641 現実逃避とボス戦とシェルター
1年9月29日
「(パラッ)ん?チョット待ってね?」
「光一さん、どうかした?」
「……今更になってというか無意識に現実逃避していたんだと思うけどね。地球の世界地図とこうして比較して見てみると…オーストラリア大陸が大きくなってませんかね?」
「えぇ、なっているわよ?南北に少し大きくなっているわね。地球で言うとパプアニューギニアの辺りまで大きくなっているかしらね」
「ちなみにこの世界の地図って……大和王国を引き延ばしていたりしませんかね?」
「そんな事はしてないわよ。自国を大きく見せるって?そんな事はしないわ」
「スゥーッ。……うちの国ってデカくない?」
「何を今更、言っているのかしら?地球で言う沖縄がインドの南端、スリランカの辺りまで来ているのよ?そして本州は地球で言う樺太の北端まであるのよ?比率が全体的に大きくなっているわ」
「あー!この世界に来る時にこの世界の世界地図を見たのを思い出した。この地図はアメリカ大陸まで載っていないけど、北海道や東北がアメリカ大陸に近かった気がする」
「その通りよ。地球と比べると南北アメリカ大陸は全体的に東に寄って北アメリカ大陸はグリーンランドとくっついているから。北海道や東北の目と鼻の先に北アメリカ大陸はあるわね。頑張れば海底トンネルで繋がるかなぁ?……というか世界地図を見たことがあるのに何を今更になって騒いでいるの?」
「いやいや、あの時は地球の世界地図と比較して見ていないから気付かなかったの!という事はこの資料にある大阪ってかなりの大都市じゃないですかね?」
「そうね。首都圏エリアも拡大する余地があるでしょ?」
「あーなんで地球の地図をコピーして街作りしたら周りに空白地帯が出来るのかと思ったらそういう事ね。いや、薄々は分かっていたんだけどね。東日本は北海道の横のサイズまでデカくなった影響だと思い込んでいた。……あれ?ナビィ?僕が『北海道の地形やサイズは地図でみる限り日本と同じだと思う』と言ったら、おっしゃる通りって言ってた気がする」
「……ナビィも現実逃避していたようね。『あー世界全体が小さくなっただけだわ~!』ってね。だってさぁ…嫌じゃないですか。巨大国家を開拓するなんて思うと。特に最初なんて2、3人しかいなかったし!」
「それだ!イブ、この惑星が地球よりも小さいんでは?」
「いやいや、殆ど変わらないわよ。いつまで現実逃避をしようとしているの?」
「ナビィ、部下の天使を増やして正解だったね」
「光一さん、今、ナビィも全く同じ事を考えていたわ。神になってくれてありがとう!」
「いやぁ建国当初は大変だったね。過労になるまで手伝ってくれてありがとうね」
「良いの、良いの。天使だし、今となっては笑い話みたいなモノだからね~!」
「イブ、トラバント地方やリア王国、グラウベ聖国でも人口増加プロジェクトってやっているのかな?」
「もちろんよ。そうね、トラバント地方はともかくリア王国やグラウベ聖国は大和王国の傘下にある他の国だから報告するべきだったわね。ごめんなさい。リア王国とグラウベ聖国の児童手当は子ども1人月5万円にしているわ」
「うん。まぁでもやってくれているなら良いんだ。ありがとう。他に報告はあるかな?」
「う~ん。特にないわね」
「了解。ハミルトンくん。午前中はレストランに顔を出して、午後はダンジョン攻略で良いかな?」
「光一お兄さん、大丈夫だよ。僕としてもそうしてもらえると助かるから」
「それじゃ行こうか!」
僕達はレストランに移動した。レストランに入るといつも通り何故か、スタンディングオベーションで迎えられる。
それだけ支持されているという事なんだと思うから、ありがたい事だと僕は思う。
~13時頃~
いやぁレストランは大変だったね。次から次へとお客様が来て、学校やパソコン教室等のD-System関連の件、後は人口増加プロジェクトの件、等など僕の政策について御礼を言っていただいた。嬉しい事だけど大変だったわ。
さてさて遂に3階層目の攻略。つまりボス戦だ!
いやぁどんな相手か楽しみだね!
「皆、準備は良いかな?……良さそうだね。それじゃ行こう」
少し重めのドアを開けて皆で中に入ると自動でドアが閉まり、それと同時に部屋の中央に魔物が現れた。
大きな広間の中央に魔物が3体。1体は巨大なアサリのような魔物、後の2体は金ピカのゴーレムだ。
……うん。大アサリが食べたくなってきたね。
「さてさてハミルトンくん。どう行く?」
「うん。まずは光一お兄さんに教えてもらったウォータージェットで2体のゴーレムの首を切断するよ。両手を使って手からビームを出すイメージで同時に2体を倒すね」
「おー!頑張るね~」
「その後に中央にいる貝の頭上に巨大な火の玉を出して、それを落として爆発させる。……多分、これで行けると思うけど、駄目だったら支援をお願いね」
「りょーかい!ではやってみよー!」
「うん!それじゃ戦闘開始だね!行くよ!」
僕達が近付くと魔物が動き出した。
ハミルトンくんは作戦通りにウォータージェットで2体のゴーレムの首を切断しようとするも苦戦。
まぁ3体はSランクだろうからね~。簡単にはやられませんよという事かな?
それでもハミルトンくんは諦めずに攻撃を続けて無事に首を切断した。
そして2体のゴーレムは消えて行く。
『ゴールデンゴーレムを2体倒しました』
首を攻撃されている影響なのかゴーレムの動きがトロかったからね~。
巨大な貝は寝ているのかって思う程、何もして来ないし。
貝を閉じて引きこもってますなぁ。
う~ん。確かに閉じている方が防御力が高いだろうけど、攻撃して来ないのは変だね?
……とか考えていたら2体のゴーレムが復活した。あっそういうパターンね?
「ハミルトンくん、先に真ん中の貝を先に倒さないと駄目だわ」
「了解!くらえ~!」
ハミルトンくんは作戦通りに巨大な火の玉を落として攻撃した。そして大爆発!お~良いねぇ。
『シェルフィッシュを1体倒しました』
お、おう。1発で倒しちゃったよ。まぁハミルトンくんのレベル、カンストしてるからね~。
そして2体のゴーレムも先程と同様に無事に倒した。
『ゴールデンゴーレムを2体倒しました』
「おー!1人でボス戦クリアしたね~!おめでとう!」
「ハミルトンくん、すごーい!」
「光一お兄さんと初音ちゃん、ありがとう!僕、嬉しいよ!魔法を教えてくれてありがとうね!」
「いえいえ~。それよりもアイテムを回収に行こう!」
「そうだね!」
僕達はアイテムを回収しに向かった。まずはゴーレムから。
「金500kgとSランクの魔石が2個ずつ落ちているね。ほぉ…復活した場合もドロップするんだ。これアレだね。貝の復活を利用すれば経験値とアイテムがめちゃくちゃ稼げるタイプだね!それじゃハミルトンくん、回収しちゃおう!」
「光一お兄さん、もらっちゃって良いの?」
「ハミルトンくん1人で倒したんだから良いんだよ。それに僕達は山程アイテムを持っているし」
「ありがとう!うわぁ金500kgとSランクの魔石!僕は今、とっても嬉しい!」
「それは良かった。アイテムボックスかインベントリは使えるかな?」
「うん!教えてもらったから両方使えるよ!アイテムボックスで収納するね!」
「よし!無事に回収したね!貝は最後でもう1体のゴーレムも見に行こう!」
「うん!」
「こっちは金1kgとSランクの魔石が2個ずつだね」
「僕にとっては金1kgとSランクの魔石でも凄い貴重なアイテムだよ。それじゃ頂くね」
「うん。全てハミルトンくんが倒したんだから全部持って行っちゃって」
「ありがとう!……収納完了!」
「さーて。貝からは何が出たのかなぁ?……ん?Sランクの魔石とシェルター?」
「光一お兄さん、シェルターって何?」
「その前に1つ言わせてほしい。シェルフィッシュだからシェルターって単純だなぁ!」
「光一お兄さん。設計した神様が聞いているんじゃ」
「あっ。スンマセン。つい言いたくなったので……それじゃ鑑定するね」
「うん!お願いするよ」
【シェルター】
どこでも使える便利なシェルターのドア。
ドアの先は2階建ての一軒屋と小さな庭があるよ。
小さいと言っても色々な食べ物が採れる大きな家庭菜園があるからそれなりの大きさはあるよ。
貴族の屋敷に比べたら小さいというだけで、一般家庭としては大きめじゃないかな?
家も8人家族で丁度良い大きさだし。風呂は8人入れる大きさだね。シャワーは2つあるよ。追い焚き機能付きの広いお風呂だね。
庭から外には出られないけど空や景色がないと精神的に良くないと思うから違和感を覚えない様にしたよ。
お水、電気を使える。もちろん魔石など必要なく水道光熱費がかからないエコな家。
IHコンロで料理が可能。調理器具や食器はあるから安心して。ただし、外への持ち出しは禁止しているからね。
ベッドはキングサイズ8人までなら余裕で寝られるね。
シーツは毎朝自動でキレイになるから安心して。お楽しみいただいても全然問題ないよ。
ドアは所有者の許可のない人や魔物などが侵入する事はないから安心してね。
セキュリティも万全!第三者に破壊される恐れはないよ。
ドアの先の空間に生物がいなくなればドアを収納可能。
ダンジョン内や道中のどこであろうと空間があればドアを設置可能。
最初に所有者登録をすれば自らの意思で所有者変更をしない限り永久にあなたの物。
ドアに入ってもドアの外の時間は進むからね。
家庭菜園からは色々な食べ物が採れるから栄養失調とかの恐れはないね。
採れる食べ物は設定から変えられるよ。設定から変えても初期設定に簡単に戻せる。
食べ物は採っても毎朝、採れるから食糧不足の心配もないね。
ただし、ドアの外への持ち出しは出来ないよ。調理器具等もそうだけどインベントリ等に収納不可になっている。
そしてシェルターには人工知能がいて、呼びかけると空間投影で現れるよ。
設定は人工知能に言えば変えてくれるから安心してね。ドアの外の様子を聞けば人工知能が教えてくれるよ。
さてここまで説明すれば何故シェルターなのか分かってもらえたよね?
襲われたりといった何らかの命の危機に陥った際に逃げ込める避難所だよ。
ただし、あなたが犯罪者なら人工知能がドアから追い出すから悪い事はしちゃ駄目だよ?
犯罪者と言っても理不尽な法律については対象外だから安心して。
例えば特定の種族を差別して何も悪い事をしていないのに強制収容するとか処刑するとかそういうのは対象外。
だって、そういうものから逃げ込める為のアイテムだからね。
「おー!僕にピッタリだと思う。超機密事項を誰かと話すのにも丁度良いよね!誰にも盗聴されないし、襲撃されても逃げ込めるし最高のアイテムだね!それじゃ収納っと」
「ハミルトンくん、良かったね」
「うん!ダンジョン攻略は楽しかったし、魔法も上達したし、良いアイテムも手に入った。皆、付き合ってくれてありがとう」
「お姉ちゃん、ハミルトンが成長して嬉しいわ!良いアイテムも手に入って良かったわね!」
「うん!お姉ちゃんもありがとう!」
「良いのよ。それじゃ光一、帰ろうか」
「そうだね」
その後、僕達は天界のマンションに帰り大浴場で身体を洗ったり楽しんだりした。





