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63 目覚めない国王と神界

 1年5月30日


 私は2時間~3時間程泣いて満足した。

 今戻ると泣いたのがバレるから涙をふいてお化粧直しして誤魔化そう。

 よし、これならバレないだろう。目が赤いのは埃が入ったことにしよう。


 まだ寝てたら蹴り飛ばしてやるんだから!

 空間魔法のゲートで病院に戻る。歩いてコウイチの病室まで来た。

 コウイチは…まだ寝てる。


「ねぇナビィ?蹴り飛ばしても良いかな?そうすれば起きるでしょ?」


「え!?だ、駄目ですよ!」


「えぇええい!おりゃああああ!!(ドスンッ」


「マスター起きませんね」


「ねぇナビィ?あれだけ思いっきり蹴って起きないって脳死していない?大丈夫?」


「その可能性は……ないはずです。恐らくマスターは耐久力が高いので効果が無かっただけだと思います」


「そうかな……そうだと良いんだけど」


「そんなに心配なら一度、創造神様に診てもらいましょう」


「え?天界に行けるの?」


「いけますよ。私これでも天使ですから(えっへん)」


「それじゃお願い」


「了解です」



 あ、天界に来た。コウイチも一緒にいる。


「創造神様、コウイチが倒れたまま起きないんです!大丈夫でしょうか?」


「おぉその様子は観ておったよ。……うむ、寝てるだけじゃな」


「脳死していないですよね?大丈夫ですよね?」


「大丈夫じゃよ。…多分。もし脳死していたらコウイチが元いた世界の神が激怒する……考えただけでも怖い」


「た、多分!?多分って言いました?というかコウイチが過労で倒れた時点で激怒しませんか?」


「ワシも専門外じゃから断定出来ないんじゃよ。……た、確かに言われてみれば過労で倒れた時点で怒られそう」


「心配なので専門の神様を呼んでもらえませんか?」


「ワシも心配になってきた……生命神!急用じゃ!帰ってこい!」


「……それで帰ってくるんですか?」


「帰ってくる……多分」


「なぁにぃ?呼んだ?僕忙しいんだけど」


「ほら帰ってきたじゃろ!忙しいって地球で遊んでいるだけじゃろ」


「失礼だなぁ。僕のは視察。観光じゃないよ」


「もうそれは良い。今はコウイチくんを診てくれ」


「コウイチくん……?あぁ地球から連れてきた子ね。どうかしたの?」


「恐らく過労だと思われるが倒れて目が覚めないんじゃよ」


「どれどれ?あぁマズイねこれは。精神がすり減ってギリギリの状態だよ。これ地球の神に怒られそう……確かに視察どころじゃないね」


「ど、どういうこと?」


「ん?君は?あっコウイチくんの奥さんだったねゴメン。聞かない方が良いかもしれないけど聞く?」


「聞かないでモヤモヤするより聞いたほうが良いわ」


「分かった。冷静に聞いてね。コウイチくんは精神がすり減っていて目が覚めたとしても記憶喪失や廃人になるかもしれない」


「そ、そんな。地球から連れて来られた彼女達みたいに治せないの?」


「うーん、なんて言うのかな。方向性の違い?傷ついたのとすり減ったのではまた違うんだよ」


「傷ついたものは傷をうめれば治せるけど、すり減ったものはそうはいかないから治すのが難しい」


「なんですり減ったの?過労?」


「過労もあるとは思うけど主な原因は地球から連れて来られた彼女達関連だろうね……」


「天使のエイドちゃんが言っていたこと?」


「エイドはなんて言ってたんだい?」


 私はエイドから聞いたことを説明した。

 ・故郷のそれも少女が自分のせいもあり酷い目にあった事を腹立たしく思うとともにショックだった。

 ・自分がきっかけで自分の故郷から自分の苗字と同じ人をこの世界に無理矢理に召喚され、筆舌に尽くしがたい酷い目にあった。

 ・相手の痛みを理解し苦しむそういう性格。

 ・彼女達が酷く傷ついた状態を目にした。

 ・普通の人なら見ただけで吐き気をもよおす程の惨状でもコウイチは彼女達に失礼だからと吐き気を我慢し救出した。

 ・『良い話』と『悪い話』その両方を回避するために最善を尽くした。

 ・疲れている中、壁の建設作業をした。

 ……これを聞いた途端に生命神様の顔色が変わった。


「多分、壁の建設作業はあまり関係ないよ。やっていなくても倒れていたと思う。僕達神々のせいだ。配慮が足りなかった。神の1人として申し訳なく思う……1人に重く辛いモノを押し付けすぎた我々神々のせい。だから君は自分の事を責める必要はない。むしろ僕達に怒って当然だと思う」


「うん……グスン、最初は神々に文句を言うつもりでいたの。でも側にいながら気付けなかったのが悔しくてっ!」


「うん、ゴメンね。今はいっぱい泣くと良いよ。でも君が気付けなかったのは仕方ない。多分、本人も気付いていなかったと思う。精神がすり減っているなんてなかなか気付けないよ。疲れとは別問題だから」


「うん……」


「創造神様、全ての神を招集しましょう。地球で遊んでいる場合ではないです。我々の責任なのだから」


「分かった。しかしやっぱりお前達遊んでいたんじゃないか!」


「申し訳ありません。この世界に変化がなくつまらなかったので、ですがこれからはコウイチくんの動向を注視すべきだと思います」


「そうじゃの」

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