55 2日目の国際会議の開始
1年5月29日
2日目の国際会議に向けて準備をしようと思ってエイドに地球の国際条約をまとめた本を買ってもらった。
すぐに買ってきてくれたのは良いんだが……数ページ読んで諦めた。
いやだって国語辞典並に分厚い上、まだこの世界には早すぎる内容もある。
例えば領海や領空を決めるためにはマイルという単位が必要だがこの世界にはまだその概念がない。
これはアレだな……必要そうな国際法をエテルノに選別してもらって各国の官僚と話し合って決めてもらおう。
実務者会議というやつかな。
時間になったので国際会議場に行きますか。
ちなみに僕含め各国の代表はホテルから会場までエテルノが運転する魔導自動車で送迎している。
全員集まったようで部下が合図するベルを鳴らした。
そして僕はドアを開けて部屋に入る。
そう言えば国際法に席次も細かく書かれていたな。
面倒くさいと思うのは僕だけだろうか。
……などと考えながら席に座り皆様が席に座った事を確認した。
「それでは会議を始めようと思います。まず先程、創造神様からお話があったかと思いますが第一級非常事態が解除されました。また皆様の協力により神々は処分なしと決定……つまり魔法の廃止や世界の破壊という可能性は無くなったと先程、創造神様からお話を伺いました。もしかしたら聖女様も直接この話を創造神様から伺ったのではないでしょうか?」
「はい、私もお話を伺いました。処分なしと決定されて良かったと思います」
各国の代表もホッとしたような顔をしている。
「本日は私から皆様に3つ提案があります。既にリーベ王国さんとの間で実施させていただいているのですが、世界各国に大使館を設置させていただければと思います」
一度、話を区切って周りを見渡す。
「大使館とは国交が成立している外国に、自国の特命全権大使を駐在させて公務を執行する役所です。特命全権大使は自国を代表して設置した国と交渉したり、自国民の保護等を行います。さらに自国と設置した国との経済、文化等の関係を発展させ、友好関係を促進するように努める役目があります。…要は国家間の連絡役です。大使館は我が国とリアルタイムで連絡が出来るような体制とさせていただきます」
「おお」と各国の代表から驚きの声があがる。
「ただし、いくつか条件があります。まず、ケーブルを設置するため地下深くを掘らせていただきたい。次に外交特権というもので、その敷地は不可侵であり設置された国家の官憲は特命全権大使の同意なしに立ち入ることが出来ない。租税などについても全て本国の領土と同じ扱いを受ける。つまり、大使館の敷地内はその大使館設置国の領土と言っても過言ではなく、敷地内は大使館設置国の法律が適用されるようにしていただきたいです。また、設置された国家は私人による公館への侵入・破壊及び、公館の安寧・威厳の侵害を防止するために、適当なすべての措置をとる特別の義務を負う。……という条件でお願いしたいです」
皆、難しそうな表情をしている。
「条件については私がいた世界共通のルールを参考にさせていただいておりますが、詳細については後程、特命全権大使を派遣した際に交渉させていただき、お互いの国で条約を締結させていただけたらと思います」
「可能でしたら各国の首都に大使館を設置させていただければと思います。その点については後程、個別でご相談させてください」
「2つ目の提案は『国際連合』の設立です。国際の平和及び安全を維持するのが主な目的です。我々人類にとって平和を脅かす共通の敵はなんでしょうか?……国によっては既に制圧しているかもしれませんが、特にアーシア大陸と我が国は魔物という共通の敵が存在すると思います。人類同士で戦争をするくらいなら魔物の領域を制圧して国土を拡大したほうが建設的だと私は考えます」
ここで一度区切って周りの反応を観る。
「国際連合の詳細については我が国の特命全権大使と各国で話し合って決めていければと考えております。また、諸国間の友好関係を発展させるためにも定期的にこのような会議を開いていければと考えております。ただ、現在の技術では各国の代表が私無しで集まる事は出来ません。そこで会議をする際は我が国の大使館にお越しいただいてテレビ会議というものが出来たらと思います」
各国の代表は頭に、はてなマークが出ている。
「突然テレビ会議と言われてもイメージ出来ないと思いますので実際にお見せしたいと思います。あちらの黒い四角の機械をご覧ください」
モニターのリモコンを操作して電源を付ける。
各国首脳の皆さんはどんな反応をするだろうか楽しみだ。
投稿主も実際に国際条約をまとめた分厚い本を買ったんです。物語の参考になればと思って。
席次に関する規則とか面倒くさいなぁと思ってwiki見たら
「大使同士の席次争いが決闘に発展することもあった」
……こわっ!





