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39 トマホーク発射とクーデター?

 1年5月17日


 15分経った。

 予定通りに対地ミサイルのトマホークを議会に3発撃ち込む。

 相手は3発の大砲で1発しか建物に当たらなかったがこちらは100発100中だと見せつける。

 周りに兵士のような人がいるがしらないよ。


「それでは時間になりましたのでミサイルというものを撃ちますね。周りの兵士さん本当に離れた方が良いですよ?…では発射」


 3発のトマホークが発射され飛んでいく。

 あっ一応、発射する瞬間は艦載機からの艦隊を空撮した映像は流さなかった。


「皆さん、議会らしきものを御覧ください。間もなく消えて無くなる事でしょう…あっミサイルが飛んできましたねー。…見事に3発のミサイルが着弾しました。この通り我が軍は遠距離から100発100中で攻撃可能なのです。大砲をたくさん並べて撃つ?我が国はそのレベルにありません」


 各国の偉い人達が理解してくれれば良いけど…理解してくれるかなぁ?


「私は創造神様によって他の世界から連れて来られました。それはリーベ王国さんに確認してもらえれば事実だと分かってもらえると思いますよ。私が来た世界というのは2度の世界大戦をしており、特に私が住んでいた国の国民は皆、戦争の恐ろしさを十分に理解しています。私がつくった国が『侵略戦争をしない』と憲法に明記しているのはそれが理由です。しかし、宣戦布告され攻撃されれば国民の生命や財産を守る為に自衛権を行使します。それは国として当然の事でしょう。各国の指導者にはそれを理解してもらいたい」


 残念ながら相手に舐められたら狙われるのが現実だ。

 警察がすぐに来ないような場所にありセキュリティが甘い銀行は狙われるだろう。

 そうならないために抑止力は必要だ。抑止力とは何も軍事力だけではない。

 政治や外交も重要だ。「やられたら倍返しですよ。損しますよ」という政治姿勢を見せること。

 国際社会、国際世論を味方に付ける事が重要。いざという時に仲間になってくれる国、味方は多ければ多いほど良い。


「明日、我々の艦隊はリア王国の沖に到着します。我が国の立場、姿勢をご理解いただければ明日の朝、リア王国の王城に白旗をあげていただき戦意がないことを示してもらいたい。賢明な判断を期待します。それから我が国に派兵された600人の捕虜は全員無事です。連れてきておりますので引き渡し可能です。我が国としては賠償金を請求するつもりは一切ありません。600人の捕虜の飲食等のコストだけ払っていただければ十分です。以上で終了します」


 世界各国の首都に流していた映像と音声を終えた。

 明日、白旗をあげてくれれば良いんだけどな。

 僕は早く帰って自国の開拓を進めたいんだからさぁ。


 あっ、そうだリア王国側は偉い人達が集まって対応を話し合うだろうから小型偵察用ドローンを使って盗聴しよう。



 ~偵察用ドローンの盗聴音声~


『国王陛下いかがいたしますか?』


『ふんっ!降参などするか!』


『全くその通りですな!我々の議会を破壊しやがって!許せん!』


『海軍を使って追い払いましょう!』


『そうだな。犠牲が出るだろうが海軍など使い捨ての駒に過ぎん』


『もし、海軍が全滅した場合はどうしますか?』


『その時は陸軍を派遣すれば良かろう。犠牲が出るかもしれんが致し方ないな。所詮は使い捨ての駒だ』


『市民を強制的に徴兵してはいかがですか?市民などゴミのようにいますからな』


『おぉ!それは良い案だ!増税して払えない者は徴兵とか良いかもしれんな』


『全くその通りです』


『しかし、商人に貸し与え出向させた連中が全員無事だとは驚きだ』


『国王陛下もなかなかの悪ですな。帳簿上は20日分の水と食料を用意した事にして半分しか積み込まずに浮いたお金を懐に入れるとは…我々もおこぼれをいただきありがたい事です』


『なぁに大したことない。使い捨ての兵がどうなろうと知ったことではない』


『ハッハッハ、全くですな』


『国王陛下、陸軍に盗賊退治という名目で山狩りさせて同じように兵糧は半分だけというのはどうですかな』


『おぉ、それは良い案』


『そうだ!国王陛下、白い旗を掲げて降伏したと見せかけて相手を和平交渉などと言って上陸させて奇襲攻撃するのはどうでしょうか?』


『白旗を上げるのは癪にさわるが…その案が良さそうだ。敵の船も手に入るからな。陸軍が勝手にやったと言って現場の者を処刑すれば周辺国から何も言われまい』


『ではそのように致しましょう』



 偵察用ドローンに盗聴させて録音しておいて良かった。上手く使えばクーデターを起こせそうだ。



 1年5月18日


 翌朝の9時、白旗が上がっているのを確認した。やっぱりあの作戦を実行するんだろうなぁ…させないけど。


「世界各国の皆さん、おはようございます。今日は大スクープですよ!まずはこの音声をお聞きください。これはリア王国の王城での会話です。それではどうぞ…」


 録音した音声を世界各国の首都に流す。

 世界各国の様子を映像で観ているがやはり皆ドン引きしているね。


「これはあまりにも酷いですね…リア王国の国民の皆さん、陸軍、海軍の皆さんはこれをどう思いますでしょうか?使い捨てだなんて我が国ではありえない発言に正直、驚いています。残念ながらリア王国の偉い人達は非友好的なようですので我が国としては交渉など出来そうにありません。状況が変われば良いのですが…それでは本日は失礼します」


 その後も偵察用ドローンに状況を確認させていた。ずっと様子を観ている訳にはいかないので本艦のAIに観ていてもらって、動きがあったら教えてもらうようにした。


 その日の翌日、午前2時頃に動きがあった。起こされた時についイラッとしそうになった。危ない危ない。

 火のついた松明を持った多くの人々が王城に向かっている。

 腰に剣を差した人や手になたなどの農具を持った人々もいる。

 よく見ると王城だけでなく貴族の館に向かっている人々もいる。

 …クーデター?革命?なんだなんだ?

 王城の近衛兵と思われる制服を着た人が王城の門を開けて合流している。


 いや、あまりにも酷い会話だったから少しはこうなることを期待していたよ。うん。

 でも近衛兵まで参加するとは思わなかった。

 軍人だけでなく市民も参加しているっぽいし…多分、これまで色々と酷いことやってきたんだろうな。

 同情するよ…リア王国の国民の皆さんに。


 ずっと様子を観ている訳にはいかないし眠いので寝よ。

 何なら後でダイジェストで観ても良いし。おやすみ。

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