271 無謀な争い後の現状確認
1年8月10日
地上に戻ると朝の8時。妻達は皆、僕が泊まっているホテルの部屋に来ていた。
「みんなおはよう」
皆から口々に「おはよう」と返ってくる。
「どうでしたか?コウイチさんが天界に行った事は皆にも伝えました」
「ありがとう。良くも悪くもという感じだけど、僕の予想通りだったよ。従属国になる不満、不正がバレる恐れ等しょうもない理由。エルフの国はハーフエルフ差別派が多くて僕がハーフエルフにならないと言っても実質はハーフエルフだからと。主に地方で中央の目が届かないからと不正をしている領主が多いという話だった」
「しょうもない理由ね」
「ブリタニアの言う通りでそれは生命神さんも同じ事を言っていたよ。生命神さんとしては部下が対応するから仕事は増えないけど残念な事だとも言っていたね」
「他の首脳も起きているかもしれないわ。起きていないかもしれないけど1階でお茶を飲んでいましょう」
「そうだね」
僕達が1階に行くと既に各国首脳が集まっており、ホテルのレストランでお茶を飲んでいた」
「おー!やっと来たか。しかしここのお茶は美味いな」
「お待たせしてスミマセン。天界に行って創造神様と生命神さんと今回の件について話し合っていたので」
「おっとそれはすまない。それでどうだったんだ?」
僕は天界で話し合った事を各国首脳に話した。
「理由がくだらなすぎて呆れるわ」
「私もハーフエルフ差別派が多いのは気になっていましたが、ここまでとは思ってもいませんでした。私の娘と大和王国国王との子どもはハーフエルフではありませんし、神の子でむしろ素晴らしいことなのに頭の悪さに呆れます」
『あーあー。聞こえておるかな?光一くん聞こえておったら片手を挙げてくれないか?」
僕は片手を挙げる。
「聞こえておるようじゃ。創造神として残念な出来事が発生したので皆に伝えておく。昨夜、世界各国でくだらない理由により無謀な争いを行い多数の命が失われた事、創造神として非常に残念に思う。理由は地方の領主が不正がバレる恐れ等しょうもない理由ばかりじゃ。これ以上、しょうもない理由により無駄な争いが起こらないことを創造神として切に願う。以上だ」
「これもお前さんのお陰かな?」
「はい。これ以上、無駄な争いを避けるためにお願いしました。実際、創造神としても残念に思っているからそれは構わないとおっしゃっていました」
「ワシラとしても非常に助かる。現状を教えてくれないか?」
「ウィンドウちゃん報告をお願い」
「はい。鎧を着ている偉そうな人物と数人を残して全て射殺。戦闘は終了しています。王都の警備隊と軍に射殺した人数を教え後始末を依頼したら快く引き受けてもらえました。鎧を着ている偉そうな人物は貴族や領主だったようですが、生存者含め皆、監獄に連れて行きました」
「敵の人数を聞いて自分達が応戦しなくて良かったと思ったんだろう。貴族や領主が生存者にいるのはありがたい」
「また現在は第2波を警戒し大和王国国防軍が駐留しています。意見具申しますと創造神様の演説もあったので第2波の可能性は低いと考えられますので撤退し、偵察用ドローンによる警戒監視を続ける事が妥当かと考えます」
「撤退を判断する前に確認しておきたい。今回、攻めてきたのは何割かということと領主が領地に残っていないかを確認しておきたい。領地に残っている場合は速やかに拘束し連行すべきだと考える」
「今回、攻めてきたのは各国8割です。報告が漏れており申し訳ありません。領地から派兵された時点で国防軍に別働隊をつくり領主及び家族及び関係者を拘束しました。前線に出てきた領主の家族とその関係者も同様です。そちらも王都の警備隊に引き渡しております。関係者の拘束は必要ないかと考えましたがそれを判断するのは各国の当局だと判断し拘束しました」
「8割か。なんともやるせない気持ちだな。領主とその家族、関係者の拘束は非常にありがたい。取り調べや処罰で必要だからな。それはワシ以外の国も同じだろう。王都から軍を派遣して拘束しようとしても逃げられていただろうからな」
「はい。実際に逃げようとする兆候を確認しました。そちらを優先的に拘束していきました」
「なるほど。流石は大和王国国防軍だな。心強い味方だ。敵に回す気は一切ないが敵に回したら怖いな」
「やる時は徹底的にやらないと後々、面倒なことになりますからね。ウィンドウちゃんありがとう。撤退し警戒監視を継続でお願いします」
「残り2割くらいは善良でいてほしいがワシは人類不信になりそうだ」
「お気持ちは理解出来ますが私の元いた世界の歴史を考えると妥当だと思います。中央から目の届かないところでは色々とバレない範囲で不正をしていたりするものです。また、私の演説を聞いても理解してもらえない事は予想していました。人種差別というのも根が深い問題だと思います。我々はエリートであり他の人種より勝っているとか私の元いた世界でもありましたから」
「まぁいつまでも嘆いていても仕方がない。今後について議論しよう」





