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297 ドラゴンと縄張り交渉

 1年8月22日


 ドラゴンに付いていくとオーラが違いカッコいいドラゴンの前まで来た。

 ドラゴンと言っても西洋ドラゴンね。龍ではなく竜の方?まぁ良いや。


「長老様、新神様がお話をしたいとの事です」


「ほぅ?ワシも長く生きてきたが初めての事だ。どれどれ。無意識なのだろうが確かに神気が漏れておる」


「初めまして突然のご訪問、お許しください。創造神様にこの島で建国を依頼されましてその関係でお話があり参りました」


「まずお主はワシよりも格が上だ。敬語は要らぬ。お互い気楽に話そうじゃないか」


「分かりました。いえ、分かった。お話をしましょ……お話をしよう」


「お主は敬語の方が自然なようじゃな。変わっておるがそれなら敬語でも構わんよ」


「ふぅ。ありがとうございます。長い間、敬語で生活していましたので私は敬語の方が自然なんです。お気遣い助かります」


「新神様なのは創造神様に建国を依頼されたからなのか?」


「いえ、最初は普通の人間でした。私が新たな種族を生み出したり神界の問題を穏便に解決した事などを評価されまして新神にさせてもらいました」


「そうじゃろうな。お主はそれだけの偉業を成し遂げて人間から新神になったんじゃな」


「はい。精神を磨り減らし倒れまして後から聞いた話ですが、長いこと眠り続け生命神さんに最悪は廃人や記憶喪失の可能性があると言われたそうで、目を覚ました時は記憶喪失でしたが生命神さんが『僕達、神々のせいだから』とつきっきりで面倒をみてくれまして、記憶を取り戻し、今では健康に過ごしています」


「そうか。それは大変だったな」


「はい。先日も寝たきりになりまして、生命神が原因を調査したところ僕の着けている精神的苦痛耐性上昇の指輪に欠陥があり、その影響で精神を磨り減らしていたようで、恐らく前回倒れたのもそのせいだろうと言われました」


「ほぉ、創造神様もミスをすることがあるんじゃな」


「僕はこの世界をつくる際に創造神様が参考にした世界から来まして、建国を依頼されたわけですが……僕が思うにこの世界のバランス設定を誤った為、僕がこの世界に呼ばれたんだろうなと思います。創造神様に聞いたところ数百年、この世界は時が止まったような状態だったようなので」


「なるほどの神もミスをする……か。面白い話が聞けて満足じゃ」


「それでですね。建国を依頼されたので色々と魔物の駆除などをして人間が住めるようにしたいんですが、ドラゴンの皆さんの縄張り内の魔物を駆除したら皆さん困ると思いまして、今日訪問しました」


「そういう事か。そうじゃのぉどうやって教えれば良いかの?」


「あの周辺の地図を大きな紙に印刷して来ましたのでそれで教えていただければ助かります」


「おー!それはワシも助かるわい」


「私としては海沿いが使えれば良いと考えています」


「この富士山というのがワシらの住処じゃな?」


「はい」


「それならこのエリアで構わんよ」


「それでは狭すぎると思います」


 僕は予め考えていた東は丹沢山から雲取山まで。西は光岳、赤石岳、北岳、赤岳のライン。南は静岡県道180号と同152号の合流地点、旧料金所後に。北は赤岳、金峰山、雲取山のライン。

 地図には記載されていないが僕の目にはHUDを応用し日本の県道等を参考に線を引いていった。


「これでどうでしょうか?」


「こんなに広大なエリアで良いのか?」


「はい。山ですし使い道がないので構いません」


「そうか。大変助かる。普段、ワシらはそんなに飛んでいなかったからな」


「魔物がいなくなったら言ってください」


「いやいや大丈夫じゃよ。魔物の繁殖する速度は早い。食っても食ってもすぐに増える。これだけ広大なら大丈夫じゃろう」


「そうですか。それなら良かったです。ナビィ壁の建設を始めて」


「分かりました!」


「壁の内側がワシらの縄張りじゃな?いやぁ本当に助かるわい」


「もしも将来、壁の内側に人類が侵入してきたら食べちゃっても良いですから」


「本当かね?」


「その代わり人里に来て襲わないでください。お願いします」


「ワシらは縄張りを守るから安心せい」


「いえ、私の元いた世界に熊という動物がいるんですがね。人間を食べると味をしめて人里に降りてきて襲うようになるんですよ」


「ワシらはそんなに食欲がないから大丈夫じゃよ。ワシなんて最後に食べたのがいつだったか覚えていない程じゃし。若いものも週に1回食べれば満足する。基本的に魔力をエネルギーに生きておる」


「そうするといつか魔力は枯渇しませんか?」


「創造神様に聞いておらんのか?この世界の魔力は常に一定程度存在するようになっておる。木から魔力が放出されるんじゃよ。人間も魔力を使うじゃろ?」


「そうなんですね。勉強になりました。ありがとうございます」


「お主は本当に良い性格をしておるな。新神になるだけある」


「そうですか?僕はどこにでもいる普通の人間と同じだと思っていますが」


「自覚がないんじゃろうけど謙虚じゃし欲がそれ程ないじゃろ?」


「そう言われるとそうですね。常に相手を思いやるのが普通は意識すると思いますが僕は癖になっています」


「そうじゃな。この世界に来たのがお主で良かったと思っておる。今後ともよろしく頼む」


「こちらこそよろしくお願いします」


「時々、遊びに来ると良い。皆にはワシから言っておく。お主にはメスもおるんじゃろ?」


「はい。結構な数がいます」


「おー!それは大変そうじゃな」


「分かっていただけますか。でも皆、良い性格で良い家庭だと思います」


「そっかそっか。お主の家族なら歓迎する。たまには遊びに来ると良い」


「はい!」


「良い返事だ。国造りをするんじゃろ?ワシは応援することしか出来んがまぁ程々に頑張ると良い」


「ありがとうございます!」


「ワシらは基本的に縄張りから出ないが……いつか観光で人里の上を飛ぶかもしれん。襲うことはないから攻撃してこないように周知してくれんかの?」


「分かりました。我々にもルールがあるので縄張りに入らないことと人里に来たドラゴンを襲わない事をルール化しますね」


「うむ、頼んだ。お主も忙しいじゃろう。創造神様に国造りを頼まれておるわけじゃからな」


「はい。それではそろそろ失礼します。お話をしていただきありがとうございました」


「うむ、こちらこそ楽しかったぞ。また会おう。ワシの寿命はまだまだ先じゃからな安心せい」


「はい!分かりました!改めてありがとうございました。失礼します」


「うむ」

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