38 事情聴取と出航
1年5月15日
敵兵は全部で600人。1隻に200人ずつだった。
横須賀に東京拘置所みたいなものを作っといて良かったよ。
あれ何であんなX型の建物なのかと言うと中央に監視台を置けば360度監視出来て効率が良いから。
そんで全敵兵を拘束して捕虜として拘置所にブチこんだんだけど皆、死にかけの状態だった。
いや、僕のせいではないよ。話を聞くとどうも20日かけてここまで来たが10日分の食料しか積んでいなかったらしい。
理由は横領っぽい。帳簿上は20日分の食料を積んだ事にして実際は半分までしか積まず浮いたお金はお偉いさんのポッケの中。
…総督とか幹部クラスは普通に食事をしていたが、他の兵士は2日に1回の食事。
だから食事と飲み物を提供したら普通の兵士はペラペラ喋ってくれたよ。
どうも横暴な国王と貴族ばかりで兵士は使い捨てという感じで軍部から嫌われている。
しかし不正の証拠がないので動けない。貴族で構成された議会がある。
今回、指揮官とか言ってる奴は商人で国王に多額の献金でもしたのだろうとのこと。
商人ではあるが国王に任命された指揮官なので逆らえなかった。
出発して最初に食事をするまで食料が半分しか積んでいないなんて知らなかった。
今回の事で国王と貴族達には腹がたった。何でも協力する。
国民も重税により国に不満がある。
証拠さえあれば軍部が動く…つまりクーデターあるいは革命がおこせるかもしれない。
…兵士は皆、怒っていた。まぁ当たり前だよね。指揮官とか言ってる商人だけは騒いでいるけど。
う~ん、相手国に反撃せず放置するという手もあるんだけどね。
どうせ偉い人達は「なんだ失敗したか」と思うだけだろうし。
だけど、今回と同じように第2、第3とやられたら面倒だし困る。
特にうちの国は早期に発見し対処でき、お互い損害無く済んだが、アーシア大陸の方に上陸したら被害が出るかもしれない。
ここは反撃するとともに国際社会に我が国の立場を明確化した方が良いと思う。
ちなみに反撃と言っても制圧するとかそんな面倒な事をするつもりはない。
航空ショーをして対地ミサイルのトマホークを議会に3発撃ち込んであげれば良いだろう。
やられたらやり返す、倍返しだ!…この方針をブリタニア、ナビィ、エイド、ゼオライトに伝えた。
「マスター、測位衛星34基と通信衛星1基、気象衛星1基の配置許可を願います」
「配置って…ロケット打ち上げるの?」
「いえ、既に製造済みのこれらの人工衛星を空間魔法で正確に転移させて配置します」
「す、既に製造済みなんだ…出来るの!?」
「私なら出来ます!目的はGPSと日本のみちびきと同じ働きをさせる測位衛星34基、国外でも通信するための高性能な通信衛星、高性能な気象衛星はついでです」
「なるほど…分かった。よろしくお願いします(気象衛星はついでなんだ…)」
「まかせてください!」
横須賀の沖合に我が国の艦隊が到着した。
空母2隻を先頭に2列目がイージス巡洋艦2隻とその間にミサイル巡洋艦1隻、3列目がミサイル巡洋艦2隻とその間に補給艦の艦隊だ。
イメージはこんな感じ。ちなみに軍艦は魔石で動いている。
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2列目真ん中のミサイル巡洋艦を旗艦にして相手国に向かう予定だ。
予想では3日半あれば相手国に到着する予定のようだが、射程に入った段階で一度止まり日中に作戦を実行する予定。
「マスター!人工衛星の配置と動作確認が完了しました。偵察用の小型ドローンを各国に送り込んでいます。こちらがその映像です」
そう言ってナビィはタブレットを見せてきた。おぉ、リーベ王国の王都が映ってる。他の街は見たことはないが多分、各国の王都だろう。
「スゴイな。ナビィありがとう」
それでは…と、ブリタニア、ナビィ、エイド、ゼオライトと一緒に旗艦に乗り込む。
「それでは出航してくれ」
「了解しました!出航します!その旨を皆に連絡します」
艦に搭載されているAIが答えた。各艦にはAIが搭載されていて無人で動く。
空母の艦載機もAIが搭載されており無人で飛行可能だ。
某フライトシューティングゲームをやったことがある人なら分かると思うが無人戦闘機はチートだ。
無人機は人間の重力加速度(G)による限界を考慮する必要が無く機体の限界だけを考慮した動きが出来る。
…まぁこの世界の他の国には航空機すら存在しないんだけどね。
1年5月17日
2日後、目的の地点に到着した。現在は13時頃だ。
アーシア大陸の各国とオーエス大陸の各国の首都上空に魔法で空間投影と音声を流す。
あ、うちの国の首都と学園都市にもね。
「あー、世界各国の首都の皆さん。こんにちは大和王国国王のコウイチ・タカナシです。お騒がせして申し訳ありませんが非常に重要な事なので皆さんにお伝えします。我が国は憲法に『侵略戦争を行わない』と明記しておりますが、残念ながらこの度リア王国から宣戦布告され戦争状態にあります。まずはそうなった経緯を示す映像をご覧いただきましょう。」
録画しておいた映像を流す。
もちろん敵兵を制圧する前までの映像をね。
「ただいまご覧いただいたように我が国は宣戦布告され戦争状態になりました。今回、世界各国の皆さんにこれをお伝えしたのには理由があります。事前に我が国が宣戦布告された…言ってみれば被害者、被害を受けた国である事を明確化しておかなければ、後々、我が国の方が戦争をしかけた危険な国だとか誤解されたくないのでお伝え致しました」
うん、偵察用の小型ドローンの映像を観た感じだと世界各国の市民が空間投影された映像を見て話を聞いているね。
「改めて強調しておきますが我が国は他国を侵略したり支配したりする気は一切ありません。メリットがないので。…正直に申し上げると自国の開拓で忙しくてそんな暇もないですし、今回、宣戦布告されて迷惑だと思っています。2度とこのような事がないように我が国の軍事力の一部を皆さんにご覧いただこうと思います」
まぁ地球で言う観艦式みたいなものだよね。
国民や友好勢力には、精強さをアピールすると共に、敵勢力に対する示威行為とするものね。
まぁ現代の地球では他国からの艦艇を招き、国際親善や防衛交流を促進することや、自国民の海軍に対する理解を深めることが主要な目的になっているけど。
ということで2隻の空母からF-35を参考につくった戦闘機を8機ずつ離陸させて相手国の首都の上空を飛んでもらう。
うん、一種の航空ショーだね。16機によるダイヤモンド隊形で飛んでもらう。
戦闘機は魔石では難しかったので燃料などを地球から輸入している。
将来的には魔石で実現したいが、まだ研究中。
ただし、魔石で実現できなかった事で「ブルーインパルス」のように白煙を出すことが出来る。
イメージはこんな感じ。
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「これから宣戦布告をしてきた相手国の上空を我が国の戦闘機が飛行します!皆様にその様子を見ていただこうと思います!」
お、そろそろ到着するな。
「間もなく到着します。映像を御覧ください。ダイヤモンド隊形で16機の戦闘機が飛行しているのが見えると思います!」
うん、各国では見慣れない光景に驚いている様子だな。
あ、リア王国は魔法や銃で撃ち落とそうと必死になんかやってる。
届くわけないじゃんね。
「これより機体の後方から白いスモークを出しますのでより分かりやすいと思います」
相手国の上空を大きく八の字型で飛行している。
あ、もちろん先頭の機体はスモーク出さないよ。後ろの機体が前見えなくなっちゃうからね。
「航空ショーをお楽しみいただけましたでしょうか?そろそろ帰還させます。あっ念の為、国の偉い人達向けに言っておきますが今回はやりませんでしたが、機体から爆発物を投下する事も可能だと言うことをご認識ください。軍事用なのでただの飛行物体ではありませんよ」
一応、釘は刺しておかないと抑止力にならないからね。
「さて次にお見せするのは遠距離からの攻撃です。まずは現在リア王国へと向かっている我が軍の艦隊を御覧ください」
今度は艦載機から艦隊を空撮した映像を見せる。
「…今、『たかが一門の砲で何ができる』と思ったそこのあなた!」
オーエス大陸の国の複数の住人が「え?おれ?」みたいに自分を指差している。
思った奴いたんかいっ!まぁオーエス大陸は大砲をたくさん並べて攻撃するタイプの帆船だからね。
「…そう、そこのあなたです。これからお見せする映像を見れば認識を改める事でしょう。リア王国の首都に議会のようなものがありますね?15分後にそこを3発の『ミサイル』というもので攻撃します。付近にいる住民の皆さんはそこから離れてください。…兵士の皆さんも悪い事は言いません。そこから離れた方が良いですよ」
15分後が楽しみだ。





