372 怖い質問の答えと不正に気付いた理由
1年9月4日
警察官に連れられてアルバートさんとエイリーンさん、ハミルトンくんが来た。
「な、なんじゃ?一体?わ、私は何もしてないぞ!」
「分かっているわ。ねぇ3人共、私は光一に怖い質問をされて酷く動揺しているの」
「ブリタニア、どうしたの?怖い質問って何?」
「それには僕が答えます。正義の女神さんに調査してもらって財務大臣と職員がポッケにお金を入れている事が分かりました。国土交通大臣もです。現在、リーベ王国の全警察を動員し財務大臣と職員の職場と自宅等に一斉に調査に入っています」
「なんだと!?それは本当かね?」
「はい。証拠は山程あるそうで現在は被疑者の確保と証拠の保全を進めています。僕はまず財務大臣が怪しいなと思い正義の女神さんに聞いた所、ついでに国土交通大臣も横領していた事が判明した訳です。さて問題です。何故、僕は財務大臣が怪しいと思ったでしょうか?ハミルトンくん分かる?難しい質問でごめんね」
「お母様が必死で城のスタッフを解雇しないようにお願いしたから?」
「うん、それもヒントになった。アルバートさん、僕は最初、あの事件があってからずっと不思議だったんです。何故、国王は外の騒ぎに気付かなかったのか」
「それは私が愚かな人間だから?」
「僕も最初はそう思いましたよ。ですが考えてもみてください。普通、城の外で騒ぎが起こったらどうすると思います?」
「すまない。私は君の質問の意図が分からない」
「ハミルトンくんはどう思う?」
「普通、城の外で騒ぎが起こったら国王に報告します。国の最高責任者ですから」
「流石はハミルトンくん、大正解。僕は思いましたよ。何故、誰も国王に報告しなかったのかと」
「防衛大臣の策略だったから?」
「アルバートさん、僕と最初に城で謁見した時の事を覚えていますか?」
「もちろん、覚えておるよ」
「あの時にアルバートさんに話しかけていたのは誰でしたか?」
「それは宰相だ」
「アルバートさん、僕はあの事件があってから一度も宰相さんに会っていないんですけどどうしてですか?」
「それか。ブリタニアが怖い質問をされて酷く動揺した理由は」
「どうしてですか?」
「はぁ……国にお金がないと言われてな。私達は質素な生活をしていたよ。残念ながら城のスタッフも解雇する事になった。宰相からは流石におかしいと言われたが私にはどうする事も出来なかった。そしてある日、財務大臣と職員がやってきて宰相が横領しているという証拠を持ってきた。宰相には私はやっていない無実だと言われたが、財務大臣だけでなく職員も言っている。私は疑ってしまった。そしたら彼は自ら辞めて行ったよ。今思うと私は財務大臣と職員に騙されて有能な宰相を失ったんだな。私は心底、愚かな人間だ」
「そうでしょうね。あぁ、今の同意は財務大臣と職員に騙されて有能な宰相を失った事に対する物です。『愚かな人間だ』という部分ではありませんよ。僕は思ったんです。謁見の時に会った有能そうな宰相さんがいれば城の外で騒ぎが起これば真っ先に国王に報告するだろうと。それ以前に大和王国がリーベ王国に制裁をした時点で防衛大臣の解任を進言していただろうと思ったんですよ。では何故いないのか。財務大臣が国にお金がないとでも言って宰相さんを辞めさせたか、不正に気付かれそうになって辞めさせたんじゃないかなと思ったんです。城を歩いていて違和感を覚えました。なんだろうと考えた時にエイリーンさんが必死で城のスタッフを解雇しないように訴えた事を疑問に思ったんです。そして違和感の正体に気付きました。城のスタッフが少ないと感じたんですよ。そしてエイリーンさんが必死に訴えたのは、僕の性格が悪いと誤解されているのでは無く。お金がないからではないかと思ったんです。だからエイリーンさんは息子さんの前でも構わずに自分でお金を稼ぐと言ったんだと気付いたんです」
「光一、あなたそこまで考えていたの」
「うん。だってブリタニアもおかしいと思わない?リーベ王国にお金がない訳がないじゃない。特に僕のお蔭で色々と儲けているはずでしょ?」
「そうね。そのはずよね。だから気付いたのね」
「きっと財務大臣と職員は王族よりも良い暮らしをしていますよ。全ての真実が明らかになったら国民に公表しましょう」
「アクアオーラから国王陛下にご報告申し上げます。財務大臣の家から多額の資金が出てきました。職員の家からもです。国王陛下のお考え通り恐らく財務大臣と職員は王族よりも良い暮らしをしていたと思われます。ただ今、国土交通大臣の家からも多額の資金が出てきました」





