335 ローズによる事件の解説
1年9月3日
「それでローズよ。昨日の事件の事で専門家の君の意見を聞きたい。お願いできるかの?」
「は、はわわわ~!そんな重要な仕事、私で良いんですか?」
「いや、君じゃないと出来ないから。お願いしますよ」
「あっそうですよね。分かりました」
「僕からもお願いします」
「私、ブリタニアからも父の件よろしくお願い致します。娘としては父が地獄行きになっても仕方ないと覚悟出来ています」
「は、はわわわ~!ブリタニアさん地獄の門番として結論を申します。あなたのお父様は地獄行きではないですよ?」
「そ、そうなんですか?」
「はい!地獄の門番として断言します!まず事件を整理しましょう」
「そうですね。新神から恐れ入りますがお願いします」
「あなた様はこの世界において初めて人間から自力で神になられた方。しかも異世界出身。この世界の神界においてはあなたの立場は新神ですが大きなモノです」
「あぁそれは僕も生命として保証するよ。君は君が思っている以上に凄い存在なんだよ?」
「僕は運が良かっただけですよ」
「光一くん運も実力の内だし君が神になれたのは運だけじゃないよ。あのぉ生命神としてローズちゃんと光一くんに一言だけ言わせてこれは忠告ね。謙遜も度が過ぎると鬱陶しい。面倒くさい。頼むから2人とももっと自信を持って」
「は、はわわわ~!申し訳ありませんでした!以後、気を付けます!」
「生命神さんスミマセンでした。おっしゃる通りです。自分の欠点だと思っています直すように気を付けます」
「本当に頼むよ2人とも。それじゃ事件を整理しようか」
「はい。皆様は現場の様子を全てご覧になっていたと思います。1点不自然だと思いませんでしたか?」
「僕は気付きませんでした。創造神様と生命神さんはどうですか?」
「ワシは心当たりはあるが確信ではない」
「僕は気付かなかったな」
「もちろん私も分からないわ」
「軍がいきなりデモ隊に暴力を始めましたよね?これについて防衛大臣の動機は皆さんご存知だと思いますが自己保身です」
「そう言っていたね。生命神として事件は気になったので聞いていたよ。自白魔法もかけたから真実だろう」
「そしてアルバート国王が近衛兵に警察官を襲わせた動機は『防衛大臣に国軍が警察官に襲われていると言われたから』です」
「国王の立場から言わせてもらうと動機が低レベルで酷いと思うんだけど」
「光一さんがそう思うのは事件の全容を知っているからです。アルバート国王は外で騒ぎが起きている程度の認識しかありませんでした」
「国王の立場から言わせてもらうとその認識は甘いと思う」
「光一さんこの際、国王としての能力の問題はおいておきましょう」
「スミマセン。続きをお願いします」
「アルバート国王は防衛大臣から国軍が警察官に襲われていると聞いて外を観ました。すると事実はともかく防衛大臣の言う通りに警察官が国軍を襲っているように見えました。その為、近衛兵に止めるように命令しました。そうなんです。警察官を殺害するように命令した訳ではないんです。国王は正当防衛のつもりで命令しました。しかし現場は命令を勘違いし過剰防衛をしてしまいました」
「これも国王としての能力の問題かもしれないけど、人間としては命令した時点で責任が生じ『現場が勝手にやった事だ』では済まないと思うんだけど。それは無責任な話だと僕は思う」
「はい。おっしゃる通りです。通常であれば私も同感です。しかし罠にハマったとすればどうでしょうか?」
「罠にハメた人が悪い?その人の責任?つまりその人の罪?」
「その通りです。アルバート国王は愚かにも罠にハメられただけなんです」
「そうなの?」
「はい。全ては防衛大臣による罠です。考えてもみてください。国軍が民衆を襲えば静観している警察官はどうしますか?」
「暴行事件の現行犯として対処する」
「その通りです。殺人事件の現行犯として警察官は国軍の者を逮捕しましたよね?」
「そうだね」
「防衛大臣は警察官の行動に歯がゆく思いました。法的には向こうが正しいので何も出来ません。民衆は自分の退任を訴え続けています。そこで自己保身の為に愚かにも閃いてしまいました。『そうだ軍が一斉に民衆を襲えば警察官が対処する。その様子だけみれば国王は軍が警察官に襲われていると勘違いする』と」
「つまり全ては防衛大臣の策略であり防衛大臣の罪という訳か」
「防衛大臣の罪であるスパイ行為も同じです。国王は知りませんでした。ただの情報収集部隊程度の認識しかありませんでした。光一さんも偵察用ドローンを使って情報収集しますし、日本でも公安……日本には色々な公安がありますが私は地球の事は詳しくないのであえて広く公安と言いますね。日本も公安等が他国で情報収集をしていたりするでしょう。軍事機密を不正に入手する等は明確な敵対行為であり自衛権の範囲になると思いますが、一般的な社会情勢などを収集するのは国として当然の事でしょう」
「そうだね」
「防衛大臣が勝手に国王に報告せずにやっていたスパイ行為と同じ様に昨日の事件も国王は知らなかっただけなんです。騙されただけです。だから地獄の門番としては防衛大臣の罪としてカウントし、アルバート国王の罪としてはカウントしません。ご理解いただけましたでしょうか?」
「とても分かりやすい解説じゃった。ありがとう」
「いえ、創造神様、お役に立てて光栄に思います」





