394 財務大臣横領の裁判 1
1年9月4日
「アクアオーラちゃん、財務大臣とその家族は向かってる?」
「はい。向かっております」
「ありがとう」
「ナビィちゃん、今、大丈夫かな?」
「はい。マスター」
「どったの?暗い顔して目も赤いし、やっぱり僕のせいで怒られた?」
「いえ、怒られておりません。創造神様も生命神様も素晴らしい神様ですから」
「もしかして、僕がナビィと結婚したいとか言ったせいでナビィ、天使クビになるの?」
「い、いえ。クビにはなりません。これからもマスターの天使です」
「じゃぁ何があったの?」
「ナビィからは何も言えません。ゴミ掃除が終わってマスターが天界に行く際にナビィとエイドも同席する事になりました」
「やっぱり僕がナビィとエイドとも結婚したいと言ったせい?」
「……はい」
「良いニュース?悪いニュース?」
「ナビィからはこれ以上は言えません。スミマセン。マスター」
「はぁ分かった。ナビィ、ゴメンね僕のせいで迷惑をかけて」
「そんな!マスター!迷惑だなんて事は断じてありません!謝らないでください!」
「本当に?」
「それは本当です。マスターにはいつも感謝しております。ナビィからは今後ともよろしくお願いしますとだけ伝えます」
「分かった。良く分からないけどゴミ掃除をさっさと片付けようか。ナビィ中継の準備をお願い」
「分かりました!準備します!アクアオーラさんもご協力お願いします」
「はい。ニュース番組の準備等は進めます。被告人が到着する直前に大臣の公開裁判開始を各国首脳に伝えさせます」
「うん、お願い」
「はぁ……中ボスが倒そうとしたらラスボスに姿を変えやがったよ」
「そうですね。面倒な相手です」
「光一、大丈夫?」
「僕は大丈夫だよ。緊張はしているけどね。失敗が許されないってのがキツイね」
「光一、失敗しても良いじゃないの。気楽にやりましょう」
「国王陛下、裁判長としてフォローしますので安心してください」
「ありがとうございます」
「ナビィ、準備出来ました。いつでも大丈夫です」
「アクアオーラからも準備完了をご報告します」
「2人ともありがとう」
「あっ国王陛下、間もなく被告人が到着します」
「分かった」
「ナビィから全世界の端末に通知を飛ばします」
「ありがとうナビィ」
「はい!マスター!後はお任せください」
「被告人入ります」
財務大臣とその家族と思われる人達が入ってきた。皆、性格が悪そうな顔だ。
「私は裁判長です。これは公開裁判です。ザンダレンさんとそのご家族は証言台にお立ちください。検察官、ザンダレン一家の罪状を読み上げてください」
「はい被告人ザンダレン財務大臣は国民の税金を死刑相当の金額、横領しました。また一家は不正を知っていた事も自白から確認しております。従ってザンダレン一家全員に死刑を求刑します」
「裁判長から被告人に聞きます。検察官の読み上げた罪を認めますか?」
「私は財務大臣だ。こんな不当な裁判は認めない。これは大和王国国王が我が国を支配する為にでっちあげたものだ。国民の皆様、騙されないでください。私と家族は無実だ!」
「裁判長から宗主国の大和王国国王に発言を求めます。以下、国王陛下とお呼びします」
「この裁判は通常の裁判とは異なります。全世界に中継されております。検察官に聞きます。証拠は山程あり家から多額の現金が見つかり、金貨や金のインゴットや宝石類が山程出てきたと聞いております。また、取り調べで自白したとも聞いております。事実ですか?」
「はい。まず被告人全員が自白して罪を認めております。何でしたらこの場でその様子を動画で再生しても構いません。財務大臣は2億リーベ以上を横領しておりました。自宅には大体5,000万リーベがありました。自宅から金貨や金のインゴットや宝石類が山程出てきたのも事実です。それから大和王国で量産した物ではない服も沢山ありました」
「検察官ありがとうございます。財務大臣、自白した動画があるそうですがどうされますか?」
「魔法を使って無理矢理自白させるなんて卑怯だ!」
「財務大臣ありがとうございます。全世界の皆様、聞きましたか?今、財務大臣は自白したと言いました」
「い、今のは言い間違いだ」
「どう言い間違えたんですか?」
「そ、それは。その……」
「動画、流しても良いんですよ」
「そ、それは……」
「裁判長、ご家族からも罪を認めるか聞きましょう」
「国王陛下のおっしゃる通りですね。まずは妻のカーレンスさん、罪を認めますか?」
「認めるわけねーだろ。誰が認めるもんか。これは不当な裁判だ!」
「かーさんの言う通りだ。ふっざけんじゃねぇ!何が死刑だ!誰がそんな物を認めるもんか!」
「国王陛下に発言を求めます」
「全世界の皆様、聞きましたか?2人とも随分と乱暴な口調ですね。しかし財務大臣、1億5千万リーベもよく使いましたね。元平民の僕にはこの娯楽のない世界で何に使うのか理解出来ないですね。あっ金や財宝を買うのに使ったんですか。ご自宅も豪華な屋敷が建っているようですしね」
「だ、だから2億リーベ以上、横領したというのは嘘だ!でっちあげだ!」
「それでは聞きますが自宅の豪華な屋敷も映像で出せると思いますが、どうやって建てたんですか?」
「そ、それはだな……そのぉ」
「自白の内容は部下から報告を受けていますよ。まぁそれは後に話すとして横領事件に関連する話を全世界の皆様の為にしましょうか。まぁこの放送を観ている人はご存知の話だと思いますが、おさらいです。財務大臣、どうして僕が横領に気付いたか分かりますか?」
「そんな物は知らない!そもそも無実なんだからな!」
「僕は最初、あの事件があってからずっと不思議だったんです。何故、国王は外の騒ぎに気付かなかったのか。元国王のアルバートさんは答えました。……」
僕は横領事件について撮影した内容と同じ事を語った。
「……でもおかしいんですよ。リーベ王国の宗主国だから分かります。僕のお蔭でリーベ王国はかなりの黒字のはずです。だから僕は財務大臣を疑いました。財務大臣、今の僕の話を聞いて何か言うことありますかね?」
「宰相は自分から辞めたんだ。私は知らない。城のスタッフが少ないのは無駄の削減の為だ」
「財務大臣、裁判で嘘は良くないですね。僕は元国王のアルバートさんに事情を聞きました。アルバートさんによると国にお金がないと言われて。王族は質素な生活をしていたそうです。残念ながら城のスタッフも解雇する事になったそうです。宰相からは流石におかしいと言われたがアルバートさんにはどうする事も出来なかったそうです。そしてある日、財務大臣と職員がやってきて宰相が横領しているという証拠を持ってきたとの事です。宰相には私はやっていない無実だと言われたが、財務大臣だけでなく職員も言っている為、アルバートさんは疑ってしまったそうです。そしたら宰相さんは自ら辞めて行ったようです。財務大臣、おかしいですよね?」
「わ、私は宰相の名誉の為に言わなかっただけだ。宰相が自ら辞めたのは事実ではないか」
「国にお金があるのに国王にお金がないと嘘をついて城のスタッフを解雇した件は?」
「そ、それは……」





