が国と形が似ているんだよ。故郷は赤い日の丸で日の出の太陽を象徴するデザインなんだ。だから我が国は日暮れの太陽を象徴する夕日が良いと思ったんだ」と答えた。
そしてこの世界で青いバラは見たことがないから何故、青いバラなのか理由を聞いたの。
青いバラにしたのは花言葉が理由。
青いバラは自然界に存在せず花言葉は「不可能」や「存在しないもの」だったらしい。
しかしコウイチの世界では技術が発達し、青いバラが作られた。
それによって花言葉は「夢叶う」や「奇跡」などと言われるようになった。
中には「人工的な物だから認めない」という人もいるようだけど、コウイチは研究者の努力により不可能を可能にし夢が叶ったという考えで素敵な花言葉だと思っている。
……それを聞いて素敵だと思って採用したの。
国旗は夕日をイメージしたデザイン。王族の紋章はその両サイドを青いバラで囲うようなデザイン。
私はこのデザインが好きだ!コウイチが提案してくれたこのデザインが好きなの。
コウイチ、早く戻ってきて。必ず戻ってくると信じているから!





