371 ゴミ掃除と怖い質問
1年9月4日
「ローズさん、どこを調べれば良い?」
「財務大臣は自宅と職場の両方に証拠があります。こう言っては何ですが。元国王が間抜けなのでバレないと思ったのでしょう。証拠は山程、書類として残っています。職員も同罪です。ポッケにいっぱい入れています。皆さん律儀と言うか何と言うか自宅に隠し金庫と不正の証拠となる書類を保管しています。光一様が国のトップになった事で警戒しています」
「そうだよね。今晩では遅い気がする。出来れば昨夜、皆が寝静まった頃に一斉に動くべきだったな。失敗した」
「光一様、まだ間に合います。自宅と職場で睡眠魔法を使い眠らせてから拘束し証拠を押さえましょう。国土交通大臣は単独犯です。職員は関わっていません。大臣室に証拠となる書類が山程あるので同じ様に眠らせて証拠を押さえましょう。大丈夫です。証拠は全て笑える程、書類を見れば不正だと分かりやすい物です。私が全ての証拠の場所をアクアオーラさんに共有します。アクアオーラさん。頭を貸してください」
「はい?分かりました」
「こんな感じですかね?これでどうですか?」
「凄い!凄いです!エテルノのデータ共有と同じ様にデータが送られて来ます!」
「私もこれでも長年神をやっています。仕組みさえ分かれば神の力を使って再現出来ます」
「国王陛下!全ての証拠の在り処が分かりました!リーベ王国の全警察を動員し大規模な睡眠魔法をかけます」
「ちょ、チョット待って。大規模ってどんな物?街全体にやったら最悪犠牲者が出るよ?」
「いえ、証拠のある建物を狙ってピンポイントで多数のターゲットに魔法をかけます。大丈夫です。情報は神様から頂いたので」
「光一様、私、ローズとアクアオーラさんを信じてください!」
「再度、あえて敬語で……ここまでしていただきありがとうございます。感謝します」
「は、はわわわ~!恐れ多いですがお役に立てて光栄に思います。また何かありましたらいつでも頼ってください」
「はい!本当にありがとう!また何かあったらよろしくね!」
「はい!創造神様、失礼してもよろしいでしょうか?」
「用が済んだようじゃし構わんよ。ワシからも礼を言わせてくれ。ありがとう」
「は、はわわわ~!恐れ多いです。それでは失礼します」
「創造神様、時間を止めて正解でしたね。どうしますか?」
「光一くん、大事な話じゃ。まだまだ時間がかかる。全ての話が終わった後にナビィがいつもやっているように全世界の全人類に今回の光一くんに関する決定を伝えたい。従って光一くん、一旦、話を中断しよう。あまり長く時間を止めている訳にもいかんからな」
「スミマセン。僕の都合で」
「いやいや、何を言っておる。リーベ王国の後始末を君にお願いしたのはワシらじゃ。重要な仕事じゃ。ワシの話は別に急がん。しかし、君に頼んだ後始末はどうやら時間との勝負のようじゃ。優先順位はそちらの方が上。君の今日の仕事が片付いたらまた天界に来てほしい。よろしく頼む」
「はい。分かりました。今日の僕の仕事はゴミ掃除とリーベ王国民に演説してアンケート調査をするだけです。すぐに片付きます。ブリタニア、残念ながら君のご家族と4人でまた楽しむのは後日になるかもしれない。悪いね」
「私も優先順位を誤る程、愚かな人間ではないわ。私は今、怒っているの。財務大臣達と国土交通大臣に対してね。だから光一、徹底的にやるわよ!国民の税金をポッケに入れるなんて許せないわ!」
「光一くん、時間を動かした。さぁ行くが良い」
「はい!それでは失礼致します。またお会いしましょう!」
「またね光一くん」
僕達は紗也華の部屋に戻ってきた。
「アクアオーラちゃん。僕はどうすれば良い?どこにいれば良い?」
「国王陛下はお城の会議室で指揮をしてください。私に作戦実行を命令するだけで大丈夫です」
「分かった。全責任は僕が取る。だから徹底的にやるように。それじゃ行こう!」
「お城の会議室に直接ゲートを開きます。マスター、危険ですので飛び込まないでください」
「分かったわ」
「それでは。ゲート」
ブリタニアはゆっくりと入っていく。僕も追いかける。
ゲートを潜るとお城の会議室に来た。
「国王陛下」
「分かった。作戦を実行してくれ。全責任は僕が取る!やれ!」
「サー!イエッサー!」
「状況はどうかな?」
「現場に一斉に転移して睡眠魔法をかけたところです。現在、被疑者を拘束中です。証拠の保全作業もしています」
「自宅の方はどう?」
「無関係かもしれませんが抵抗されたくないので女、子ども共に拘束しました。正義の女神様のお蔭ですぐに証拠は見つかりました」
「その対応で構わないよ。最優先は被疑者の確保と証拠の保全だ。その為なら構わない。問題になったら僕が全責任を取る。現場の諸君は安心して任務に当たってほしい」
「はい。そのように伝えます」
「ねぇブリタニア。僕は怖い事を聞くんだけど良いかな?」
「なに?そんな事を言われると私、怖いんだけど」
「僕は何で今回、不正があるのではないかと思ったと思う?」
「お父さんが愚かな人間だから?」
「それもあるけどね。僕は最初、あの事件があってずっと不思議だったの。何故、国王は外の騒ぎに気付かなかったのか」
「それはお父さんが愚かだから」
「ブリタニア、普通、城の外で騒ぎが起こったらどうすると思う?」
「ごめんなさい。あなたの言いたい事が分からないわ」
「ブリタニア、ブリタニアがこの城で生活している時の生活はどうだった?」
「国にお金がないし、食料も高いから質素だったわ」
「ブリタニア、普通、城の外で騒ぎが起こったら国王に報告するんだよ。僕も最初はブリタニアと同じ様に外の騒ぎに気付かないなんて愚かだなと思ったよ。でもね。よくよく考えてみるとこの国はおかしいんだよ」
「そ、そうね。確かに普通は誰かが報告するわよね。でも何故、誰も報告しなかったのかしら」
「ねぇブリタニア、僕は最初にこの城に来た時の事を覚えている?」
「えぇ、よく覚えているわ」
「その時に国王に話しかけていたのは誰?」
「それは……宰相よ」
「ねぇブリタニア?僕はあの事件があってから今まで一度も宰相に会っていないんだけどどういう事?」
「……ア、アクアオーラ!すぐに!すぐにお父様とお母様と弟を会議室に呼んで!」
「は、はい!分かりました!すぐに対応させます!」





